その次の日、放課後、家にいると インターホンが鳴った。
「龍聖、お友達?が来てるけど…」
「あ?…あー」
少しの期待を込めながらドアへ向かう。ドアの外にいる人物がアイツだったらいーなー…とか思いながら。
「あ〜い」
「あ、えと、サッカー…」
期待通り、ドアを開けた先には可愛い双葉の、可愛いおめめの、可愛い可愛いお顔の、めちゃくちゃ可愛い天才ちゃんが居た。昨日言った通り、サッカーに誘いに来たようだ。それほど楽しかったのだろうか、と少し興奮しつつ口を開く。
「ウン♡行こっか、天才ちゃん♡」
「…!!はい…!」
世一は先程よりも瞳を輝かせながら歩道を歩く、本当にサッカーが好きなんだな。そんな事を考えている龍聖だが、龍聖もサッカーという名の生命活動を愛していた。そして、現在、自分の隣を自分よりも小さな歩幅で歩くこの可愛いエゴイストのお陰でより一層、サッカーへの愛が深まったのである。
そして、自分を食い潰さんとばかりの瞳を向けてくる”あの碧”の事を…龍聖は思い出す
公園に着くと、昨日のように2人の体力が尽きるまでサッカーをし続けた。世一は心底楽しそうに、そして碧い炎の滾るその瞳で、龍聖をしっかりと捉えていた。
…そして龍聖は、そんな碧い生命に心底惚れぼれしていたのだった。
そんな生活を繰り返し続けていたある日、2人に一通の手紙が届いた。
「…日本フットボール…れんご、う!??」
「あ〜…?よっちゃんナニそれ? 」
「きょ、強化指定選手…!??強化指定選手だって…!!!日本フットボール連合から…!!」
見ての通り、世一はすごく興奮している。いつもの敬語を忘れて思いっきりタメ口になる程には…まぁそんな所も可愛い、良しとしよう。
「ナニ?行きたいの?世一は」
「行きたい…!!…デス。 」
「…え〜…なんで?」
龍聖は自分はサラサラ行く気はありません。と言うかのように答えた。龍聖には世一と言うこの碧が居れば楽しい、だからよく分からなかった。
「だって!色んなヤツとサッカーできる!!!」
…興奮しすぎじゃないか、と思うほど輝かしい笑顔で言った。
「…は…」
なんで、なぜだ、どうしてコイツは他の奴を望む。俺は望んでいない。コイツは俺だけでは満足出来ていないというのか。
「…あの…?どうか、しましたか…?」
龍聖の視界が真っ黒に染る。ドロっとした吐き気と冷や汗、頭痛…嫉妬・独占欲・敗北感…龍聖は独り占めしたいのだ、この穏やかな蒼も。あの時間の燃え滾るような碧も…潔世一という男を。だが世一は他の奴とやりたい、と言う。分からない。俺だけじゃダメなのか。という感情で沢山になる。
「…体調、わるいんですか、?大丈夫ですか…あの…?」
「ッ!?」
ギリギリッ…と言う効果音が聞こえてくるほどの力で世一の腕を押さえつけ、壁に責め込む。今、今ならできる、ぐちゃぐちゃに…
『俺のモノ』…に
「や、…あの…っ?いたぃ…です」
「…世一…俺の事、スキ、?」
世一の零れそうな瞳に写る…情けない顔をした自分。震えた声で問う。こんな自分は自分でも知らなかった…きっと相手がコイツだからこうなったんだ…
「?…すき、ですよ…?」
少し困ったように、けれども真っ直ぐな瞳で、世一は答えた。
「…。そっか、♡…強く握ってごめんネ?♡」
「あ、あぁ、はい…」
「お、おれ、!もう時間なんでかえります、!」
「え〜、もう帰っちゃうの?」
「ご飯の時間なんで!!」
「そお…じゃぁね、ヨイチ♡」
世一の首…喉の辺りににキスを落とす。
「…え、?」
「んふ、じゃぁね〜♡」
「あ、はぃ…じゃ、あ?」
戸惑いつつも家を出た世一を笑顔で見送る。
「ん〜…俺も行こ♡」
…龍聖が先程、欲のままに動かなかった理由を説明しよう。あの時、龍聖は思った。他の奴とサッカーした所でなんだ、最終的には俺のところに帰ってくるようにすれば良い…今やってしまったらコレからが無くなってしまう、龍聖の今までの努力…が。と言うところだ。軽く言うと依存。重く言うと依存と支配欲。怖い怖い…
ちなみに世一は何も気づいてないようだ。おかしい、あの男もあの男なのだ。サッカーしか頭にないのだろう。あのエゴイスト。
「…まぁ…今だけは…ガマン♡」
首・喉のキス▷支配欲・執着心
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コメント
5件
見るの 遅れた… 😭 🙏🏻 まじ ,神 なんだけど ! ?
すみません🙏🏻今回あまり面白くなかったかもです…!