テラーノベル
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今日は、変えない
そう決めて目を覚ました
装備の順、配置、判断、
すべてを昨日通りになぞる
抗わない、それが最善だと理解した
それでも、微妙な違いは生まれる
配置についた瞬間
見ないと決めた方向へ
勝手に意識が引き寄せられる
顔が、ある
塗りつぶしは残っている
だが、均一ではない
薄い部分がある、線が残っている、同じ位置だ
毎回、同じ
目のあたり、口の輪郭、歪み方
違う隊員のはずなのに、似ている
というよりは揃っている
見れば見るほど呼吸が乱れる
偶然だ、とそう言い聞かせる
また戦闘が始まった
昨日より、被害は抑えられている
判断は正しい、と記録上は言えるだろう
それなのに 胸の奥が冷える
撤収時、すれ違った隊員
一瞬、顔が見えた
はっきりしている
昨日より、確実に
歪みは減っている
その代わり特徴が増えている
知っている、 気がする
思い出そうとした瞬間、頭が痛んだ
思わず思考を止めた
夜、報告書を書く
文字が滲む
名前を書かなくていい、それが救いだった
目を閉じる
浮かぶ顔
一つだけ、他と違う
他より、ずっと鮮明
塗りつぶしが、ほとんど残っていない
輪郭が、定まっている
見たくない
でも、目を逸らせない
次の瞬間、視界が反転した
また、同じ朝
確信する
顔のモヤは減っている
顔は、整理されている
選別されている
きっともうすぐで全部が見えてしまう
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美沙 ⚠️停止中⚠️