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世羅 鈴🎨🎤
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ムメイ
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#オリジナル
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第5話、読み終えました。憂の飄々とした態度の中に見える優しさと、恵利の純粋な真面目さの対比がとても素敵でした。特に電話で「今日、ありがとね」と言う憂の徹には胸が熱くなりました。一方で優の内面の恐ろしさ──「わからない」が武器になるという感覚、その透明な怖さの描写が秀逸です。強行手段に出る覚悟を決めた最後の一文で、次が本当に気になります。引き込まれました!
~前回までのあらすじ~
学校を早退して、カフェで話をした二人。
恵利が時間旅行者だということが明らかになった。
すると、優に路地裏に呼び出されてしまった。
そこには亜音もいて、どうなるのか!?
※タイトルを変更しました。
改編前→優しい恋憂い
改編後→優しい恋憂い~王子様とお姫様のお話~
となります。
「お前らさ、ここで何してんの?」
優に怖い顔で詰められて、言葉を失う恵利。
憂はものともせず、いつものように飄々としている。
「学校早退。」
憂は単語だけを並べて、無愛想に返す。
「学校早退して遊んでんの?やば、不良じゃん。」
煽ってくる亞音に不満げな憂は、わざとらしくため息をついた。
そして、完全無視で、「もう帰ろ。」と恵利に言った。
話の流れについていけない恵利はおろおろしながら、
「私は不良ではありません!」
と講義するように叫んだ。
「ほんと真面目すぎ。この学校やめた方がいいよ、君たち。」
「やめられるほど、経済に余裕ないんで。」
ぶちギレ寸前とも見える憂は、またため息をつくと、すたすたと歩いて行ってしまった。
憂がいなくなって、焦った恵利もごめんなさいと言葉を残して、逃げてしまった。
「あらら、逃げられちったねー。どーする?」
優は問いかけられても、無視して、苛立ちを見せた。
「なんなんだよ、あいつら。今まで、あんなやついなかったのに。」
「しゃーないよ、あーいうやつは。やるなら徹底的にやんなきゃさ。」
にやりと意地悪な笑みを浮かべて、優に聞いた。
「明日から俺たち直々に、やっちゃう?」
それから、優は当然のように
「当たり前だろ。」
と言った。
その日の夜、恵利のもとに憂からの電話が入った。
「もしもし、憂ちゃん。どうしたの?」
『こんな時間にごめんね。ちょっと話しときたいことあってさ。』
「ううん、大丈夫だよ。話しときたいことって?」
『今日さ、あの二人に逆らったじゃん?たから、明日からやばいんじゃないかなーって。』
「確かに、どんなことされるのかな、、、」
『どんなことされると思う?』
「殴られたりとか、無視されたりとか?あ、でも悪口は今日言われたか。」
『んー、そんなもんじゃないと思うけどなぁ。』
「え?」
『最悪退学とかもあり得るし、暴力も軽いもんじゃ済まないよ。もしかしたら、先生たちもやられてるかも。』
「う、嘘。退学?」
『もしかしたら、だからね。退学になったらまずいことでもあるの?』
「まぁね、、、あんまり言えることじゃないけど。」
『そっか。じゃぁ、もしそうなったら全力で阻止するから。恵利ちゃんのためにも。』
「ありがとう。憂ちゃんがいると心強いよ。」
『まぁ、それだけ。また明日。』
「うん、おやすみ。」
『あ、』
「何?」
『今日、ありがとね。おやすみなさい。』
その言葉で通話は終わった。
通話時間は3分46秒。
恵利はそれだけの時間で確かな心強さを感じていた。
*♢*
あいつらまだ来ないのか。
いや、さっきポニーテールのやつは来て、先輩に絡まれてたな。
やっかいなのは、そっちじゃない方だ。
ポニーテールの方は、頭は良いらしいけど、気が弱いし、俺が何かしなくてもどうにかなる。
姫歌は、よくわからない。
「わからない」が自分を守る大きな武器になりうることを、俺は知っている。
予想ができない。
だからこそ、俺が、完璧に潰さなければいけない。
「優、姫歌憂が来たよ。」
そういえば、亞音に伝えるよう言っておいたんだった。
校門の方へ向かうと、すぐにあいつの姿が見えた。
向こうも俺に気づいたようだ。
「うげ。」
そう言って、顔をしかめられる。
思えば、姫歌は「わからない」やつだった。
「わからない」が自分をはめる大きな罠になりうることを、俺は知っている。
さっき顔をしかめたと思ったら、もう笑顔で俺を見据えている。 まるで、見下すように。
なんだ、その態度は。
どうして、そんな風に振る舞える。
なんなんだ、お前は。
一瞬、姫歌が怖くなった。おぞましくなった。
「わからない」が一番怖いということを、俺は知っている。
こうなったら、強行手段に出る。
これ以上、俺の縄張りとも言えるこの学園で野放しにしておけない。
覚悟を決め、俺は姫歌としっかりと目を合わせた。