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( ´ཫ` )グハァ推しと推し可愛い
ヴっ、、 神ストーリーすぎて神です!(?)
「ぼ、んさん…?」
気になって部屋に入ってしまった。
暗い部屋のなかには廊下の電気でぼんやりと布団を被ろうとしているぼんさんが見えた。
「あ、いや…men、ちが…」
「何が違うんすか。」
少しキツイ言い方になってしまった。ぼんさんが肩をビクッと震わせる。
いつものぼんさんなら絶対にしないような仕草。
「…どっか痛い…とかじゃなさそうですね。」
「い、や…な、んでもないから…」
そういいながら布団を被った。
時々しゃっくりのように体が無理やり息を吸うせいだろう、途切れ途切れの言葉を必死につないでいる。
暗くて良く見えないが、泣いているらしい。
「…なんでもないわけないじゃないですか。」
「ほ、んとに….なんで、も、ないっ….」
「…部屋の電気…付けない方がいいですかね。」
「っ、うん….」
「…..ぼんさん。」
ドアを閉めながらゆっくりぼんさんのいるベッドに近付く。
「…布団被ったままでいいんで、話しませんか?」
「….。」
沈黙は肯定、ととらえ布団を被って丸くなったぼんさんの隣に座る。
「何か辛いことがあったんすか?」
「…べ、つに…そ、ゆことじゃ、ない、から」
「…」
「よ、くあるんだよ….疲れが、溜まるとさ。」
「…じゃあ、俺に愚痴ってくださいよ。先輩が疲れてるの気遣うのも、後輩の役目っすよ。」
「….」
「や、まぁ話したくないことは話さなくてもいいですから。楽になるかなあって思っただけなんで。」
「….最近、たまに、あるんだよ。」
「…泣いちゃうのがですか?」
「おう。….なんか、溜まってたもんが、溢れてくるみたいにさ。」
「…」
「ほんっとに…疲れてんのかなぁ、俺。」
「….いつも、ぼんさんは俺たちのことちゃんと考えてくれてますもんね。」
「そんなこと、ないよ。」
「俺たち、ぼんさんがいるから、いろいろできちゃうんですよ。」
「買い被りすぎ…だろ。」
「いいえ?買い被ってるんじゃないですよ。」
「買い被りだよ。…俺は全然….そんなん、じゃない」
「俺はこれでも、ぼんさんのこと分かってるつもりだったんですけどねぇ。」
「…っいつも、みんなに迷惑、かけちゃってるし」
「そんなに気にしてないですよ?」
「…はは、…期待してないって、ことじゃんか。」
「…っ!俺は!!ぼんさんがいるからっ!安心してドズル社でやっていけてるんすよ!!」
「…っ?!」
「声を大にして言いますよ?俺はぼんさんを尊敬してますからね!!ふざけてなんかないですから!!」
「…め、men?」
「だから、つらい、とかやっちゃったな、とか負の感情が溜まってるんなら、今ここで吐き出しちゃってくださいよ!」
「…え?」
「よくこんなことになるんだったら毎回俺が聞いてあげますから!頼ってくださいよ、俺を!!」
「..men….」
「…はい。」
「っ…おれ、みんなにさ、いっつも、めいわくばっかかけてさぁ?….でも、そのたびにいちいち謝ってちゃみんなが気を遣っちゃうかなって….」
「あ、あれこれ考え始めたら、キリがなくて、でもこのままじゃあおれ、みんなに嫌われちゃうかも、しれねぇから、直そうって思ってるのにさ?」
「結局いっつも、怖く….て、」
「….ほら、やっぱり。」
「…え?」
「ぼんさん、俺たちのこと考えててくれてるじゃないですか。」
「あ、いや…」
「だーかーら、ぼんさん。」
布団をめくってぼんさんの顔を正面から見る。
といっても窓の外のうっすらとした光しかないからぼんやりとしか見えないが。
「俺は、どんなぼんさんでも嫌いになりませんから。」
「っ…絶対?」
「絶対ですよ。俺がぼんさんを嫌いになるわけないじゃないですか!なんならここでキスでもしましょうか?」
ちょっと、口が滑った。
変なこと言っちゃったなー…なんて思っていたら。
「…いいよ。じゃあ今しろよ。」
「へぇ?っ!」
「…やっぱり…」
「しますよ!できます!」
「!」
ぼんさんの頬に両手を添える。
こんなことしたことがないから正直見よう見まねになるけど、ゆっくりぼんさんの唇を自分の唇とくっつけた。
「んっ…!」
案外、人の唇って柔らかくてふにふにしてるらしい。
少しぼんさんの肩がびくついたが、嫌がられては無さそうだ。
なぜなら。ぼんさんの両手が俺の服の袖をきゅっと掴んでいる。
一度唇を離して、もう一回顔を近付ける。
「んぅっ…ん….。」
やっぱりこんなこと、ぼんさんにしかできない。
「っはぁ…め、めん?」
「あ…す、すいませんぼんさん!」
自分の服の袖でぼんさんの口を拭う。
「売り言葉に買い言葉というか…その…勢いで…」
「あ、いや…まあ、俺もしろよ、とか言っちゃったし…」
少しだけ、無言の時間過ぎる。
「…嫌でした?」
「…全然。むしろ嬉しかったよ。」
「…ほんとですか?」
「もちろん。」
「…よ、よかったぁ…」
これで嫌われちゃったらどうしようかと思った。
「…ヒュック….グスッ….」
「って、うぇあぇ?!ぼ、ぼんさん?!やっぱりやだったんじゃ…」
「あ、いや、ち、違うこれは…ヒュッ」
「涙でるほど辛かったんじゃないですかもう…すいません」
「ち、ちがうって…ゲホッゲホ…」
「あーほら、無理しないで…あ、過呼吸になっちゃうから、息吸いすぎないで…深呼吸できます?はい、ゆっくり息吸ってー….」
「すーっ…ゲホッ」
泣き出したぼんさんの背中を擦りながら深呼吸を促す。
「…はい、吐いて…」
「はーっ…。」
「…呼吸、落ち着きました?」
「ん…お、ちついた。」
「よかった、横になってた方が楽だったりします?頭痛くないですか?」
「あ、たまは…ガンガンする…」
「じゃあ横になってましょうか。ゆっくりでいいんで、体勢かえましょ。」
ゆっくりと、頭を枕にのせた後。
「…めぇん…」
「はい?どうしました?」
「お、れさぁ…」
「はい。」
「….や、なんでもな」
「まーたそうやって言いたいこと言わないんだから…なんですか?気になるんで言ってください?」
「….menは、やじゃなかったの?」
核心を突かれたような感覚。
どう答えればいいのか。
「….嫌なわけ無いじゃないですか。俺、ぼんさんのこと好きなんで。」
「….そうなの?」
なんか、多分これLoveじゃなくてLikeの方だと思われてそうだな。
「そ、そうっすよ?めちゃめちゃ好きっす!」
もういっそ、開き直ってしまえ。
俺からの想いなんてぼんさんからしたら迷惑なだけなんだから、ならいっそ勘違いしたままの方がいい。
「…ふーん。…俺もmenのこと、愛してるよ。」
「…へぇっ?!」
え、いま愛してるって…
「あー…いや、悪い気持ち悪いか。」
もそもそと壁の方を向き直す。
「…なんでもない。」
「…っぼんさん…なんでそうさらっとかっこいいこと言っちゃうかなぁ…」
「….」
「気持ち悪くなんかないっすよ。….俺も、ぼんさんのこと愛してますよ。俺の好きは…Loveの方ですから。」
「….ほ、んと?」
頭が痛いからなのか、仰向けになってこちらを見ている。
「だ、って俺….ずっと…一人だけ….」
「すいません、なかなか言えなくて…」
また流れ始めた涙を手でそっと拭いながら、優しく頭を撫でる。
「その…だから、好きな人が一人で苦しんでるとこなんて見たくないので。また”こう”なったら俺呼んでもらえます?」
「…考えとく。」
「…まあ、1人の方が楽ならいいですけど。」
「…いや…」
そういいながら、俺の手を握る。
「menがいてくれた方が、いい。」
自分よりも一回りくらい大きい手。
いつもはこの手で頭を撫でられたりして安心していたけど、今はこの手を安心させているのは自分なのだ、と思うとなんだか愛おしい。
「…じゃあ、ぼんさんが眠れるまでここにいます。話も聞きますから。」
「….うん…ありがと、men….」
涙腺が弱くなっているのか、また涙が頬を伝っていった。
思わずもう一度だけ、唇をくっつけた。