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#友達
雪音(ゆきね)
32
Forth。
191
チャンスがきたのはその日の夕方だった修一朗予は告どおり公園のバスケゴール前でランニングとシュート練習をしていた
一通り終えて、ベンチ横で渡された炭酸ジュースを開けようとしていると聞き覚えのある足音がした
横を見ると一つ隣に廉人が腰をおろしているのが見える
(よし、しめた!)
修一朗は気づかれまいと裏から別の飲み物をこっそり買って、自分だとは気づかれないように廉人の横についた
「ほい」
買ったカフェラテを廉人に差し出す
「なんのつもりだよ」
「わかんねぇ。とりあえずさっきのジュースの礼?今は競技してねぇし、関係ないだろ」
少し不服そうにカフェラテを取る廉人修一朗は自分からボトルを近づけ乾杯する
二人は同時にボトルの蓋を開け、喉に流し込む
半分程飲み修一朗が先に口を離す
「お前さ、自分で辞めた訳じゃないだろ」
「は?」
口を飲み物から話してこちらの声に驚く廉人
カフェラテを膝に乗せぼそぼそと語り始める
「あんたの思う通りだよ。俺はPegasusから捨てられたんだ」
「やっぱりな。お前をクビにしたのは・・・十馬だろ」
「ああ」
工朱田 十馬(くすだ とうま)
Pegasusのキャプテンにして、競技大会のチャンピオン
修一朗にとっては宿敵である
「あんたらと試合して次の大会で俺はあの人に言われたんだ。動くだけの駒は必要ないって」
修一朗は思い出していた。よく思えば、自分と試合した時も十馬以外の選手はほとんどパス回しの役回りになっていることを。
「そっからチームをあたることも考えたけど、スタッフもいない俺に何ができるのかわかんなくてさ。仕事だけ結局してきちまった」
廉人の話を聞いて、修一朗はやはりこいつは俺らに必要だと改めて思った
こいつの゙攻めのためのスピード゙は今の俺らに足りない要素だと
実力を知りたいと思った修一朗は、バスケゴールのそばについているネットに入ったボールに触れる
「投げねぇか?」
子供のように両手でネットに触れ廉人にきく
「しゃあねぇな笑」
廉人はふっ、と少し笑ってベンチから立ち上がりボールをネットから修一朗の手へと渡し、距離をとる
少しボールの投げ合いの時間が続く
「なんだよ笑やってねぇ割に、全然はえぇじゃねぇか。何がくそ食らえだよ」
「これでも筋トレだけはしてんだよ。はっ笑」
衰えの感じないパスに修一朗の志はさらに固くなった
「俺たち、同じ相手を敵にみてるんだな」
修一朗の手にボールがわたった時、廉人は息を切らしながら腰に手を回しつつこのセリフをきいていた
修一朗がとうとう自分がしたい思いを出す
「廉人、クリムゾンに来いよ。俺たちと一緒に十馬と勝負するんだ。お前のスピードは今の俺らに必要だ。ここの二人の同志がいれば、チームは完全体になれる」
いつものグータッチの格好をとる修一朗
しかし、廉人はその言葉を聞くと修一朗に背を向けた
「浦野、あんたのこと同志とは認めるよ。ただ・・・協力するのはもうちょい待ってくれ。俺には時間がいる」
そう言ってゆっくりと帰っていく廉人を修一朗は止めなかった
「待ってるからな!俺はお前を信じるぞ!」
この二言だけを伝えて
● ● ●
予選まであと一週間と少しと迫った頃
修一朗たちがいつもどおり練習しているとコーチと一緒に見慣れた顔が見えた
「廉人!」
修一朗と健吾以外の事情を知らない選手はなんで相手の選手がいるのかとざわついた
「なんできたんだ?」
「俺もあんたを信じることにしたんだよ。そしてここで上がって、ペガサスに勝つ!そう決めた」
「まじ、か・・・」
驚きと喜びが混じった息と共に、その声がもれる修一朗
「これからよろしくな!゙バカ兄貴!゙」
目の前の廉人が笑顔でサムズアップする
「おう!」
修一朗も精一杯のいつもの挨拶をした
コメント
1件
うわあ、ついに廉人がクリムゾンに来る決断をしたね…!修一朗の「信じる」っていう言葉がちゃんと届いてよかった。公園でのパス回しのシーン、お互い自然に笑い合えてるのがすごく温かくて好き。「バカ兄貴」って呼ぶ廉人の表情が目に浮かぶみたいだった。 あと、十馬の「動くだけの駒」って言葉、一瞬であの試合の違和感がつながる感じが気持ちよかった。二人の同志が揃ったこれからが本当に楽しみ!