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#現代ファンタジー
裏五条
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眩しい光が細くキラキラと天に昇り終えた頃、その場に、狐獣人の姿があった。
「コウ君!」
よく見ると、キラキラとした光は細く細くコウの身体から煌めき続けていた。
「何で、俺は人として生まれたんだろうなぁ。ただの獣だったら、こんな寂しい思いをしなくてすんだのに……。なぁ、アリス……」
アリスは頷くことも、返事もしなかった。ただ、じっとコウを見ている。
「……あぁ、すごくあったかいなぁ……。これであいつらのところに、行けるのかなぁ……。今度は皆でただの獣に生まれ変わりたいなぁ…………」
コウの身体が光の粒子になって空にゆっくりと昇って行く。
後には、コウの着ていた服と、その中から透明に光るダイヤモンドのような大きな宝石が転がっていた。
「コウ君の家族は、火事で亡くなってしまったんだ。コウ君が家を開けていた時に――」
アリスがぽつりぽつりと呟く。ゆっくりとコウの居た場所にしゃがみこみ、手をそえる。
「一人残された彼は、もう一度彼女達に出会う方法を探していた。ボクとも色々情報を交換しあっていたんだ……」
私達は無言で彼の言葉を聞いていた。
「死者を生き返らせる方法なんて、見つからないのはわかっていたけれど――。諦めきれなかったんだね――。まさか、自分自身が行く方を選ぶとは――」
そう、死んでしまえばそこで終わり。生まれ変わると言っても、もうそれは――。その人ではなくなってしまう。
「それでも彼は一緒になりたかったんだろうね……」
「アリスちゃん」
なんだか、弱々しくて消えてしまいそうなアリスがそこにいた。
「ねぇ、コウ君。人だからこそ、そこまでの想いを持てたんじゃないかなぁってボクは思うよ――。皆に会えるといいね……」
人を好きになるって、幸せな気持ちだけじゃない。一緒に哀しみや憎しみ、猜疑心、嫉妬……たくさんの感情がついてくる。
私の魔法は、全てを救える訳じゃない。死んだ人を蘇らせたりはできないんだ。ただ、浄化して生まれ変わらせるだけ――。
これで合ってたのかな……。
コウの消えた場所とアリスを見つめながら、私は考えていた。
ーーー
本当に見えてないのかな?
こそこそと、私とアリスは手を繋ぎながら地下の道を歩く。
「水の膜をはって、そこに光の魔法で目眩ましをしたらどうだ?」
光学迷彩だったかな? 光の屈折がなんちゃららって感じのこと?
ウォータに言われて私は試しにやってみると上手くいってしまった。
これで、地下に行ってこの宝石をそっと戻しておけばいいのかな。
という訳で、いま私達は機密文書のある場所へと向かっているのよね?
これを返す場所ってどこになるんだろう?
「こちらに――」
ハスキーな声とともに土の精霊が姿を見せた。
土の精霊が歩く方向とアリスが向かう方向は同じだ。アリスはこれがあった場所を知ってたのかな?
でも、機密のある場所なんだよね?
てくてく、歩いていくと大きな建物があった。
「ここに地下の王がいることを知っていたのですね」
建物の中で、トントンカンカンといい音が響いている。
一歩中に入ると、大きな鍛冶工房だった。何人もが同時に作業が出来るような大きな工房だ。
「王に直接渡して頂ければ助かります。面倒なことにもならないでしょう」
土の精霊さんは一人の飾りっけのない仕事着のドワーフさんを指差す。飾っていないから、男の人なのかな? まだ、高校生くらいに見えるけれど、幾つなのだろう。
「彼が地下の王、ロータス。地上の王リリィの弟です」
コメント
1件
うわっ……コウ君、とうとう行っちゃったんだね🥀「人だからこそ、そこまでの想いを持てた」ってアリスの言葉が刺さるよ。獣に生まれ変わりたいって願うほど、人としての孤独が重かったんだなって思うと切なくなる。宝石を返しに行く場面も気になる展開だね……! 続きも静かに読ませてもらうね🌙