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日帝とパラオの絆って良いよね
その人に、頭を撫でてもらうのが好きだった。
包み込むような大きな、暖かい手で、頭を撫でてくれる。その優しい姿が好きだった。
「けど、今はその面影もないじゃないか」
彼、パラオは、ベッドで1人横たわる1つの国に呟いた。弱々しい手を、今にも泣き出しそうな顔で握る。
「悪いね、寂しい思いをさせてしまって。」
対して、ベッドで横たわる国は穏やかな笑顔でそう告げる。
「酷いよ、内地。そんなに衰弱しきって…僕が大人になって成長するまで見届けるっていう約束はどうなったの?」
遂に泣き出したパラオは、大粒の涙を両目からぽろぽろ零しながら言う。
「そういやそんな約束もしたなあ。懐かしい。」
またもや穏やかに返す彼の目には、もうとっくに成長したパラオの姿があった。
「でも、お前は十分成長したさ。」
「……っえ?」
信じられない、そんな顔をした。
「本当だとも。お前はもう立派な”独立国”だ」
その瞬間、パラオは声を上げて泣いた。
彼は、そんなパラオの頭を撫でててやった。
(やっぱり内地の手って、暖かいなあ。)
2人っきりの病室で、お互いふっ、とほほえんだ。