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〔彼氏にフラれたので、幼なじみに告白してみた〕
注意
・潔世一夢
・モブ入り
・夢主付き合ってた経験あり
・世一世界一設定
𝕤𝕥𝕒𝕣𝕥
彼氏にフラれた。
フラれたと言うよりか捨てられたの方が正しいかもしれない
元々彼氏のことはそんなに好きじゃなかったけど、5年以上付き合ってきた仲だ。少し悲しかったりもする。
彼氏と付き合って色々あったなぁ…
私は彼と付き合った日から今日までのことを思い出して見ることにした。
◇◆◇
その日私は、放課後屋上に呼び出され、彼に言われた。
『俺と付き合え』
「…え、嫌ですけど」
『あ?』
何故そんなに親しくもない人に命令口調で告られて付き合わなければいけないのか。
そもそも私は世一くんが好きだ。
世一くんとは幼なじみで、小さい頃から仲が良く、今でもよく一緒に遊んでいる
私はずっと世一くんが好きだ
他に振り向けるようなものじゃない
『なんで俺と付き合えねぇんだ』
こいつは私に壁ドンして強めに言う
逆に付き合うわけねーだろバカ
そう思った。
『俺と付き合わねぇなら無理やり付き合わせるぞ』
こいつほんとなんなんだ
控えめに言ってキモイ
とりあえず名前知らんし悪男と呼ぶことにしよう
「どうやって付き合わせるんですか?」
『ハッ
そんなん決まってんだろ』
悪男は当たり前のように言う
『脅しだよ』
「はぁ…」
そこまでして私と付き合いたいのか
「で、その脅しとは」
『…フッ、』
悪男はきっしょくわりぃ声で笑った
『お前、まだ潔世一が好きなんだろ? 』
「…は?」
『お前が俺と付き合わなかったら、あいつはどーなるんだろうなぁ』
「…」
『俺はやると決めたら最後までやるタイプだ。だからあいつはお前のせいで人生めちゃくちゃになるぜ』
…それは困る。
世一くんに何かあれば、私がもたないし、
何より世一くんは何も悪くない。
私のせいで世一くんに危害が加わるのは嫌だ
「…はぁ、…わかった。付き合う 」
『やっとか』
こうして私たちは付き合った。
◆◇◆
付き合って2年が経った頃
私たちは同棲をし始めていた
あの時の彼に、私に対する好意はあったのだろうか
それが分からなくなるほど、彼の態度は変わっていた
『…ただいま』
「おかえり、ご飯あるけど」
『…食う。』
同棲初期はこんな会話ばかりだった。
だが、これでもまだマシな方だ。
同棲を始めて1年が経った頃の彼はすっかり変わってしまっていた。
「おかえり」
『…チッ』
「ご飯は」
『要らねぇよ』
こんな会話で何が楽しいのだろうか。
ご飯、頑張って作ってたんだけどね…
それからは、彼の態度がおかしくなった。
休日でもしょっちゅう出かけるようになったし、毎日のように飲み会へ行く。
しかも帰るのはだいたい朝。
そろそろウンザリしてきたし、浮気かどうかも聞きたかった。
だけど彼は朝帰ってまたすぐ出かける。
というか、休日は帰ってきもしない。
話す時間なんてない。
そして月日がたち、今日のこと
『お前よりいい女見つけた。』
…は?
声を聞いたのですらいつぶりだろう
なのに、それがお前よりいい女見つけただって、
は?しね?
「急だね、もしかして今まで浮気とかしてたり…?笑」
せっかくだし、思い切って言ってみた。
本音を言うと、[してない]って言ってほしい。
彼に好意なんかない。
でも、一応ずっと付き合ってきたから…
『してたら何だよ』
「っ…」
…そっか、
「…いつから、?」
『2年前。』
なんの躊躇もなく、彼は言った。
2年前って、ちょうど彼の態度が悪くなって来た時あたりか、
「えっと…、私と別れたい、?」
『あ”?別れねーわけねーだろ 』
「そっかぁ…」
もしかしたら…ずっとそうだったのかな、
ずっと別れたかったのかな
そう思うと、目に涙が浮かんでくる
私だって…私だって…
ずっと好きでもない相手といるの、我慢してたのに…
世一くんに何かされたらって、怖かっただけなのに…
でも、そんなこと言えるわけない。
私は彼を向いて言う
「…わかった。別れよう」
『…あぁ、じゃあな』
…少しは悲しい素振りを見せて欲しかった
まぁ、無駄か…
◇◆◇
というのが、今日までの出来事。
思い出っつっても、遊びに行くとか、デートするとか、そーゆー楽しいことしたことなかったなぁ…
しかも、私は追い出されたのだ。
家事をしているのも、家賃を払っているのも全部私なのに、何故か私が家を追い出された。
「帰るところ、ないなぁ…」
不思議と涙がでてくる
結局別れるなら、あんなことしてまで付き合わせないでよ…
すると、遠くから声が聞こえてくる。
『あれ?久しぶりじゃん!』
知っている声。
いつも優しくて、頼りになって、サッカーが大好きで、私の幼馴染の、
私の、大好きな人の声。
「世一くん…」
『え”っ、泣いてる…!?』
彼の優しい声に、さっきより涙が溢れてくる。
『えっ俺なんかしちゃった…!?えごめん!』
そんなことを言って焦っている世一くんを見て少し笑ってしまう
でも、そんな私を見て世一くんはほっと胸を撫で下ろした。
『と、とりあえず、どこか移動しようか』
◇◆◇
「おぉ〜、!」
『笑 久しぶりだよね。ここに来るの』
「うん!」
私は世一くんに向かって微笑む。
すると世一くんも、私に微笑んでくれた。
…懐かしいな
ここは、私たちが小さい頃、よく遊んでいた公園だ。
高校生になっても、世一くんと私の部活のない日は、毎日遊んでいた。
まぁ、世一くんはブルーロックに行っちゃって、そっから会ってもいなかったけどね
『それで、さっき泣いてたのは、?』
世一くんは、心配そうに聞いてくる。
「…世一くん」
『!はい、!』
「私の恋の相談、乗ってくれる、?」
◇◆◇
そして私は、彼氏とのことを、すべて話した。
脅されて付き合ったことも、家を追い出されたことも。
世一くんが好きだってことは隠したけどね、笑
『そう、だったんだ…』
「まぁ、もーいいんだけどね、笑」
私は空気を悪くしないように、できるだけ笑った。
それでも、世一くんは私を心配してくれた
やっぱ優しいよぉ〜
また泣きそう…
「…よしっ」
『?どーした?』
次こそが本題。これから世一くんにあったら絶対言おうと思ってたこと。
「世一くん、次はさ、」
『…』
世一くんは、ごくりと息を呑む
「私と恋バナしないっ?」
『…え 』
何故か世一くんは、絶望したような顔をする
理由は分からないが、とりあえず私は続ける
「私の好きな人は、同じ高校でね?」
『…うん』
「サッカーがものすごく上手いんだ」
『うん』
世一くんは何故か悲しそうな声を出す
…なんでだろ
それでも、私は話を続けた。
「いっつも一緒に遊んでくれて、
部活の帰りも、いつも一緒に帰ってくれた」
『…うん?』
「高校では1回しか同じクラスになれなかったけど、それでも、いつも遊びに来てくれた」
『…えっ、え???』
世一くんが、少しずつ混乱したような顔をする。
…だよね、だって
今私が話してる好きな人、世一くんだし
「さっきサッカーが上手いって言ったよね」
『あ、うん』
「今ね?その人、世界一なの」
『…っはぇ、?』
「しかも、私の幼なじみ!」
世一くんは、ほんとに混乱してる
私は、そんな世一くんの前に立った。
本当はこんなこと、少女マンガとかでしかしないかもしれない。
それでもいい。
それでも、私は言うんだ。
「…世一くん。私の恋、叶うと思う、?」
言った、言えた。
やっと…
今のはもう、告白したも同然
世一くんは、混乱で固まっている
…期待は、まぁほんのちょっとかな
ほんとは 好き だって、 叶う って、言って欲しいけど、
さすがに、言ってもらえないよね… 笑
そんなことを考えていると、世一くんがハッとしたような顔をした。
すると、いきなり私に抱きついて言う
『叶う!!!』
「…へ」
ほんとに言われるとは思ってなかった
絶対言われないと思ってたから、涙が…
「…ひぐっ、」
『!だ、大丈夫、?』
こんなときでも、世一くんは心配してくれる
やっぱ優しいなぁ…
そして、私は鼻をすすりながら言う
「…ほん”とうにッ、?」
『、ふはっ 笑 、当たり前じゃん! 』
そう言ってから、世一くんは私に向かって言う
『じゃあ改めて、
…俺と付き合ってください』
「…っもち”ろんっ!」
『ふっ、笑 泣きすぎだろ 笑』
ほんとにそうだ
…今日、泣いてばっかだなぁ、 笑
今日、私は彼氏にフラれた
本当に、最悪な日だ
でも、ずっと好きだった世一くんに告白したら、付き合うことができた。
だから、今日が世界一幸せな日になれた気がする。