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ありきたりな雑炊
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ねぇ。君は覚えてくれてるかな、Azure。…いいや、Aspen。
僕の最初で最後の相棒で、恋人だったよね。
僕は…その…取り返しのつかないことをしてしまって…。
あぁ、許さなくていい。でも、これは神様のため。ねぇ、わかってくれるでしょう?
最初の出会いは…偶然だったよね。家出をして、彷徨ってて…それで、僕に出会った。
僕は君のことを怪獣かと思ったよ。でも、人間だった。
怪獣のほうが良かったのかもね。だって、君のことを殺さずに済んだんだから。
僕はその時、薪集めをしてたよね。カルトの下っ端で、何もできないから雑用をしてたんだ。…でも君は軽蔑の目で睨んでこなかったよね。
僕はそんなに大切な人を殺したんだ。…でも、あの素晴らしきスポーン様の生贄になるなんて、光栄なことだろう?
…君は地下で死体を見たって叫んできたよね。でも、僕は信じなかった。
すると、態度は他人のように冷たくなった。
君は他の信者のケガとか病気を治すとき笑いかけてたのに、僕には笑いかけなくなったね。ケガしてなかったからかな?
Amarah様に伝えたら、少し怖い顔をしたあと、このゴーストファイアダガーをくれたんだ。そして、スポーン様からのお告げと言って、こういってくれたよね。
「Aspenをそのダガーで刺しなさい」
従ったのが間違いだったのかな。君と抜け出しておけば、君から逃げずに済んだのかな。
Elder…Elder Amarahは僕の親。捨て子だった僕を拾って、育て上げた。
でも、会議には入れず、僕が何を言っても一瞥もしてくれなかったよね。
それでもあの方はだいすきな僕の親。だから従った。間違いだった。
君を殺した日の晩、お肉が出たんだ。でも、気持ち悪かったなぁ。
薬草の匂いがしたんだ。Aspen、君は地下に死体があったって言ったよね。本当だったら…君は植物学者だったから、薬草の匂いがしたの?
生憎、そのお肉は食べれなかった。でも、殺した日、60人弱の人…村の人全員にお祝いされた。嬉しくなかったよ…。ねぇ、Aspen。
僕が間違ってた。大馬鹿者だったよ。そのせいで君は僕を恨んでるんだよね?
謝ったら済む話じゃないのは重々承知してる。君は愛されてなかったって勘違いしてるよね。それ、間違いなんだ。…僕、君のことが大好きだったよ。信じてたよ。でも、スポーン様のことはそれ以上に信じてた。
だから、失うべきじゃないものを失ってしまったんだ。
それも、自分の手で。
…これ以上喋ってると涙が出てきそうだ。
最後にこれだけ言わせて。
「ごめんなさい。」
愛してるなんて言っても、君は信じてくれないでしょう?
…観測者の君、気づいてるからね
-Two Time-
-親愛なるAspenへ-
コメント
3件
第7話、読み終えました。これは…重いですね。告白の形をとった、死者への手紙という形式がとても効果的でした。「君は覚えてくれてるかな」という冒頭の呼びかけから、既に読者を物語の深淵へ引きずり込む引力があります。特に印象的だったのは「お肉が出たんだ。でも、気持ち悪かったなぁ。薬草の匂いがしたんだ」という一節。Aspenが植物学者だったという設定と、前のめりに響き合って、何が起きたのかを語らずに伝えてしまう。この「語らないで伝える」技術が本当に巧いです。信仰と愛の板挟みで、どちらも選べず、結局最悪の選択をしてしまった主人公の懊悩が痛いほど伝わってきました。ラストの「観測者の君、気づいてるからね」という読者への直接語りかけも、この物語の構造を示唆しているようで背筋が凍りました。