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孤独とタバコ

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孤独とタバコ

1 - 孤独とタバコ

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2023年06月19日

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風が吹き荒れる

柊「…思い出すなぁ。」

昔、住んでいた家の部屋の隅でそう呟いた。

荒れ果てた惨状は、既に把握済みだった

柊「……これ、アイツの…」

タバコの残骸を見つける。僕の腕に、タバコの後始末として押し付ける。

根性焼きというやつだったのだろうか。泣こうとしても、泣けない。

部屋は異臭に塗れていた

ここで疑問に思うだろう。何故ここに再び来たのか?それは、仕事の依頼だったこの事件を調べてほしいとのこと。当事者にそんなこと言っちゃっていいのかと思ったが、相手は知らなかったのだろう。柊「…僕が1番知ってるのに。」

被害者…そして加害者。

僕の調べによると、加害者がそのような事をする子では無かった様。二重人格にでもなったのかと疑うほどだ

柊「なんでわざわざ、調べてるんだろ、僕。」

きっと、三人称視点からこの事件を見たかったのだ


かなり情報を入手したと思う。一旦現場から離れ、帰宅した。

柊「ただいま〜」

クロ「あ、おかえり。柏木は出かけたぞ。輝樹は…」

柊「大丈夫、聞いてるよ。集まりでしょ?」

クロ「あぁ。とりあえず、仕事についてなんだが…メンタル的に大丈夫か?なんなら、俺が調査しても良いんだが…」

柊「もぉー、そんなに心配しないでよ。大丈夫だよ」

クロの方も仕事が山積みになっていた。

だから、気遣って仕事を増やさないようにさせた

クロ「…晩御飯、どうするか」

柊「あー…僕、お腹すいてないからさ、クロは適当に冷蔵庫にあるやつ食べなよ!何か作って欲しいなら作るよ?」

クロ「わかった、ありがとう。俺1人でパスタ作る」

柊「お!やる気だね〜」

僕の兄、クロは責任感があり、”あの事件”で僕を助けてくれた張本人。

クロは相当気にしているらしい。


柊「それじゃ…僕資料まとめてくるね!」

クロ「わかった、俺は少し仕事場に取りに行く物があるから出かけるぞ。留守番よろしく。」

そう言って家から出て行った。

柊「……さーてと、僕、早めに資料完成させなきゃ」


ガチャ。

ドアを開け、部屋に入る。

机に向かって椅子に座る。

資料をみつめていると、いつの間にか涙が頬を伝っていた。泣いていたようだ。

柊「…ごめんなさい…」


どうして僕にお父さんやお母さんがいないんだろう。

どうして僕はこんなに痣だらけなんだろう。

なんで僕がこんな目に遭わなきゃならないの?

なんで僕は泣いているの?

わからない。


わからないんだ。

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