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「立花さんどうしたんだろうね?」
僕は今、学校が終わって七瀬さんと二人で帰っている。
「そうだね。もう1週間くらいになるかな?風邪にしては長いね。」
最近琴巴は学校に来ていないのだ。さらにいつもの山頂で修行している姿も見かけていない。
「メールしても風邪なの心配しないでって返ってくるの。真広くんはなにかメールきてる?」
「僕も同じような感じかな。伊東くんはなにか知ってるかな?」
「伊東くんは立花さんからメール返ってきたことないらしいからたぶんなにもしらないと思うなぁ…」
「あ、そうなんだ…」
「ねぇ、真広くんこれから立花さんの家にお見舞いにいかない??」
「え?いいけど、琴巴の家知ってるの?」
「うん。この間遊びに行ったからわかるよ。」
「じゃあ、行こう。なんか買っていったほうがいいかな?」
「んー、いらないんじゃない?」
「そうだね。じゃあ、行こうか。」
そうして僕と七瀬さんは琴巴の家の前に着いた。
古き良き日本家屋って感じの大きな家だ。
「大きな家だねぇ。」
「うん。私も最初びっくりしたよ。」
「じゃあ、チャイム押すね。」
「うん、立花さん大丈夫かな?」
そうして僕はチャイムを押す。
ピンポーン。
「はーい。」
比較的若い男の人の声が聞こえる。
「あれ?お嬢の同級生の方ですか?」
出てきたのは本当に若そうな20代前半くらいの青年だった。
「はい、私たち立花さんのお見舞いに来たのですが、立花さんは大丈夫ですか?」
「えっと…なんて説明したらいいんだろ。」
「君は涼風真広くんかな?」
奥からどことなく琴巴に似ている壮年の男性が出てきた。
「はい。でも、なんで僕のことを?」
「琴巴から聞いているからね。すごい同級生がいるって。そしてあの涼風重蔵の孫だってこともね。」
「当主!えっ!?涼風重蔵の孫!?」
「いいだろう。真広くんなら何かわかるかもしれない、付いてきてくれ。」
「は、はい。」
「え、私もついていっていいんだよね?」
そうして僕たち二人は琴巴が寝ているという奥の寝室に通された。
「入るぞ。」
そうして寝室に入ると数名の術者が寝ている琴巴に呪文を唱えており、ただごとではなさそうだ。
「あの、これって。」
「おぉ、真広くんきてくれたのか。」
奥に座っている琴巴のお爺さんがこちらに気づいた。
「は、はい。あの琴巴に何が合ったのですか?」
「実はのぉ。立花家で堕落した神を討伐しに行ったのじゃが、討伐はできたのじゃがその時に厄介な呪いをもらってしもうたんじゃ。その堕落した神が言うには10日で死ぬ呪いだそうじゃ。今日で7日目じゃ。こちらで手は尽くしてはいるのじゃが、腐っても神の力は使えたようじゃ。我々の力ではどうにもできん。琴巴も昨日から意識が無いのじゃ。」
「そんな!じゃあ立花さんは!」
たしかに琴巴を見ると顔や腕、首など肌が見えているところには不気味な赤いアザが浮かび上がっていた。
ーこれは、かなり強い呪いですね。まれにいるのですよ。神格を剥奪されても神の力の一部を使えるものや土地が死んでも土地神だけが生きて邪神や厄病神となるものがー
琴巴はどうすれば助けることができるの?
ー神の力は神の力で癒すのが確実でしょう。しかし、真広ではこの呪いは癒せません。…土地神の神木の巫女の癒しの力なら呪いを解くことができるでしょうー
じゃあ、その人のところに行こう!
ーただそのものは閉鎖的であまり神域から出てこないのですよー
とりあえず、今日行ってみよう。
「どうじゃ真広くんなにか治せる心当たりはあるかね?」
「すみません、僕にはなにも…」
「いえいえ、いいんですよ。我々も、いや俺も娘を助けるために手を尽くすよ。」
「もちろん儂も手を尽くす。必ず助けてみせるぞ。」
僕が助けるよ、琴巴。