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静かに廊下を歩く。
後ろには蒼くんや雪くんがいたので、2人も自然と近くで歩いていた。
2年生の教室の前を通る。
そして2-Bという文字が私の目に入った。
空気の入れ替えでもしているのか、窓やドアは開いていた。
歩く途中、2-Bの後ろの扉からちらっと横目で中を見てみる。
教室内の2年生は廊下を歩く1年生が気になるのか、こちらを見ている人も多かった。
後ろの方の席に見覚えのある髪色。
佐原先輩だ。
先輩もちらりとこちらを横目で見て私たちがいることに気づく。
するとニッコリとした笑顔で顔を向け、手を振ってきた。
手を振りかえす間も無く、中から授業をしているであろう先生が佐原先輩を呼んだ。
先「佐原〜どこ見てんだこの問題答えてみろ」
悠「え〜わかんないよ」
先「です、だろ。ったくお前成績は悪くないんだから分かるだろ?1年の復習だぞこれ」
悠「めんどくさいでーす」
そんな感じで先生と佐原先輩が押し問答していた。
すげぇ、佐原先輩肘ついてる。何あの態度、でかすぎでしょ。
けれど、それがなぜかちょっと気になって歩くスピードが遅くなり、蒼くんたちに小声で怒られる。
蒼「ほらはるちゃん行くよ」
雪「教育に悪いであんなん」
双子に制服を引っ張られ、躓きそうになりながら廊下を歩いた。
佐原先輩を見てみると、しぶしぶと言った感じに黒板に何か書いていた。
その様子はまるで答えを分かっているかのようにスラスラとチョークを滑らせていた…
ところで私たちは2-Bを通り過ぎたのだった。