テラーノベル
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昼休み。
みんなが文化祭の話で盛り上がっている。
政宗は机に頬杖をつきながら窓の外を眺める。
政宗(心の声)
(最初はな)
(みんなと同じ二つの目が良かったけどな)
賑やかな教室の音が少し遠くなる。
回想
まだ小さい頃。
学校の帰り道。
子どもA
「あの眼帯何?」
子どもB
「痛そう」
子どもC
「見えないの?」
幼い政宗
「……」
家に帰る。
カバンを置く。
いつもみたいに元気がない。
鏡の前。
政宗
「……」
眼帯を見つめる。
政宗
「なんで俺だけなんだろ」
小さな声。
翌日。
みんなが運動場で遊んでいる。
友達
「政宗ー!」
政宗
「ん?」
友達
「鬼ごっこやろうぜ!」
政宗
「……」
少し迷う。
友達
「早く!」
政宗
「……分かった!」
ダッシュ。
友達
「速っ!」
政宗
「はははは!!」
転ぶ。
友達
「大丈夫か!?」
政宗
「平気平気!」
笑う。
その時。
政宗は気付く。
目が一つでも。
笑える。
走れる。
友達と遊べる。
全部なくなったわけじゃない。
301
367
#恋愛
十色
196
82
回想終了
教室
女子A
「伊達?」
政宗
「ん?」
女子A
「またぼーっとしてる」
政宗
「してない」
友達A
「してた」
女子B
「してた」
小十郎
「してました」
政宗
「全員一致やめろ」
政宗(心の声)
(まあ)
(今でも二つあったら便利だったとは思うけど)
政宗(心の声)
(今の俺は今の俺だしな)
小十郎
「何か良いことでもありましたか」
政宗
「別に?」
小十郎
「顔が笑ってます」
政宗
「そうか?」
友達A
「めっちゃ笑ってる」
女子A
「珍しく静かに笑ってる」
政宗
「うるさいな」
少し照れながら笑う。
女子B
「文化祭楽しみになった?」
政宗
「それはならない」
女子A
「メイド!」
政宗
「だからやめろぉぉぉ!!」
友達A
「感動的な空気が3秒で終わった」
小十郎
「いつものことです」
そして今日も、政宗の平和な(平和ではない)学園生活は続くのであった。
コメント
1件
うわ、良い話でした……! 眼帯のことで悩んでた幼い頃の政宗くんと、今の「俺は俺」って言い切れる政宗くんの対比が沁みましたね。「目が一つでも笑える、走れる、友達と遊べる——全部なくなったわけじゃない」って気付くシーン、すごく好きです。そこから教室の賑やかな日常に戻って、小十郎に「顔が笑ってます」って言われる流れが自然で、あたたかい気持ちになりました。文化祭のメイド話で怒ってるのも含めて、今の政宗くんがちゃんと今を生きてるんだなって。また続きも読ませてくださいね!