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*Suezawa said*
晶哉「電気消すで、おやすみ」
誠也「うん、おやすみ」
あれから晶哉は何も無かったかのような態度で平然としている。
俺はというと、ぐるぐる色んな事を考えた
(揶揄ってない…聞き間違いでもない…あの時俺の名前を呼んでたってことは…そういう事…?)
俺は晶哉の口からあの時の答えを聞きたくて、背を向けて寝ている晶哉に声をかけた
誠也「…晶哉」
返事は返ってこず、微かに寝息だけ聞こえてきた。俺は起き上がって晶哉が寝ているベットに座り込んだ。その時、晶哉の体がビクッと動いたのを確認した
(…やっぱ起きてんな)
誠也「晶哉、分かってんで?起きてんねんやろ?」
それでも寝たふりを続けようとする晶哉の頬を掴む
晶哉「…!か、顔みんといて。絶対赤なってるから…」
誠也「…暗いからみえへんよ」
その言葉に安心したようで、晶哉がほっと息をつき、俺の手に頬を擦り寄せ、手を握ってきた
(…可愛い晶哉、大事な晶哉、俺の晶哉、 誰にも渡したくない )
誠也「晶哉って、俺の事好きなん?」
晶哉「…好きやで」((ボソッ
(俺がここで晶哉の告白を受け入れれば、もっともっと独占しても、許されるんかな…)
誠也「ええよ、付き合おっか」
そう答え、俺は晶哉をベットに押し倒した_。
(渇望した何かを晶哉は与えてくれる…?)
誠也「晶哉やったら、俺…」
晶哉「誠也くん」
話に被せるように晶哉が俺の名前を呼び、小さなため息をはいた
晶哉「…ハァ、もう寝るで」
誠也「あ、ちょっと待ってや。晶哉…」
俺の呼び掛けに晶哉は反応せず、眠りについた
晶哉「誠也くん、朝やで」
そう言って晶哉がカーテンを開ける
晶哉「せーやくん、」
俺の肩をトントンしてくる
晶哉「…なんや、起きてるやん」
晶哉「教科書貸したるけど、何も書き込まんといてな」
誠也「…ん」
昨晩のことなんて何も無かったかのように、いつも通り話しかけてくる晶哉。
(なんでいつも通りやねん…あんなに顔赤くしとったのに、俺の事好きなくせに。俺の方、全然見れへんし )
前を歩く晶哉の手を掴もうと少し触れた時、もの凄い勢いで振り払われた
誠也「あ、ごめん」
俺は慌てて謝った。が、晶哉は顔を真っ赤に染めていた
(あ、これいつも通りにしたがってるだけや)
そのことに気づいた俺は晶哉が堪らなく愛おしくなり、手を握って軽くキスをした
誠也「チュッ」
晶哉「…!な、何してんの?」
誠也「何、付き合ってんねんからええやろ」
晶哉「…ハァ、誠也くんの好きと俺の好きは違うやろ?誠也くんのはただの好奇心やで」
誠也「は?なんでそんなん晶哉に分かるん?」
晶哉「分かるで、俺が1番分かってる。恋愛嫌いやん、親の事があってから」
誠也「ビクッ」
晶哉のその言葉に昔のことを思い出す
母「誠也、ごめん。もうあの人とはやって行けへん」
それだけを幼い俺に言い残して去っていった母の背中を…。
あの時の気持ちが蘇ってきて俺は震えた。それに気づいた晶哉が慌てて謝ってくる
晶哉「あ、ごめん。今のはただの八つ当たりや」
そう言って俺の頬に手を添えてくる
誠也「晶哉はそれでええの?だって…」
(俺の事好きやのに、)
晶哉「…ええよ、今までずっとそうしてきてたから」
(…ずっと)
誠也「でも、俺は晶哉とおれるなら何でもええ。友達でも、恋人でも…」
晶哉「それ本気で言ってんの?友達じゃしないこと、俺の出来んの?」
誠也「?友達じゃしないこと…。」
晶哉「あ〜、ちゃう。なんでもない」
誠也「晶哉?」
晶哉「学校行くで」
誠也「あ、ちょ待ってや」
(…友達じゃしないこと)
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