早朝。
始まりの浜で、
ノボリ、ショウとテル、セキとカイ、オオニューラは海を眺める。
ショウが口を開く。
「…ノボリさん、いいですか?」
「ええ」
ノボリは満足そうに笑みを浮かべ、
カイらを見やる。
「改めて、今まで大変お世話になりました」
『いやいや!こっちこそ、お疲れ様でした!』
『おう!早く弟さんに会いに行ってやれよ!』
笑顔で言ってくれるセキとカイに、
ノボリの口元が緩む。
『ノボリさんの弟かぁ、どんな人なんだろな』
「…いつも笑顔で、人懐っこい子でした」
『ははっ!愉快な弟さんだな!』
『私達の事、未来で記録が残っていたら
また思い出してくださいね』
「ええ、勿論でございます」
長二人に再びノボリは頭を下げる。
「にゃり!」
すると後ろからオオニューラが飛びついてきた。
「貴方もありがとうございました、
これからもヒスイをお願いいたしますね」
「にゃりん!」
オオニューラの頭をノボリが撫でると、
オオニューラは嬉しそうに手に頭を擦りよせ
元気に鳴き声を上げた。
「にしても寂しくなるなぁ、訓練所」
「まぁバトルならいつでもできますから!
オヤブン使いが出来なくなるのは少し残念だけど…」
「あれ達成できるのお前だけだって…」
わいわいと騒ぐ5人をちらり見やり、
ノボリは帽子を被り青い空を指差す。
「わたくしの次の目的地は決まっております。
ショウ様、お願いいたします」
「はい!」
ショウがボールからアルセウスを出す。
白い体に金の飾りが映える美しい姿に、
セキとカイとテルは圧倒される。
『これが…アルセウス、創造神…』
『すげぇ…美しいお姿だな』
「アルセウス、お願いします」
アルセウスはショウを少し見やったあと、
ノボリに近づき、
頭の上に白く眩く光るホールを作り出した。
それは段々大きくなり、ノボリの体を包み込む。
光に包まれがら段々と皆の声が薄れていく。
ノボリは強く願う。
あの懐かしい場所へ。
ライモンシティの、ギアステーション。
あの子の、元へ。
コメント
1件