テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「·····そりゃあ、重病に罹ってるクラスメイトなんて興味がつきない」
「そういうんじゃなくて、私っていう人間には?」
「·····さあ」
「なんだよそれー」
言いながら彼女はまたうわははっと笑う。
きっと暑さでアドレナリンが出て頭がおかしくなっているのだろう。
僕はクラスメイトの容体を憂う。
黙って作業を続けていると、図書室の先生が僕達を呼びにきた。
どうやら図書室を閉める時間になっていたようだ。
僕達は確認が終わったところまでの目印として、一冊の本を少し前に出しておき、忘れ物がないか見回ってから書庫を出た。
暑い部屋から出ると、図書室内に行き渡ったクーラーの冷えた風が汗ばんだ体にあたり、身震いした。
「すっずしー」
彼女は嬉しそうにくるりと回って図書室の受付カウンター内に入り、自分の鞄からタオルを取り出して顔を拭いた。
僕もだらりと彼女に続き、カウンター内に入って濡れた体を処理する。
「お疲れ様、もう閉めたからゆっくりしていって。ほら、お茶とお菓子」
「わー、ありがとうございますー」
「ありがとうございます」
先生が出してくれた冷たい麦茶を一口飲んでから、図書室内を見渡す。
確かに、生徒は一人もいなかった。
「おまんじゅう美味しい」
全てのポジティブなことにいちいち反応する彼女は、カウンター内の椅子に座り早くもくつろいでいる。
僕もお菓子を一つ手に取り、彼女とは少し離れた位置に椅子を移動させ、座る。
「二人ともごめんね、来週からテストだっていうのに」
「いえいえー、大丈夫ですよ。私達いつもそこそこの点数取れる組ですから。ね、【秘密を知ってるクラスメイト】くん」
「まあ、授業聞いてればね」
適当に答えてまんじゅうをかじる。
美味しい。
「二人とも大学とかはもう考えているの? 山内さんは?」
「私はまだ考えてないですねー、まだっていうかもうっていうか」
「【大人しい生徒】くんは?」