テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
隣のあの子はとても苦しいって泣いている。
私はそれほどではないから。
隣のあの子は集団生活が苦しいんだって悩んでる。
私はそんなこと無いから。
隣のあの子はストレスの発散方法がなくて困っている。
それは私と同じ。
隣のあの子はいい子にするのに疲れたと言っている。
それも私と同じ。
隣のあの子は反動で色々してしまうのが怖いんだって。
私はそんなこと無い。
隣のあの子は友人や看護師さんにたくさん話しを聞いてもらっている。
私にはそうしてくれないのに。
隣のあの子はできない子。
私はできる子。
隣のあの子は可哀想な子。
私はちっとも可哀想じゃない。
比べてしまう。羨ましくなってしまう。
私だって辛いよ、苦しいよ。
だけど隣のあの子ほど可哀想じゃない。
私だって隣のあの子を助けないとって思うよ。
だけど私だって心配してほしい、見てほしい。
比べてしまう。私の扱いと。
私はいっぱい泣いてる時も話を聞いてもらえなかったのに。
私は死ぬ覚悟で話したのに聞いてもらえなかったのに。
私は都合のいい子。迷惑をかけないいい子。
誰も私になんて関心がない。誰も私になんて時間を割いてくれない。
それなら私は必要あるの?誰にも求められない子なの?
私はきっと居ても居なくてもどうでもいい子。
悪く言ったら要らない子。
必要か不必要かで見たら要らない子。
必要とされたくていい子にしていたのに、私どうして要らない子になったのかな。
誰でも良いの。私が必要だと、ここに居て良いと言ってよ。
206
6
1
コメント
1件
うわ、これ……胸がぎゅっとなりました。「比べてしまう」ってタイトルがもう悲しいほど的確で。隣のあの子と自分を比べて、「私はそんなに可哀想じゃない」って自分を切り捨てていく感覚、すごく生々しかったです。特に「ちゃんと言ったのに聞いてもらえなかった」と「死ぬ覚悟で話した」のところ、読んでて息が止まるようでした。誰でもいいから「ここにいて良い」と言ってほしい——この最後の一行に、この子の全部の孤独が詰まってる気がします。MAKOさん、心の奥の見えない傷をここまで言葉にできるの、本当にすごいです。