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寒さもすっかり落ち着いて響との生活にも慣れて来た
今日は4月8日、始業式だ。響はあの後、本当はすぐ転校する予定だったけど
響が「5年生の終わりまでは今の学校がいい」と言うので実際、響は今日が転校初日だ
ゆの「行って来ます…」
母「行ってらっしゃい、響くんも転校初日だけどゆのがなんでも知ってるから
ゆのに色々聞いてちょうだい」
ゆの「ママ!大口叩きすぎ…!」
響「学校への道さえ、俺はわからないが?」
ゆの「あたしと一緒に行こ、それなら行けるでしょ…」
響「着いていくだけか?」
ゆの「そ…」
響「ならいける気がする」
響は最初クールな印象だったけど………一緒に暮らしてわかった
この子………かなり鈍感で天然…!そして…少し世間知らず
お年玉を「落とし玉」(落とす玉)と勘違いしてたり
ひなまつりをヒナの生誕祭かなんかと勘違いしてたりで………
もう本当にすごかった
そうこうしてるうちに学校に着いた
ゆの「あたしはクラス替えの紙を見てくるからちょっと待ってて」
響「わかった」
ゆの「………あたしも響も1組…1組の先生…あたりじゃん」
あたしの学年は2クラスで2組の先生が鬼杉先生だ、鬼杉先生は怒ったら鬼で普通に怖い先生だ
対して1組の先生は神野先生、授業もわかりやすく優しい、
怒った時も鬼杉先生よりか怖くないのでみんな担任になってほしい先生ランキングNo.1だ
ゆの「響、あんた1組。あたしも1組だけど」
響「連れて行ってくれ」
ゆの「…あんたは職員室に行って」
響「なぜだ?」
ゆの「転校生は先生に一度挨拶しなきゃなんじゃない…?」
響「そうなのか…」
あたしたちは職員室に向かう
コンコン
教頭先生「はい?」
ゆの「神野先生いますか?l
教頭先生「神野先生ですか?神野先生ー!」
神野先生「どうかしましたか?」
ゆの「あの…転校生…」
先生はあたしの後ろにいる響に目をやってから言った
神野先生「響くんですね、ゆのちゃんはもう教室に行っていいですよ。
響くんはちょっとここで待っててください」
ゆの&響「はい」
ゆの「じゃあね響、また後で」
響「あぁまた後で」
6年1組…6年1組…どこだろ…
友達「ゆの何組だった?」
ゆの「1組…」
友達「あたし2組!最悪!鬼杉とかマジで無理!」
友達「しかもそっちのクラス転校生来るんでしょ?いいなぁー男子?女子?」
ゆの「男子…」
友達「へー!イケメンかな⁈」
イケメン…う〜ん………響がイケメン?ないないないそれはない
確かに天然でかわいいけど…イケメンはない
ゆの「イケメンってよりかわいい」
友達「かわいい男子⁈どんな子だろー?」
ゆの「かわいいって中身の話だからね…」
友達「それでも楽しみ!やべ!鬼杉来そうだからあたし戻るね!」
ゆの「うん」
ーーホームルームーー
神野先生「今日は早速ですが転校生を紹介します。入って来てください」
ガラッ
響「響です。よろしくお願いします」
女子A「待ってイケメンじゃない⁈」
女子B「だよねだよね!」
今のあたしはみんなの言ってることがよくわかんなかった
でもあたしだって初対面は思った…
「かっこいい子だな」って…
でもあんな天然で鈍感で少し世間知らずなの知っちゃったからかっこいいとは思えない
あたしはそう思ってた
ーー4月9日ーー
ゆの「おはよ…」
母「おはようゆの、そして誕生日おめでとう」
ゆの「ありがと…」
響「ゆの、おはよう」
ゆの「おはよ」
響「これ、受け取ってくれないか?」
ゆの「なにこれ…?」
響「開ければわかる」
あたしは響からもらったものを開けてみた
中には水色のシャーペンとシャー芯が入っていた
ゆの「なんであたしにこれを…?」
響「その…今日誕生日だったって最初会った時きいたからな」
ゆの「覚えてたの…⁈」
響「あぁ」
ゆの「ありがと…」
あたしは多分これが響に会ってから起きた1番嬉しい出来事だったと思う
だって義弟(おとうと)が初めて、あたしのことを「家族」としてみてくれた気がするんだもの…