マッサージ

岩本の家。

渡辺はソファに伸びている。

岩本がブランケットを持ってきて掛けてやる。

岩本ー身体、そんなにガチガチなのか？

渡辺ーん、昼と夜公演して、ツアーのために踊ってると、身体が重い。

岩本ー何で言わないかな？

渡辺ー忙しくしてるじゃないか。

岩本ーでも！

渡辺ー目黒は今そんなに忙しくないから、ちょっとマッサージ頼んだらしてやるって言うから。

岩本ーお前たち、仲良すぎ。

渡辺ーヤキモチ妬いてるの？

岩本ー・・ちょっと。

渡辺ーばか。佐久間がお前に引っ付いているのを見る俺のことは考えたことあるか？

岩本ーあれは！

渡辺ー一緒だ。大した意味はない。

岩本ーお前たちも？

渡辺ー当たり前だ。

岩本ー翔太。

優しく渡辺の身体をさする。

渡辺は岩本をじっと見る。

岩本が渡辺の頬にキスをする。

首を振る。唇にキスをする。

両手が首に絡まる。

甘いキス。熱いキス。

岩本ー風呂の準備してくる。

渡辺ーん。

風呂場に向かう岩本をじっと見ながら、渡辺は笑う。

岩本一筋に変わりはないが、たまには目黒と遊びたい。

無意識のうちに岩本を試していることに自覚はない。

何もかも分かっているのは目黒だけじゃないだろうか？

岩本ー翔太、今日はもうマッサージはいいか？

渡辺ーん、目黒にしてもらったから大丈夫。

岩本ー次から俺に言え？

渡辺ー忙しくしてても？

岩本ー家に帰って来たら、してやる。

渡辺ーヤキモチ可愛いな。

岩本ー試すな。

渡辺ーそんなつもりない。

岩本ー触れていいのは俺だけだ。

渡辺ー・・ばか。

岩本ー目黒はいいのか？

渡辺ー上手いんだ。マッサージ。

岩本ーだめ、俺だけ。

渡辺ーはいはい。

きっと無理だろうと岩本は思っている。だが渡辺は岩本一筋は変わらない。聞いたことはないが、岩本だけしか身体を開かない。

渡辺は誰にでもしない。岩本だけが触れることが出来る。

目黒は友達。

どんなに仲が良くても大丈夫。

友達だから。

この数年で思い知った。

渡辺は、岩本だけを愛している。