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#Vanity
ゆ♨️
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べっこう雨
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あめ猫@絵チャ依存症マン
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FORSAKENの領域の最奥、サバイバーたちの絶叫も届かない暗闇の底で、重苦しいノイズと異剰な熱気が満ちていた。
「――僕を見ろ。他の誰でもなく、僕だけを」
絶え間なく湧き上がる強迫観念めいた愛執は、二人の存在が深く交わる深淵の密事において、より苛烈で濃密な形となって牙を剥く。
普段着用しているシルクハットを脱ぎ捨てたスペクターの背後から、黒くドロリとした「影の触手」が無数に伸び上がり、生き物のように蠢いた。
その異形の影は、意志を持つかのようにRigの不揃いなR15フレームへと絡みつき、ブロックとブロックの不自然な隙間、不完全なエラーコードが剥き出しになった痛む傷口へ、内側から直接侵入していく。
「あ……ッ! つ、強い……スペクター、やめっ……影が、身体の中に……っ!」
「ダメだよ、逃がさない。君のそのスカスカで不完全な身体を埋めてあげられるのは、Robloxianたちの真似事なんかじゃない……僕の影だけなんだから」
拒絶の恐怖と、影が内側を満たしていく異常な「適合感」の狭間で、Rigは激しく喘ぎ、身をよじらせた。
しかし、スペクターは逃げようとするRigの顎を強引に引き寄せると、己の影から生み出した粘着質な糸を、躊躇なく兄の開いた口内へと滑り込ませた。
「んむ……ッ!? ぐ……ッ、ぁ……!」
声帯を内側から影で直接押さえつけられ、悲鳴すら奪い去られる。
喉の奥まで侵入してくる冷たくも粘り気のある影の感触に、Rigの瞳は激しい困惑と恐怖で涙を溢れさせた。
どれほど他者を模倣しても得られなかった「適合」の感覚が、この暴力的な侵入によって与えられているという事実。
それはあまりにも理不尽で、恐ろしいことだった。
だが、恐怖はすぐに歪んだ快楽へと変質していく。
どれだけ努力しても成りきれなかった「完璧なRobloxian」の模倣ではなく、自分と同じく欠陥を抱えた弟の異形の影。
それが全身のフレームを内側から締め上げ、満たしていく触覚は、FORSAKENの泥濘の中で生み出されたどのような刺激よりも強く、暴力的なまでの安らぎと快感をRigの脳髄へと叩き込んだ。
「んん……っ!! ッ――……!」
声にならない悶絶の吐息を漏らし、Rigの身体が激しく跳ね上がる。
不完全な骨組みの軋む不快な音は、内側から満たされた影によって完全に圧殺され、代わりに二人の存在が重なり合う生々しい衝撃音と、高熱を発するエラーデータが発する熱気が暗闇を満たしていった。
異形の影によって完璧に己を侵食され、歓喜と屈服に身を震わせる兄の姿を、スペクターは恍惚とした瞳で見つめていた。
「そうだよ、Rig……いい子だ。身体のすみずみまで、僕の色で染まっていく……」
スペクターは影の拘束を緩めることなく、激しく跳ねるRigの熱い体温を押し潰すように抱きついた。
華奢な腕で兄の首筋をしっかりと抱きかかえ、耳元へ唇を寄せる。
その瞬間だけ、絶対者としての仮面は完全に崩れ去り、かつてNestで放置された幼い雛の渇望が露わになる。
「ねえ、兄さん……僕を置いて行かないで。Noliなんかの話をしないで。……僕だけを見て。僕だけを……」
甘く切ない懇願と、体を貫く容赦のない影の苛烈な侵食。
Rigは口内を塞がれたまま、頭を振ることすら許されず、ただ弟の放つ強烈な執着と熱を全身で受け止め続けた。
「……僕だけを見ていればいいんだ。君を完璧にしてあげられるのは、世界で僕しかいないんだから」
身体の限界を超えたデータ負荷と、満たされる安らぎの波が押し寄せ、Rigの意識は白濁していく。
デフォルトリグの歪んだ顔のテクスチャが大きく乱れ、二人のエラーコードは境界を失って混ざり合っていく。
暗く冷たいFORSAKENの最奥で、影に満たされた肉体と、逃げ場のない甘い囁きが、不完全な二人の魂を深く、どこまでも深く繋ぎ止めていた。