ワンク
蘭はる
春千夜タイムリーパー
死ネタ
意味不
捏造多め
誤字脱字注意
なんでも許せる方向け
俺の大切な人が立て続けに2人死んだ。1人目は俺が敬愛しているマイキーだ。
マイキーは日本最大の犯罪組織、梵天の首領だった。1週間前、ドブがマイキーに会いに来た。マイキーはドブに銃弾を3発当て、その後すぐマイキーはその廃ビルの屋上から飛び降りた。ドブと一緒に。俺も…席は外していたが、今思えば助けれたはずだ。
日本最大の犯罪組織の首領が死んだとなると、必然的にトップがNo.2の俺になった。マイキーが死んですぐ俺は2つの選択肢で頭を悩ますのだった。1つ目の選択肢は俺が梵天のトップとして梵天を続ける事。だが俺はマイキーのようなカリスマ性は無いし最強でもない。2つ目の選択肢は解散。今更一般人として生活するのは難しいと思うが、ある程度梵天には金がある。その金で海外逃亡も1つの手だ。だが俺にはそんな気力も無い。マイキーが死んだ3日後俺の恋人である蘭も死んだから。蘭はマイキーが死ぬ前から海外に出張しており、マイキーが死んだ時俺は蘭に日本に今戻ったら危ないから帰ってくるなと連絡した。日本より危なくないという考えが甘かったのだろう。同じ頃海外では大規模な抗争があった。それに蘭も巻き込まれて死んだ。俺にはもう何も無い。梵天なんてどうでも良い。大切な人が生きてたらそれで良かった。マイキーが…蘭が生きていたらそれで良い。もう一度俺の人生、やり直せるものならやり直したい。俺は強くそう願った。そして俺は梵天の幹部を集め最後の会議を行う事にした。
「三途、決まったのか?」
そう聞いて来たのはNo.3の鶴蝶だ。鶴蝶は12年前、天竺の四天王の1人で喧嘩屋として恐れられていた。天竺の総長、黒川イザナが東卍との抗争で死んだ後、鶴蝶は感情を失った。自分が慕っていた人が自分を庇い死んでしまったからだ。黒川イザナとマイキーを重ねながらこの数年間過ごしていたから生きていたのかもしれない。
「あぁ。」
「…梵天は解散する。後始末は俺がやる。お前らは好きに生きろ。」
幹部にそう告げ、後は大量の後始末をするだけだ。
「後始末って何やるんだよ?俺も手伝ってやる。」
会議が終わった後、俺にそう聞いて来たのは蘭の弟の竜胆だった。蘭と竜胆は2人で1つみたいな所があった。そんな兄の蘭が死んだ今、あいつも辛いはずだ。そんな竜胆に手伝わせるほど俺の心は腐っていない。
「まぁ色々あるワ。テメェは荷造りでもして海外に逃げろ。」
「…あ”?んなの俺か決める。三途はこの後始末が終わったら兄貴んトコ逝くんだろ?」
「……あぁ。」
「俺もそうする。」
「…ッ…勝手にしろ。」
竜胆も自殺すると言った時、俺は止める言葉が出てこなかった。俺に言う資格が無かったから。
竜胆と2人で後始末をした。金を梵天の部下に分与したり、今まで契約していた会社と契約を切ったり、表会社を部下に継がせたり……やる事が多すぎてここ1ヶ月まともに飯も食ってねぇ。まぁ俺にとっちゃもうすぐ死ぬから関係ねぇんだけど。
「終わった……」
「お疲れ」
「三途もな。」
「あぁ。」
「俺さ、最期に行きたいトコあんだよね。三途も着いて来てよ。」
「ん…。」
「行きたいトコってここかよ。」
「兄貴と良く来てたんだろ?」
「あぁ。」
竜胆に連れて来られたのはアジトから少し離れていて、生前蘭と2人でよく来ていた海だった。
「なんで最期にここ選んだんだよ。」
「俺もこの海好きだから。昔兄貴とよくココ来てたんだよな。」
「…そうなのか」
「三途、この海に一緒に飛び込もうぜ。」
「あぁ、逝くか。」
「その前に、三途に聞いてほしい事がある」
「…何だよ。最期だし言ってみろよ。」
「俺、兄貴ん事もちろん大切に思ってたし、大好きだったけどさ、それ以上に三途の事…好きなんだよ。」
「…そうだったのか。でも俺は…」
「ははっ…w分かってるよ。三途が兄貴一筋な事ぐらい」
「…ありがとな。」
「…おぅ…じゃあ逝くか」
竜胆から手を差し出され、俺はその手を掴んだ。
「タケ兄どいてどいて!!」
「とうっ!!」
「うぉ…あっぶねぇなマイキー!!」
「かっけぇだろ!!コンコルドのプラモだ!!」
「待てよマイキー!!」
「かっけぇ!!!あのプラモ!!オレもほしい!!」
?!?!?!
今現在何が起こっているのか、俺、三途春千夜にはすぐに理解出来なかった。
目の前に映る光景がただただ懐かしかった。死んでしまったはずのマイキーや真一郎くん、幼なじみだった場地や妹の千壽が目の前で生きているからだ。この光景は人間誰しもが死ぬ前に見ると言われている走馬灯ってやつかもしれねぇ。俺は懐かしさを感じると共にそう思った。
本当にこの光景が走馬灯ならば…最期に蘭を見たかった。俺はそう心の中で思った。
「オイ!春千夜!」
「……(走馬灯……蘭…マイキー…)」
「テメェがちゃんと見てねぇから千壽の口が悪くなんじゃねぇのか!!!」
「オレはもう家出ていねぇんだからテメェが千壽の見本にならねぇといけねぇんだろうが!!」
五月蝿い暴言。俺の走馬灯にこんなゴミの暴言なんて聞きたくないし、必要ない。だが昔の俺はそんな奴に従ってたんだもんな…。
「オイ!!春千夜!!聞いてんのか!?」
「……うっせぇなぁ”クズ。てメェの暴言なんて耳障りなんだよ。失せろ。」
「あ”?」
咄嗟に出た言葉。走馬灯なのに声が出るし、話せる事が今わかった。もしかしてこの体も動けるんじゃないか?
そう思い、俺は武臣に怒鳴られる前に走ってマイキー宅を抜け出した。そして俺は最期に蘭を見たかったので六本木まで足を運んだ。
六本木に着いたはいいもののよく考えてみればこんな多くの人が居る中で見つけれる訳ねぇよな。大体、こん中に居るか分かんねぇし…。こんなとこで突っ立ってたら走馬灯が終わっちまう。いつ終わるか分かんねぇんだ。とりあえず片っ端から探してみるか。
六本木周辺を探して居ると気づいたら、日が沈み、月が出ていた。今日は満月だった…。満月…そういえばあの日も満月だったか。蘭が告白してきた日。あの海で。
『春ちゃん。いい加減俺と付き合ってくれても良くない?』
『あ”?俺はんな関係の奴作りたくねぇって言ってんだろ。』
『えー何で?』
『反社なんていつ死ぬか分かんねぇだろ。先に逝かれたくねぇし、置いても逝けねぇ…。荷物は軽い方が良いって事だ。』
『オレが絶対春ちゃんの事守るし、先に逝かないから。』
『……先に逝ったら許さねぇからな』
『え?って事は俺の恋人になってくれんの?』
『…だからそー言ってんだろ……///』
『春ちゃん大好き…』
って言われて付き合ったのに蘭のやつ、先に逝ったんだよな…。俺が判断を間違えたからなんだけど……。
…あの海に蘭が居る気がする。確証も何も無い…けどあそこにいて欲しい。六本木の近くにある海。
蘭と良く行った海に着いた頃には丁度朝日が昇ろうとしている所だった。そこに2つの影が見えた。2つの三つ編みと、団子頭の影。恐らく蘭と竜胆だ。前に蘭に昔の写真を見せて貰ったことがあるからすぐに分かった。
蘭を見れた嬉しさと共に、目から涙が込み上げて来たのが分かる。
これが本当に走馬灯なのかも分からない。ここに映ってる光景が幻なのかもしれない…。そんなのどうでも良い。最期に蘭が映ってくれたから。
そうして俺は朝日が昇る方向へと浸かって行った。このまま沈んで行くと走馬灯は終わり蘭に会える。最期にもう一度蘭を見れた…神に感謝だな。
「おい、三途どうした?」
「三途、この資料の確認してくれ。」
「蘭が死んでそれどころじゃねぇんだろ。」
「…は…?俺…死んだんじゃねぇのか…?」
見慣れたデスク。ここでいつも資料作成してたんだっけか…。
「………何言ってんだ?てめぇはまだ生きてるだろ?死んでねぇよ。しっかりしろ。」
「……いや俺は死んだ……はずだ」
俺が死んでないだと?俺は2回死んだ。竜胆と海に飛び込んで死んだのと走馬灯の中でも死んだ。
だがこの感じ、俺は生きてるのかもしれねぇ。手足の感覚、頭がぼやぼやする感覚、話せる感覚…走馬灯の時と同じだ。まぁ走馬灯の時は頭のぼやぼやは無かったが。
そうなると、あの走馬灯は何だったんだ?
「…三途…話がある。」
「…あぁ。分かった。」
竜胆に呼ばれた。もしかすると竜胆にも同じ現象が起きているのかもしれねぇ。
他の幹部には話せない内容なのか、談話室へ場所を変えた。
「俺、三途と海に飛び込んだ記憶があるんだよ。」
「俺も…。」
「そして気がついたらデスクに座っていて…」
「……お前…走馬灯見なかったのか…?」
「走馬灯…?」
「…俺もまだこの状況に理解出来てねぇんだけど、俺、お前と飛び込んで、次に目を覚ましたら、俺が小4だった時代が映ったんだよ。マイキーも小4の姿になってて、年相応にはしゃいでたわ。そして何故か走馬灯なのに不思議と話せるわ、動けるわでお前と蘭を探した。あの海に蘭と竜胆がいて最期にお前らを見て、俺は海に沈んだんだよ。そして目が覚めたら生きてたって訳。」
「走馬灯か…俺は見れなかったが俺も三途と同じく記憶が2つある。」
「記憶が2つ?」
「俺らが海に飛び込んだ記憶(A)と、今現在の記憶(B)。Bの記憶にAが加わったと言った方が正しいのか…?」
「……成程な。」
「何か分かったのか…?」
「あぁ。信じられないと思うが、俺タイムリープしたんだと思う。そしてお前がトリガー。」
「は?」
「俺さっき走馬灯で小4時代を見たって言っただろ?でもそれは俺だけでお前は見てない。俺とお前の共通点は”海に飛び込んだ記憶を持ってる”つまりもう1つの世界線の記憶を持ってるって事だ。俺はタイムリーパーだから小4時代に戻れた。でもお前はトリガーだから戻る事は出来ない。お前の記憶は俺が過去に戻り、未来に帰って来たら記憶が上書きされていくんだと思う。」
「……まだ理解出来ねぇ部分が多いし、三途はなんでこんな意味不の出来事を理解できるのかも気になるが、どうやったら過去に三途は行けるんだよ。」
「俺とお前が握手したら戻れると思う。」
「……三途、過去に戻って兄貴を助けてくれ。」
「もちろんそのつもりだ。」
「でもな…俺もタイムリープの事をそこまで理解していないからな……また小4時代に戻れるかって言われると完全に肯定出来ないから…」
「俺さ昔、トリガーだった事あんだよ。」
「は?」
「マイキーの兄貴(真一郎くん)がタイムリーパーでさ、この世界線とは別でもう1つ世界線があったんだ。その世界線では俺とマイキーが小4の時、マイキーが階段から落ちて植物状態になってしまったんだよ。」
「マジか…。首領が植物状態…」
「無敵のマイキーしか知らない奴らからしたら驚くだろうな。」
「実際俺が驚いてる」
「そうだよな。…で、真一郎くんはマイキーを助ける為に全力を尽くしてた。俺はその時、マイキーの事を悪く言った奴を刀で切りつけて1年くらい少年院に居たんだけど。」
「てめぇその時から刀極めてたんだな」
「ははっ…。俺が務所から出てきた1ヶ月後、植物状態になってから5年程経った時期にマイキーは死んだ。真一郎くんはこれまで変な宗教に金払ったり、いかがわしい物にも手を出してた。真一郎くんの方が限界来てたんだ。」
「それで?」
「その後真一郎くんはタイムリーパーの噂を聞きそのタイムリーパーと会ったんだ。タイムリープの力は譲ろうと思えば譲れる。だが、タイムリーパーの男は拒否した。もう1つタイムリープの力が渡る方法がある。その方法はそのタイムリーパーを殺すこと。そのタイムリーパーも前の奴を殺したらしい。真一郎くんもそのタイムリーパーを殺した。だが人を殺す事までしたのにタイムリープ出来ない事、マイキーが死んだ事、が重なって、真一郎くんは川に飛び込もうとしたんだ。そこをたまたま通った俺が真一郎くんの手を掴んだ。」
「それで首領の兄貴はトリガーのお前が手を掴んだことによってタイムリープしたって事だな。」
「ああ。真一郎くんがタイムリープした世界線で俺は口に傷を負ったんだよ。」
「首領がやったんだろ…?三途の綺麗な顔に…。((ボソッ…」
「あぁ、マイキーが生きててくれて嬉しかったから俺の口の傷なんてどうでも良かったし、この傷はマイキーから与えて貰った物って思ったら嬉しくてそん時はクソ笑った。」
「いや怖ぇーな。まぁ今の三途の口には傷なんてねぇんだけどな。」
「え…?マジか?!…あぁ、俺走馬灯だと思ってめちゃくちゃ武臣に言い返して、マイキー宅抜け出したんだったわ。マイキーに傷つけられる前に。」
「抜け出してなかったらまた口に傷ついてたんだな。」
「まぁ俺は着いてても良いんだけどな。」
「綺麗な顔なんだから勿体ねぇよ(((ボソッ)」
「俺は蘭とマイキーを救う為に過去に戻る。」
「あぁ。その為に作戦会議だな。」
「あぁ。」
「今把握してる情報は〜」
俺たちは談話室にあるホワイトボードを使って情報をまとめる話し合いを行った。
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今把握してる情報
・今の世界線と前の世界線では余り変わった事は無い。(三途の口の傷が無くなった)
・どの時代に戻れるかは分からない。
・タイムリーパー(三途)とトリガー(竜胆)が、握手をすると過去に戻れる。
・マイキーの大切な奴らを死なせない。
(佐野真一郎、佐野エマ、場地圭介、黒川イザナ)
・反社の道に進ませない
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「マイキーの大切な奴らを死なせない…か…」
「大方、首領の兄貴を死なせなかったら、他の3人も死なねぇんじゃねぇか?」
「だな …後…名前思い出せねぇが天竺の参謀やってた奴とマイキーを合わせるのも控えた方が良いと思う。」
「天竺の参謀…稀咲の事か?確かに、稀咲は大将と佐野エマを殺した張本人だもんな。」
「そうだった、稀咲だわ。あいつは黒川イザナとエマも稀咲が殺したが、場地の死も裏で稀咲が動いてたらしい。(元伍番隊)」
「とにかくあいつとマイキーを関わらねぇようにさせねぇとだな。」
「あぁ。」
「兄貴を反社にさせねぇ方法…」
「…あいつが反社以外の仕事やってんの想像つかねぇ。」
「俺もつかねぇ…。」
「蘭って昔何になりたいって言ってたんだよ」
「え…なんか言ってたっけ…あ、外タレなりてぇって言ってたかも」
「あー。あいつだったらなれるわ。」
「……頑張って反社以外の道に進ませるわ」
「頑張れ」
「あぁ。行ってくる」
「おう」
1話終了
三途春千夜
生前蘭にはめちゃくちゃ愛されていた。春千夜も蘭の事を愛しているけどマイキーへの敬愛っぷりは変わらない。竜胆に好意を寄せられている事は何となく察していた。竜胆とは蘭の弟で頼れる部下だと思っている。
灰谷蘭
春千夜大好き。天竺に所属していた時から好きだった。弟の竜胆も春千夜が好きだと言うことは知らない。
灰谷竜胆
兄貴も勿論大切だけどそれ以上に春千夜が好き。兄貴が春千夜と付き合ったという報告を聞いた時に好きだった事を自覚した。
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