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※サムネ詐欺
※元ネタ:リリィ
整った顔に艶があり甘い声、
綺麗な身体。
とても美しい貴方に、
私は一目惚れした。
あの人との出会いは入学式の日だった。
桜が舞う季節、誰もが期待に胸を膨らませ
式に出席した。
かくゆう私もその一人で
新しい制服に身を包み、席に座っていた。
周りは知らない人ばかりでどんな人なのか、
そればかり考えていた。
だから私が気づいた時にはもう、
周りの人達は仲良くなっていて私は一人になっていた。
あの時の私の焦りようは凄かった。
中学校の時の友達は皆小学校からの仲で、
自分が人見知りで友達を作るのは苦手だということが
わかっていたから。
そんな時、貴方と出会った。
私の隣の席だった貴方は私と友達になりたいと言ってくれて
自分の友人を私に紹介してくれた。
今でも仲良くしているのはその時の友達だ。
そしてあの時あの瞬間、
私は貴方に恋をした。
パッチリとした目にココアのように茶色い瞳
真っ直ぐで、妖艶で神秘的とも言える黒い髪。
今思えばあの時にはもう
私は貴方に惚れていたのだろう
これから先の学校生活はきっと楽しく
飽きることなんてない天国のような日々になると思った。
でも現実は少し違くて、
貴方は人気者だから貴方の周りにはいつも人がいた。
その度に心は痛んだ。
気づかないように、間違いだと何度心に言い聞かせたかわからない。
それでも心は騙されてはくれなかった。
貴方と一緒にいられることは幸せだった。
けど、足りなかったんだ
“好きだ”と言えたならどれだけ良かったのか
でも、私は
「ねぇ、桜」
私はあの日々が終わるのが嫌で、
“さようなら”って言われるのが怖くて言い出せなかった
それなのに貴方は、私にさようならすら言わずに消えた。
あの日、私の世界から色がなくなった。
貴方のいない日々はつまらなくて、
貴方との思い出も忘れてしまいそうになって。
バケモノでも、悪魔でもなんでも、
貴方に合わせてくれるなら、
また、あなたの眼をのぞいて、
貴方との恋ができるのなら
誰でもいいと思った。
「久しぶりだね」
住宅街からも外れた人気のない道だ
ガードレールの一部が壊れていても気に留める人すらいないだろう。
ましてや、ここで一人の女の子が命を落としたことを知る人は
私以外、いるはずない。
私が手に持っている百合の花は、
仏花だが花粉が多く供物にはあまりきかないというが
此処は外だし別に構わないだろう。
「私は今、貴方なんか忘れて楽しくやっているよ」
嘘だ。
それでも私の気持ちにも気づかず、
勝手に消えていった貴方と比べれば
こんなの可愛いものだろう。
「でも、また逢えること楽しみにしてるから」
貴方は今頃天国で私を忘れて楽しくやっているのかもね
それでも、来世逢えるといいな。