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#たっつん愛され
#しーちゃんの小説コンテスト
RIN🌙🐈⬛
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ゆと0109
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第1話 この扉の向こう側
――その扉は、ずっと閉ざされていた。
人間界の片隅。
古い建物の奥に、それはあった。
大きな、黒い扉。
建物自体は苔むしているのに、
この扉だけはずっときれいなままだ…
しかも。
何百年も前から存在していると言われているのに、誰もその向こう側を知らない。
ただ一つだけ、昔から伝えられていることがある。
この扉の向こうには、魔族の世界『魔界』がある。
…けれど。
それも今となってはただの昔話、おとぎ話に過ぎない。
人間と魔族を隔てるこの扉は、決して開かない。
開けられない。
人間にも。
魔族にも。
そういうものだと、誰もが思っていた。
――今日までは。
*
放課後。
俺―たつやは一人、古い建物の中を歩いていた。
別に、特別な理由があったわけやない。
ただ、なんとなく気になった。
昔から、この場所には入るなと言われていた。
でも、そう言われると余計に気になるのが人間というものだ。
俺は廊下の奥にある扉の前で足を止めた。
黒い扉。
近くで見ると、思っていたよりずっと大きい。
「……これが、あの扉か〜」
左目にかかる眼帯を指で軽く押さえる。
いつもの癖だった。
俺はこの眼帯の下の左目が、『大嫌い』だ。
親に何度も言われた。
――そんな目、醜いから隠しておきなさい。
だから今でも、人前で眼帯を外すことはない。
「……魔界、ねぇ」
そんなもの、本当にあるんやろうか。
俺は扉に手を伸ばした。
触れる。
――その瞬間。
カチャッ。
「……え?」
鍵が外れるような音がした。
次の瞬間。
――ギィィィィ……。
「え、ちょっ……!?」
扉が、開いた。
真っ黒な奥。
その向こうには、見たこともない景色が広がっていた。
紫色の空。
巨大な木々。
遠くに浮かぶ光。
そして、人間界では絶対に見られない謎の生き物たち。
「……なんや、これ……?」
怖い。
なのに。
なぜか、目が離せなかった。
一歩。
俺は扉の向こうへ足を踏み入れた。
その瞬間――
バタン!!
扉が勢いよく閉まった。
「……へ?」
振り返る。
黒い扉は、閉じてしまった。
「ちょ、待って……!」
押しても。
引いても。
叩いても。
びくともしない。
「……嘘やろ」
俺はその場に立ち尽くした。
帰れない。
その事実を理解した瞬間、背中に冷たい汗が流れる。
「……どうすんねん、これ……」
――その時。
ガサッ。
「……!」
背後の草むらが揺れた。
何かいる。
俺はゆっくり後ずさる。
そして。
草むらから、巨大な生物―魔物?が姿を現した。
「う、うわ……!?」
魔物がこちらを見る。
その目が、異様なほど輝いていた。
そして――
こちらへ向かって走り出す。
「わっ!来んな!!」
逃げる。
でも、速い。
追いつかれる。
そう思った瞬間――
魔物の前に、黒い影が伸びた。
地面から。
壁から。
まるで生き物のように。
影が魔物の身体を縛りつける。
「……え?」
魔物がうるさく唸る。
次の瞬間。
影が鋭い剣へと変わった。
「――そこ、邪魔なんだけど。」
声がした。
俺の前に、一人の少年が立っている。
赤い少しクセのある髪。
水色がかった緑色の綺麗な瞳。
真っ黒な服。
そして――
頭には小さなツノが2つ。
それと背中には漆黒の翼。
少年は魔物を見つめる。
ゴミでも見てるかのような、冷たい目。
「唸るの、うるさいからやめてくれる?」
影の剣を握る。
「消えろよ。」
―― 一瞬。
魔物は影に飲み込まれた。
静かになった。
「…………」
俺は何も言えなかった。
少年は剣を消すと、くるりと振り返った。
そして――
「大丈夫?」
にこっと笑った。
「怖くなかった?」
「…………」
……いや。
怖かった。
めちゃくちゃ怖かった。
魔物も怖かったけど。
――お前の切り替えのほうが怖いわ!!
心の中で叫ぶ。
「……大丈夫…です…」
「よかった!」
少年は安心したように笑った。
「俺、じゃぱぱ。」
「……じゃぱぱ?」
「うん!」
俺は目の前の少年をじっと見る。
ヘンテコな名前。
小さな2つの角。
漆黒の翼。
黒い爪。
手の甲には緑色の角と翼を模したタトゥー。
明らかに人間じゃない。
「……あ、あの……もしかして、魔族ってやつ…?」
「そうだよ。俺はデーモン(悪魔)なんだ。」
「……え」
じゃぱぱは俺の顔をじっと見る。
「それで、君は?」
「……たつや。」
「たつや?」
「はい……。」
「呼びにくいなー。」
出会って早々、名前にケチをつけられた。
「じゃあ、たっつんだね!」
「え…?」
「たつやより、たっつんのほうが呼びやすくない?」
「う、うん…」
じゃぱぱは、また笑った。
……なんなんや、この人。
怖いくらいに強かったのに。
さっきまで魔物に「消えろ」とか色々言ってたくせに。
今は普通に笑っている。
「たっつんって、ニンゲン?」
「……そうやけど…」
「へぇ!」
じゃぱぱの目が輝いた。
「初めて見た!」
「……人間ってそんな珍しいん?」
「うん。ニンゲンなんて、ほとんど見たことないよ。」
じゃぱぱが一歩近づく。
俺は反射的に一歩下がった。
「……なに?」
「いや、珍しいなーって。」
じゃぱぱは俺を眺める。
そして、ふっと笑った。
「……なんか、君って面白いね。」
「は?」
「もっと話したい。」
「なんか…俺、しちゃったかも」
なぜか少しだけ顔を赤くする。
「え?なにが?」
「ん〜…」
じゃぱぱは顎に手を当て考える。
そして、人差し指を口の前に立てた。
「まだ、秘密かな?」
――この出会いが。
俺の人生の分岐点になるなんて。
もちろん――
この時の俺は、知らなかった。
第1話 終
ここまで読んでくださりありがとうございます!
今までの作品とはガラッと雰囲気の違う異世界ものです。
恋愛要素とバトル要素の両方があります!
ぜひ♡とコメントよろしくお願いします!
次回 第二話 守るから ♡100↑
コメント
1件
わあ〜〜〜第1話からすごく引き込まれた!!😭💕 人間界と魔界を隔てる黒い扉、ずっと閉ざされてたのにたつやが触れたら開いちゃうところ、めっちゃ神秘的でドキドキしたよ…! しかも眼帯の下の左目に秘密ありそうな伏線、気になりすぎる!!! そして助けてくれたじゃぱぱくん、強そうなのに急に「たっつん♡」って呼び出して顔赤くするの可愛すぎんか!?!? 「俺、しちゃったかも」って何!!続きが気になって夜しか寝れないレベル!!次の話すぐ読みたいですゆきさん!!🌸