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九月のスタート告げるチャイム。
次の標的に置かれた花瓶。
仕掛けたのは私だった。
雫が悪いんだよ。私だけを見てくれない、雫が悪い。
「おはよう!みんな!…..みんな?」
雫がみんなに挨拶をしたけど無視された。
ほら、困ってる。私だけに挨拶すればいいのに、
「あら?なにこの花瓶…素敵な花だけど…..っ!」
雫が何故 花瓶が置かれているのかに気づいちゃったみたい。
そう、少し前からこのクラスでは、机の上に花瓶を置かれた子はいじめられると言うものがある。
「…」
その顔、可哀想な顔だね。私を頼ってよ、ほら。
私が助けてあげるよ?私”は”助けてあげるよ?
「きゃっ!」
私と雫以外のクラスメイトがクスクスと笑い始める。
「なにこれ…ネズミ…?」
机の中にネズミの死骸があったみたい。
それにしても、可愛い反応だったな。
「…..とりあえず、授業が始まる前に片付けないとよね…」
なんで私を頼らないの?
雫ったら、もう仕方ないな〜、
私は雫の方へ歩いた。
「雫、なんか驚いた声が聞こえたけど…どうかしたの?」
「あ、遥ちゃん…!えっと…なんでもないわ、」
「…何でもなかったらあんな声、出さないと思うけどな…」
「…本当に、なんでもないの…」
「…..嘘つき、見せてみなよ、…っほら、!」
「あっ!だめ!」
強引に雫の机を持ち上げ中身を出す。
ネズミの死骸が何匹か床に落ちる。
「ほら、なんでもなかった。隠さなくていいよ?私も手伝ってあげるから」
目一杯の笑顔でそう言ってあげた。
「触らないで!…遥ちゃんの手が汚れちゃうでしょ?」
そう言い青ざめた顔をして私の手を握る。
「大丈夫だよ、私は雫の手が汚れる方が嫌だよ」
「でも…」
「遠慮しないで、私達、ともだちでしょ?」
「…」
黙っちゃった。雫はそうは思ってないってこと?
そんなことないよね。