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終着駅の博多についた二人はその日泊まる宿を見つけた
「お腹空いたね」
「そうだな、メシ食いにいこうか」
雅弥と手を繋いで歩いた
この三年、私たちは外でこんな風に一緒に歩くことすら出来なかった
「ふふ、恋人みたいね」
雅弥が立ち止まっておでこを指で弾いた
「……っ!痛いよぉ」
「みたいって何だよ。俺たち、恋人で夫婦で共犯者だろ。こんなの運命じゃんかよ」
「ふふふ」
「翔音、笑って誤魔化すな」
幸せだった。
最後にこんな時間が過ごせてよかった。
二人で有名なラーメン店に入り
ご当地のグルメというものを堪能した
東京から離れたのは小学生以来だった。
昔は、家族で旅行よく行っていたな……。
「ぐすっ」
「どうした?」
「ラーメンの湯気で……」
雅弥が私の頭に手を置いた
そして、
――くしゃ
兄のしてくれた仕草を、彼に話したことはなかった。
なのに
その手の大きさ、くしゃっとした掴みかた
それから
優しげな目で私を見る顔
似ていないのに、そこに居たのは
おにぃだった。
私は目がさらに潤んだ。
ポタ
テーブルにそれは落ちた。
「……雅弥」
「うん?」
「愛してる」
私は、人生で最後の告白をした
心から、溢れた言葉で。
あなたと最後にこうしていられてよかった