テラーノベル
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翌朝。テンペストの迎賓館のロビーで、フェルンは仁王立ちしていた。
その視線の先には、昨夜のミミック騒動で髪がボサボサになったフリーレンと、彼女を介抱して疲れ果てたリムルがいる。
「……フリーレン様。リムル様」
フェルンの声が、いつになく低い。
「……ん、おはようフェルン。昨日のミミックは、なかなかの噛み応えだったよ」
「そういうことを聞いているのではありません!」
ドゴォォォォン!! と、フェルンの背後に恐ろしい魔力が渦巻く。
横にいたシュタルクは「ひぃっ、フェルンがキレた!」とガタガタ震えている。
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「二人で夜通し出歩いて、そんなにボロボロになって……。リムル様、フリーレン様はこう見えても1000年以上生きているんです。年上を敬ってください!」
「いや、違うんだフェルン! これはデートっていうか、ただの買い食いとミミック退治で……」
「言い訳は結構です! 夜中に二人きりでフラフラするなんて、破廉恥です! 淫らです! スライムです!」
「最後、種族名じゃねーか!!」
リムルのツッコミも虚しく、フェルンの怒りは収まらない。
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「……シュタルク様もです。昨日のデートで、少し優しくしたからといって、鼻の下を伸ばして。リムル様たちを見習……わないでください!」
「ええっ!? 俺、何もしてないだろ! 巻き添えじゃん!」
シュタルクは理不尽な怒りに涙目だ。
「とにかく! 今日一日は、フリーレン様はお菓子禁止です! リムル様も、フリーレン様に甘い顔をしないでください。いいですね!」
「「……はい」」
最強の魔王と、伝説の魔法使いが、18歳の少女に正座で詰め寄られるという、シュールな光景がそこにあった。
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そこへ、寝不足でフラフラのゼーリエがやってくる。
「あー、リムル。昨夜の魔法解析、お前の血(魔素)を混ぜたら面白い結果が出たぞ。今夜も続きをやるから、私の部屋に来い」
「………………」
フェルンの周囲の空気が、ピシピシと凍りつく。
「ゼーリエ様……。あなたまで、そんな……。この魔王は、エルフをたぶらかすのが趣味なんですか!!」
「いや、誤解だぁぁぁーーー!!!」
リムルの絶叫が、爽やかな朝のテンペストに響き渡った。
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