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KamassKRRR (くらリ
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「誕生日おめでとう〜いぇーい!」
「ありがとう、嬉しい」
インスタライブが終わったあと、俺はケーキを持って深澤の家を訪れた。
もちろん誕生日を一緒に過ごすため。
時には他のメンバーがいたけど、今年は違う···想いが通じて恋人という関係になった俺たちは初めて恋人という関係で2人きりで誕生日を祝っていた。
「ケーキ早くロウソク消して!ちゃんとお願いしてよ、願い事」
「はいはい、わかったよ、さくちゃんのせっかちさん」
仕方ないなぁって笑ってハッピーバースデーの歌を歌って、火が消えてパチパチと拍手するとありがとね、ケーキ食べてもいい?ってさっと切り分けてくれた。
俺がしちゃうとぐちゃっとなりそうなのに手際よく切り分けてくれてスマートでかっこいいなぁなんてこんなことでも感じてしまう。
「ん、おいしい。さくちゃんありがとねぇ、忙しいのに」
「だって恋人の誕生日だよ?当然だっ···っところで、ふっかの今欲しいものって、なに?」
「なんでぇ?さくちゃんからのプレゼントはもう貰ったよ?」
ふっかに渡したのはありきたりすぎるけどペアのマグカップ。
自炊しない深澤の寂しい数の食器たちの仲間入りして、すでにコーヒーと俺にはジュースを入れて机に並んでいた。
ベタすぎるプレゼントに嫌な顔どころかにっこり笑ってさくちゃんとお揃い!って喜んでくれて、そういうところが本当に好きだ···でも、カップは正直そこまで高価なものじゃなくて、もちろんプレゼントは値段じゃないけど“欲しいもの”をあげたい俺としてはちゃーんと聞いておきたかった。
「その···欲しいものをさ、あげたくて。ふっかは何でも持ってるし、買っちゃうし、だからマグカップは第一弾というわけで···だから俺に教えて、ふっかの今、欲しいもの」
綺麗にケーキを食べ終えたふっかがお皿をテーブルに置いて俺の顔を見つめる。
何って言われるかな?カバン?服?アクセサリー?流石に時計とは言わないか、それか実用的に家電とか?
くるくると頭の中で色んなものが浮かんでは消える。
買い物なんかにいくと本当に気前よくポンポンと買っちゃう、なんでも持ってる深澤辰哉の欲しいもの。
気になるじゃんね?
「今欲しいものっていうか、ずっと欲しかったものはあるのよ」
「えっ、なになにっ?教えて!」
「けどなぁー、本当に手に入らないのよ、それ」
「もったいぶるなよ!そんなにレアなの?」
「めちゃくちゃ人気があってさぁ」
マジかよ、そんなもの俺に買える?
お金の問題どころか手に入れるのってめちゃくちゃ難しいんじゃないの?
「まじ、かぁ···俺には難しい···よな?ふっかの欲しいものあげたかったのに···」
なんだか意気込んでたのが恥ずかしい。けど手に入れられるかどうかはともかくそれが何なのかはすごく気になった。
「いいよ。けどそれ、さくまがもってたら俺にくれる?めちゃくちゃ大事にしてるものでも、譲れる?」
深澤がいつになく真剣だから思わず少し身体を引いてしまった。
めちゃくちゃレアなのに俺は持ってる?しかも大事にしてるもの···まさか、まさか深澤もオタクに?···じゃあ仕方ない、大切にしてくれるなら嫁のフィギュアでもなんでもあげようじゃないか。
「わかった!いいよ、ふっかが大切たしてくれるなら何でもあげる。俺ふっかに喜んでほしいもん」
そう言うとふっかはめちゃくちゃ嬉しそうに笑って、ちょっと手回してつかまってて、というと突然俺をお姫様抱っこして歩き出した。
俺、結構重いと思うけど深澤にスタスタと寝室に連れて行かれる。
はにゃ、プレゼントの話はどうなった?
はてな、な俺はベッドにそっと降ろされて深澤の手がそっと頭の中後に回された。
「ふっか···?」
「俺が欲しいのはね···さくちゃん」
「はぇ?お、おれ···?」
「そ、めちゃくちゃ人気で世界に1つだけしかない佐久間大介が欲しくてたまらないの。俺にくれる?さくちゃん」
いつもより100倍くらい甘い深澤の声が近づいてきて、耳元に唇が触れたのがわかった。
深澤が付けてる香水、いい匂い、なんて一瞬現実逃避してたら、ちゅっとリップ音がして首筋にキスされた。
「ふっか···ふっかの欲しいものって俺なの?その、欲しいってどういう意味で···」
「知らなかったの?俺ずっとさくちゃんが欲しかったんだよ、あ、もちろん触れたりキスしたりえっちなことしたいって意味で。さくちゃんとキスするまでにもめちゃくちゃ時間かかって近づくとなんかガチガチになっちゃうからゆっくり時間かけてっておもってたけどね?俺も男だから···そゆこともしたい。もちろん怖いなら無理しなくていいよ」
頭を撫でる手は優しくて反対の手は優しく顔のあたりにあって俺が逃げないように優しくだけど押さえられてる。
···そうだよ、恥ずかしいけどアイドルやっててあんな甘い言葉を言って俳優として女優さんと触れたりとかもあるけどほんとに好きな人とそういうことするってのは今までほんとになくて。
深澤と付き合ってキスするのも心臓バクバクして恥ずかしくてやっと最近ちょっと慣れてきた、くらいのレベルで。
だから今だって心臓飛びでるかもってくらいドキドキしてる。
けど···俺が欲しいなんて、この言葉が嬉しくないのやつなんていないよ。
「···あげる。ふっかに俺の全部をあげる。お、おれだってそういうことしたくないわけじゃなくて、でもふっかといるとドキドキして恥ずかしくてそれでその···」
なんかいい訳がましくてカッコ悪くて泣きそうになる。
伝わってほしいのに、深澤のこと大好きだって触れたいし触れられたいって俺も思ってるってわかってほしい。
「さくちゃん、大好き。大丈夫、わかってるよ、めちゃくちゃ俺のことを大好きって気持ち伝わってるから···泣かないで···ありがとね、最高のプレゼント、貰っちゃった」
深澤はそういうと俺を抱きしめたままベッドに横になる。
背中がおっきな手のひらが撫で、頬や、首、鎖骨にはその薄い唇が触れた。
「ぁ···ふっかぁ···」
「さくちゃんかぁいいね、俺めちゃくちゃ幸せよ···ゆっくり、2人で進んでいこ?だから今日はキスいっぱいして、さくちゃんに腕枕して眠りたい」
「俺も一緒に眠たい···キスも、したい」
目を閉じて、顔を近づけると深澤の唇が触れて何度もキスを繰り返した。
「ふふ、さくちゃん、愛してるよ」
「俺も···ふっか、ハッピーバースデー。素敵な年にしようね」