夜飴、新連載…と思いきや読み切りなんですねぇ!
(なお、全文約6800文字、小説部分約6500文字ほどです)
佐久葦人口増えて欲しい!!
木兎→→♡ ♡←←赤葦→♡? ♡←←←←佐久早な三角関係です
佐久葦いいよね((
人が死んだり狂ったり犯したり犯されたり(R要素は最後)してます、苦手な方は自衛してくださると…
最後に事務連絡あります、れでぃご〜!
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赤葦side.
今日も俺は俺たちのエースにトスを上げる。その綺麗なフォームを、鮮やかなスパイクを見るために、あの人の手のひらへとボールを持っていく。
『あかーし、俺と付き合って!!』
中学3年の時、初めて木兎さんのプレーを見た。心の底から純粋にバレーを楽しんでいて、コートの誰よりもきらきらと輝いていた。そこから、どれだけその言葉を待ちわびたことか。あの人はきっと考えもしていないだろう。でも、確かに俺の恋人は木兎さんで、木兎さんの恋人は俺なのだ。
『あかーしナイストス!!そんで今日も俺最強!!!』
その明るい声は、前向きな言葉は、熱い視線は、一体どれだけ俺の、チームの背中を押しただろう。
「京治」
ああ、でも。その明るい、明るすぎるあなたの光は、同時に暗く深すぎる闇も生んでしまった。
「京治」
どうして?ああ、本当にどうしてなのだろう。
「おい、京治」
俺はどうして、いつもあなたに迷惑ばかりかけているのに、その隣にいつまでも居続けられると思ったのだろう。
「ねえって京治、聞いてんの?」
誰よりも綺麗で、深い闇が俺に触れる。白い肌に、黒々としてうねった髪。明るいライトグリーンとイエローのグラデーションを纏うその体躯は均整がとれ筋肉質で、俺では到底敵いそうもない。
「…聞いてる」
俺の一番大事な、命と言ってもいいものに、木兎さん以外の手が触れる。徐々に指が絡まって、顔と顔が近づく。ぎり、と俺の手を握る力が強くなったかと思えば、それは加減を知らず増大して、一切を壊していく。
「なんだ、聞いてるんじゃん。ねえ、なんで梟谷にいるの?なんで俺以外のやつにトス上げてんの?なんで俺以外と付き合ったりしてんの?ねえ──」
俺のために生きてくれない京治なんて、いらないよ?
「──っ…♡」
ああ、どうしようもなく、俺は愚かだ。
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放課後の校舎はなんとなくノスタルジーに包まれ、それを柔らかな夕日が鮮やかな緋色に彩っている。部室へと続く廊下から見下ろすグラウンドは、運動部の生徒たちのランニングで舞い上がった土埃が蔓延し、煙たい独特の空気を漂わせていた。特にすることもないが家には帰りづらくて、小さく軋んだ右手の感覚で、明日は雨だな、なんて意味もなく思ったりする。
「あ、赤葦いた!木兎が探してたぞー」
「木葉さん、俺はもう…」
片手を上げて近付いてきた木葉さんにそう呟くと、その視線は俺の右手に向かう。俺の利き手であり、トスを上げるための手であり、今はもう動かない右手。気まずい沈黙に耐えかねて、木葉さんはため息を吐いた。
「…あのな、俺らも木兎も、お前がトスを上げようが上げられなかろうが、そんなことは知ったことじゃねえの。木兎には、俺たちには、…梟谷には、お前が必要なんだ」
色素の薄い目の中に、真白の包帯がちらりと映る。微かな嘆息とともに零れた本音は、俺の耳には届いても心まではもう入り込むことはない。
「その気持ちは嬉しいです。でも、俺はもうなにも木葉さんたちにすることができません。もうあそこにいる価値なんてないんです」
「そんなことっ…!」
木葉さんが声を荒げかけた時、俺のスマホが振動し呼び出し音が鳴った。反射的に左手だけで画面のロックを解除し、相手の名前を確認する。
「…佐久早、」
「っ赤葦!!」
木葉さんが叫んだ頃には、俺の指は通話ボタンをタップし耳元に当てていた。すぐさま、呪いのように低く優しい声が俺の中に流れ込んでくる。
『京治、ちゃんと俺のところに帰ってきてね』
周りの音が遠のいて、全身が金縛りにあったように動かなくなる。この命令に従えなければ、俺の存在価値はない。京治、ともう一度甘い声が答えを求めて俺の名前を囁いた。
「…わか、った」
「赤葦!!」
『ああ、誰かいるの?話聞くから代わってあげて?』
大きな声と佐久早の指示でふっと意識が現実に引き戻されて、スマホを耳元から離す。ゆっくりと差し出した端末が木葉さんの手に渡ると、妙な虚脱感でずるりと壁際に座り込んでしまった。一瞬木葉さんがこっちを見たような気がして顔を上げると、感情をどこかに置いてきたような透明な表情の木葉さんが、音声をスピーカーに設定しながらどこか虚ろな目で通話中の画面を見つめていた。
「…もしもし」
緩やかに耳元へと上げられた手に握られたスマホはどこか頼りなさげに揺れていて、それが木葉さんの手の震えだと気付くのにそう時間は掛からなかった。
『あ、梟谷の人か。木兎くんじゃないんだね』
控えめに設定されたスピーカー音量ではあの独特の舐るような響きは聞き取れなくて、なんとなく佐久早ではない人のもののように聞こえる。緊張からか、木葉さんはスマホを持っていない方の手で制服の裾を掴んでいて、シワになりそうなほど強く握られたそこが小さく衣擦れの音を立てた。
「…赤葦に…一体なにをした、佐久早」
『そんなこと?俺にトス上げない手なんか、いらないでしょ』
からかうように、それでいて絶対の自信を持って当たり前の事のように答えた佐久早に、ふざけるな、と小さく、それでいて強く木葉さんが言った。その言葉に一体どれだけの感情が籠っていたか俺には分からないのに、微かに頭が痛んだ。強く握られた制服に汗が滲んで、手の震えが大きくなって、倒れるのを防ぐように壁にもたれて、それでも絶対に俺に手を差し伸べ続け、佐久早と1人戦っていた。でも、そんな歪な防御にはすぐに限界が訪れる。木葉さんは優しい。時々優し過ぎると思うほどに優しい。だからこそ、あの佐久早の前にそう何分も立ち続けられるわけがない。
『もう終わり?』
「…っ、」
何かを言おうとした口が酸素を求めてはくはくと開いて、閉じて、端正な顔がくしゃりと歪んだ。その場にしゃがみ込んだと思うと、そのまま倒れて手からスマホが零れ落ちた。苦しそうな息と猫のように丸まった体が痛々しくて、見ている方も息苦しくなってくる。
「っ、あか、し…っ」
立ち上がってスマホを拾い上げると、震えた声が俺を呼んだ。荒く浅い呼吸音がそれを追いかけるように俺の耳に入って、助けを求めるように手が伸ばされる。反射的に、なにも考える間もなく体が動いた。
「木葉さん、」
『京治、ほっといて』
「…ぁ、っ」
それに指先が届く寸前に、手に握ったスマホから拒絶を命令される。また体が動かなくなって、上手く息ができなくなる。ああ、また俺は、どうしたらいい?どうしたら──
「た、すけ…っ」
ごめんなさい、と小さく呟いて手を握ると、佐久早が息を呑む気配がして、木葉さんの体が震えた。
「あか、ぁし…ったすけて、っ」
『京治、!』
2つの声が頭の中で反響して、吐き気を催す。震える指で通話の終了ボタンを押し、すぐに電源を切ってポケットに落とした。その小さな音と同時に、木葉さんの体が大きく跳ねる。まだ浅い呼吸と脈拍を確認して、俺は初めて佐久早の命令に逆らった。
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木葉side.
赤葦が部活に来なくなって1週間が経ち、目に見えて木兎の調子が下がっていく。しかもそれが何日も続いてくれば、それをフォローする部員の気力も相対的に尽きてくるわけで、梟谷バレー部はかつてない程暗い雰囲気に包まれていた。
「このは〜…もう俺にボール寄越すんじゃねー…」
しょぼくれる時のボールを拒否する声ですら覇気がなくなって、かつてなく沈んだ木兎に俺はなす術もなかった。
『…木葉お前、もう諦めろよ。そんなことしたって、赤葦が戻ってくるわけじゃないんだから』
『もう後は赤葦次第、って感じだよな〜、打つ手なしだわ』
『……これ以上は、お前が壊れちまう』
どうして?そんな疑問が止まらない。誰ももう、赤葦が戻って来るなんて思っていなかった。もう、誰一人。
『もう終わり?』
そう言ってあいつは俺を鼻で笑った。俺は反論しようとして、もう何も俺には残っていないことに気付いた。一度意識してしまえばその影はとどまることを知らずどこまでも広がって、俺の心を暗く、黒く塗り潰していく。どんどん息ができなくなって、苦しいしか考えられなくなる。ああ、赤葦が何か言ってる。きっと俺への餞別だろうな。俺、何一つお前にいいところ見せられなかったよな、ごめん。迷惑もいっぱいかけて、木兎のしょぼくれモードなんてほぼ毎回押しつけていたけど、お前は何でもいつでも嫌な顔をしながらも全部やってくれてたのに。俺は、俺たちはお前になにもできないままだった。ごめん。ほんとに、ごめんな。
「……ん。……さん。こ……さん。……木葉さん!」
「っ、…!?あか、ぁし…、?」
急に名前を呼ばれて、慌てて飛び起きる。そこは学校の保健室で、真っ白なベッドに寝かされた俺を赤葦が心配そうに見ていた。名前を呼んだ声は思いのほか掠れていて小さくて、でもそんな声を拾って赤葦は安心したように微笑んだ。
「よかった…佐久早は木兎さんが押さえてるので、木葉さんは寝てて大丈夫ですよ。すみません…俺のせいで巻き込んで…」
「あかあし、…俺、大丈夫だから…っ、」
脳裏にあのねっとりとした死ぬ程気色の悪い響きを持った声がちらついて、声が震える。心底辛そうな赤葦の表情が、奴がどれだけの傷を赤葦に与えたのかをこれ以上ないほど雄弁に語っていた。少し沈黙が続いて、もうそろそろ木兎も戻ってくるかという頃になって、神様は俺たちからふいと目を逸らす。がらりと音を立ててドアを開けたのは、俺たちの敵だった。
「おいで、けーじ」
「…ぇ」
その時の赤葦の表情は、きっといつになっても忘れることはできないだろう。飼い慣らされた鳥は所詮鳥籠の中の生き物なのだと思い知らされて、絶望と、ほんの少しの喜色と期待が滲んだ瞳が、もう俺ではなく佐久早だけを見つめていた。人に慣れてしまって、本能の鈍りきった鳥は、猟銃を構えた人間にまでも喜んでその肩口へ留まってやるのだろう。そんな姿の赤葦は知らない。他校のエースに、ましてや己を壊すようなことをした奴に、喜んで抱きしめられる赤葦なんて、知りたくなかった。
「…な、んで俺……っ佐久早、はなしっ…!」
「だ〜め♡京治すぐ逃げるでしょ、?あと、『佐久早』じゃなくて『聖臣』。何回も教えたよね、京治」
ぁ、と甘く掠れたような腑抜けた声を出して快楽へ身を委ねる赤葦を、俺はどこか他人事のように眺めていた。普段なら吐き気を催す他人のベタつきも、時折向けられる身の凍るような視線も、今の俺にはどうも響かない。まるで外部からの情報を感情に反映する何かが壊れてしまったように、俺はその場で硬直する。
「それじゃ、行こっか。俺の京治♡」
「……は、ぃ…♡」
誰もいなくなった保健室で、俺はしばらく、というかほぼ部活も木兎の自主練も終わる時間まで、ひとりぼーっと時計の秒針を眺め続けていたらしい。勿論自分ではそんな感覚はなくて、ものの10分くらいの気でいたのだが、どうやらそうではなかったらしい。様子を見に来た木兎が震え上がって監督に泣きつく程には胡乱な顔でずっと見ていたのだそうだ。──ああ、佐久早、こいつは化け物だ。己の手に入れたいと思ったもののために、その周囲も、本人ですらも、迷うことなく傷つけてしまえる。そんな化け物に少しでも立ち向かった俺を褒めてほしい。
「……ふ、っ…ふ、あははっ…あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」
ねえ、もう全部、終わりにしていい?
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木兎side.
佐久早に負け赤葦を取られて、作戦考案という名のふて寝をしていると、ふいにスマホが鳴った。正直めんどくさかったけど、何となく嫌な予感がして発信主の名前を見る。
「…木葉か……、まあ、出よ」
『──っ、木兎くん…で合ってるかな』
通話ボタンを押した瞬間、聞こえたのは女の啜り泣くような声と、木葉より幾分か低い男の声だった。嫌な汗が全身から噴き出して、死ぬ程気持ちが悪い。震える手を軽く開閉して、さらに深呼吸してからスマホを握り直す。
「合ってる…けど。俺が木兎光太郎です。えっと、そっちは…」
『あ、あぁ、ごめんね、申し遅れました、秋紀の父です。君たちにとっては…「木葉」の方が耳馴染みがいいかな』
その震えた声が、どもった口調が、いやな予感を助長する。それでも、どうしたんですか、と聞いた己の声が震えていたのには驚いた。人生この方、喋らないか叫ぶか凄むか泣くかしかしてこなかったような俺が、泣きもせず、かと言って脅すでもなく、ただ話を聞いている。
『…実は、その。木葉が…学校の屋上から、飛び降りて…っ』
「うん、いーよ、ゆっくりで。俺暇だもん」
かち、かち、と怠惰に進む秒針の音がやけに頭に響いて、吐き気を催した。ありがとう、と消え入りそうな声で言った木葉のお父さんは、そこからはもうほとんど詰まることなく気でも狂ったかのように話し始めた。ずっと代わり映えせず一様な話を聞き続けるのがこの時だけは辛くなくて、話は同じところを回っていたけれど俺の思考はその先を考えていた。
「…あのさ、木葉って、今、どーしてる、?」
え?とスマホの向こうで戸惑ったような声がした。ずっと泣いていた女の人の声が微かに聞こえて、この人には伝わったんだろうな、と勝手に思う。
『え、えぇっと…妻が言うには、落ちてからも暫くずっとうわごとみたいに誰かの名前を呟いていたみたいで…確か、「アカアシ」、?とか言ったかな…木兎くんたちの同級生?』
本当に、不注意な自分が嫌になる。全ての最悪が揃ったこの状況でお前は一体俺に、俺たちに、どうしろっていうんだ、佐久早。
「…いや、おんなじバレー部の後輩。2年のセッターなの。今ちょっと事情があって来れてないんだけど…木葉は赤葦が戻ってくれるようにって色々頑張ってたみたいだから…」
それとなく言い訳がましくなってしまった言い方には気付かれてしまったようで、「もうないの?」とでも言いたそうな沈黙が続いた。しかしそれを破ったのは向こうで、そういうのができるのが大人なんだろうなとなんとなく思った。
『…そうか。ごめんね木兎くん、こんな時間に…。ありがとう、おかげで随分…気持ちの整理がついてきた』
「…こっちこそ、教えてくれてありがと。他の部員にも俺から話しとくから、気にしないで」
『ああ、ああ…本当にありがとう…!』
最後はほとんど泣いたような嗚咽混じりの声で別れを告げて、木葉のお父さんは電話を切った。妙にしんとした部屋で、ぐらりと視界が傾いた。慌ててベッドに手をついたものの、それにも力が入らず、くたりとシーツに突っ伏してしまう。鼻が押さえつけられて息苦しくなって、赤葦も木葉もこんな気持ちだったのかな、なんて思ったら、なんとなく笑いがこみ上げてきた。
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佐久早side.
「んぁ“ッッ!?//♡♡っや、…あ“ぁ“ぁ“、ッッ“〜〜!//♡♡」
俺の部屋に、恋人が居る。俺の下で、俺のを咥えて、俺に犯されて京治が鳴いている。何度痛めつけても、何度冷たくしても、上目遣いですり寄ってくる魔性の男。だから俺も、もうお前を離さない。
「けーじ、ッ♡♡ナカ、出すよ…っ♡♡」
「へ…ぇ“ッッ//♡♡やっ、ぬい…ッッ“〜〜!//♡♡」
「…ははっ、かわい〜……殺しちゃいたいくらい…大好きだよ、京治…♡♡」
ねえ、知ってた?本当に壊れた人間は、周りの人間を巻き込むんだよ。
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はい、約6000文字お疲れ様でした〜!
俺も疲れた((
頑張ったぜ(≧∇≦)/
多分ないと思うけど誤字・脱字あったら教えて!
よかったら、ハート、フォロー、コメントよろしくね〜ん((殴
【事務連絡】
え〜、学校のタブレットで入れなくなりました、浮上できる時間が圧倒的に減るので、小説制作も絵の方の投稿もすごくゆっくりになってしまうと思います…。でも一応、卒業までには自分のスマホ手に入れる予定(旧中2、新中3です)なので、そしたら絵は描けるようになると思います!俺のできる限りで皆様に尊いをお届けしますので、気長に待っていただければ幸いです。
それじゃ〜おつかれ〜
コメント
10件
まっじで最高(⑉゚ii ゚⑉)ブォォォ〜🩸全体的に不穏な雰囲気なのがまじで好き😻🩷重めの愛っていうのか?まあそんな感じのほんとに好き!!あと最後のシーンも最高👍シーツになりた𝘪((((((((((
やばやばけーじ かわいすぎぃぃぃぃ!!