テラーノベル
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それから数十分後ー。
居酒屋を出て、タクシーで滞在先のホテルへ向かうまでの間、勇斗はほとんど言葉を発さなかった。
ただ、俺の手を握ったまま、時折親指で手の甲をゆっくりと撫でる。その繰り返されるむず痒い感触が、言葉を交わさないこの時間が、車内の暗闇の中でかえって俺の鼓動を激しくさせた。
ホテルに着くと、勇斗は素早くチェックインを済ませた。俺はその光景をただぼんやりと立った眺める事しかできなかった。
エレベーターに乗り込んだ瞬間、勇斗は俺の身体を壁に軽く押し付けるようにして近づいてきた。狭い箱の中で背中が冷たい壁に当たるのと同時に、熱い吐息が首筋にかかる。
浅く、何度も角度を変えるようなキス。唇が触れるたびに、ちゅっ…という小さな音が耳の奥まで響いて、どうにかなってしまいそうだった。
「声、出さないようにね」と小さく笑う声が、なんだか意地悪くて腹が立つのに、そんな感情とは裏腹に足元がふらつきそうになるのを堪えるように、思わず勇斗のシャツの裾を指先で掴んでしまった。
勇斗に支えられようにして部屋へ向かう姿は、どれほど滑稽だっただろうか。
部屋のカードキーをかざすと、ドアが静かに開いた。 室内は俺の部屋と同じ造りのはずなのに、勇斗の匂いが染みついているだけで、雰囲気がまるで違う気がした。
ドアが閉まるなり、勇斗は俺のパーカーを乱暴に捲り上げ、直接肌に触れてくる。冷えた空調の部屋の中で、勇斗の手のひらは異様に熱かった。 シャツも一緒に捲り上げられ、冷たい空気が素肌に触れて、ぞくりと鳥肌が立った。
「ん、ちょっと……待ってっ」
「待たない」
有無を言わさずベッドに押し倒される。勇斗は俺の上に跨がり、ゴツゴツとした指先で敏感になりつつある胸の尖りを再びゆっくりと円を描くように触れる。
「ここ、さっきよりちょっと硬くなってる」
勇斗は嬉しそうに笑って、親指の腹で先端を優しく転がし始めた。 最初は軽く、しかし徐々に圧を加えて、指で摘まんで軽く引っ張る。
「ん…っ、あ、」
ふいに指先で軽く弾くように刺激されると、それまで唇を噛んで堪えていたというのに、甘い吐息混じりの声が零れてしまった。
指先一つで身体の奥まで熱が引きずり出されるみたいで、息が詰まって、頭の裏側がくらくらする。
「感じてる? 仁人」
低い声で耳元に囁かれ、俺はまた唇を強く噛んだ。
「かん、っじてな、ぃ、」
俺の抵抗も虚しく、情けない声が漏れてしまう。勇斗の指で少し強めに押し込まれると、甘い痺れがつま先まで駆け上がって、腰が勝手に浮きそうになるのを必死に堪えた。 勇斗はもう片方も同じように扱き始めた。 右側は優しく撫でるように、左側は少し強めに摘まんで転がす。リズムを微妙に変えながら、俺の反応を一つずつ確かめているようだった。
「はっ、んん…」
喉の奥から抑えきれない吐息が漏れる。 隣の部屋に誰がいるかもわからないこのホテルで、こんな声を出していたら聞こえてしまう可能性だってある。
しかし、その危機感が強ければ強いほど、勇斗の指が離れるのが嫌だなんて考えてしまう自分があまりにも惨めで仕方なかった。
勇斗は上体を倒して、さんざん弄られ赤く腫れた突起に舌を這わせた。 熱くて湿った感触が、指とはまた違う甘い電流を走らせる。
「っ…! 舌、やめっ、」
「ん。ここ、仁人がビクビクしてるの、舌で伝わってくるよ」
勇斗は小さく笑いながら、唇で挟んで軽く吸う。 同時に、空いている手で反対側は執拗にこね回される。 甘い痺れがどんどん大きくなっていく。 息が浅くなって、腰が無意識に勇斗の太ももに擦れそうになるのを、必死に抑え込んだ。
「勇斗…っ、やだぁ、なんか、へんっ…!」
「変じゃない。感じてるんだよ」
抵抗の声を上げると、勇斗がゆっくりと顔を上げた。
濡れた唇の端に薄い笑みを浮かべ、俺を見下ろす。その瞳は酔いの残りと興奮でいつもより暗く熱を帯びていて、俺はまるで吸い寄せられるようにその瞳から目が離せなくなった。
「仁人のは、ちゃんと機能してるね」
勇斗は意地悪く微笑みながら、今度は舌と指を同時に使って、吸い付くように乳首を口に含み、軽く吸う。
じゅっと湿った音が部屋に響いて、羞恥が一気に込み上げてきた。片方は舌先で転がし、もう片方は指の腹で強く押し潰すように刺激してくる。
「ん、ぁ、…、待って、ちょっと強…」
勇斗の声は甘く、でもどこか楽しげだった。
熱を持った突起を、まるでそこが一番敏感な場所だと知っているかのように、丁寧に、執拗に愛撫し続ける。
舌で転がされ、吸われ、指で摘ままれ、軽く爪で弾かれる。 一つ一つの刺激が重なって、甘い熱が下半身までじわじわと降りていく。
俺は枕に顔を埋めて、声を殺そうと必死だった。 でも勇斗はそんな俺の反応を全部見逃さず、耳元で低くからかうように囁く。
「ほら、もっと感じて。仁人のここ、必要だって、俺がちゃんと教えてあげるから」
指と舌が交互に、時には同時に、俺の胸の飾りをねっとりと愛撫し続ける。 アルコールと勇斗の熱で、頭の中がぼんやりと溶けていくような感覚だった。
勇斗の息も少し荒くなっていて、俺の腰の辺りに当たる熱が、ますますはっきりしてきた。
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