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寂しく心乱す愛

『……』

『……?』

明るい、そう感じた時にはすぐ目を覚ましていた。

ここはどこだろうか、とぼやけた視界でも分かるわけがなくすぐに目を擦った。見えてきた景色とは案の定天井。

見覚えのある天井だ。

『おや、起きましたか?』

凛とした声、低く安らかなそんな声、たまに憎たらしく感じる時もあったそんな声、神宮寺寂雷だ。

『ボク、どうしてたの?』

『泣き疲れて寝てしまってたよ』

『…そっか』

あー、と声を漏らして伸びをする。思い出してきた記憶は途切れ途切れで、でも唇への感触はまだ残ってる気がする。

『馬鹿げてるね』

『?何がだい?』

『ボクはクローンなんだよ?刹那の命なんだよ』

『それは私が助けてみせます』

案の定の言葉無責任で呆れるしかない、その言葉一つで僕が生きてやろうとでも思うのか、だが今はその言葉に縋ることしか出来ない。

『どうせ、衢を選ぶくせにな』

『前のチームのようになれたらと、思ってますよ』

あの二人、MAD COMIC DIALOGUEやNaughtyBustersの2人の因縁は解けているのか、そこだけは気がかりだった。

『くーこーやイチローは?それにササラとサマトキだって』

『そこの因縁を使ってたのが中王区ですか、別に今更戻っても遅くないとは私は思いますよ』

空寂posseの頃になんて戻れない、そう思ってるのは僕だけなのだろうか。

『私は君のことが好きです。それは変わりませんよ』

そう微笑むようにしてこちらに見せた。今更だが寂雷は何か持ってきていたようで机に置いていた。

ホットミルクとココアだ。どちらも体が温まるもの、僕のことを考えてのことだろう。

『どちらがいいですか?』

僕の視線で気づいたのかココアかホットミルクどちらがいいかを問われる。

湯気を出す2つの飲み物は寂雷の優しさがこもっているようにも感じ取れた。

『ココア』

『はい』

時間を置いて渡されたものは少し冷めていて飲みやすかったかもしれない。

『ねぇさ、僕のこと好きって本気で言ってる?』

『ええ、もちろん』

『衢をあんなにした僕でも?』

『正確には君はやっていないだろう?』

『だとしても……』

好きならば許せると言うのだろうか、ここまで来てそれは流石に、なんて考える余裕もない。

俺がやってなくても俺がやったんだ。脳裏に過ぎるその言葉は胸を痛くした。

『外に出ていい?』

『いいよ』

☆彡.。☆彡.。☆彡.。

ピト

手と手が触れる。それを僕は受け入れる。

思った通り手が握られた。心は乱されてゆく、だがそれは完全ではなかった。

悲しみにくれながら握られた手をそのままにし歩いてゆく──────

続く

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