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「気味が悪い」
「産まなきゃ良かった」
これは私が幼い頃、母から言われ続けた言葉_______
私の名は桜葉 栞里
今日から新しい学校に通う
祖母「栞里ちゃん制服似合ってるよ〜」笑
栞里『ありがとう御座います』ニコッ
また、、居る
栞里『お祖母さん、肩揉みしますね』
祖母「えっ時間は大丈夫なのかい?!」
栞里『今日は張り切って早起きしたので大丈夫ですよ』ニコ
私はそう言うと祖母の肩を揉むふりをして、
肩に居るモノをはらい落とす
私は昔から人とは掛け離れた存在が見える
その存在は沢山居て、
悪いやつも
大丈夫なやつも
黒いのも
変な形のやつも居る
その存在を何なのか私は知らない。
でも、父なら知っていただろう
父は冒険家だったらしい
このご時世だと笑われる職
私も実際半信半疑だ
理由は、私が父を知らないからだ
私が生まれてすごに事故で亡くなったらしい
そしてあの女も5年前に死んだ
祖母「栞里ちゃんの肩揉みは効くよ〜」
栞里『それは良かったです』笑
栞里『お祖母さん、行ってきます』
祖母「行ってらっしゃい。気をつけて行くんだよ」
顔の横で手を振る祖母に手を振り返す
春まで通っていた学校を退学し、東京の父方の祖父母の家の近くにある学校に転校する。理由は……………
まぁ色々とある
今日はその初登校の日だ
太陽はキラキラと私を溶かしてくる。
額は輝り、シャツが体に張り付く
青々とした木々には虫達が集まり、戯れる。
そのせいか余計に暑く感じてしまう
学校と祖父母の家は近く、自転車登校はしないことになっている
お陰で余計に暑い
そんな不満も束の間、学校の門を前に今にも心臓が口から飛び出しそうな感覚を抑え、生唾を飲む
息がしにくい
冷汗が止まらない
怖い
そんな感情に蓋をし、
1つ深呼吸をして、一歩踏み出した
担任「お前ら〜席付け〜
今日から一緒に授業を受けることになった………名前何だっけ?」
栞里『(生徒の名前忘れるなんて……)』
私はこの風雅黎明学園の中等部一年五組になった
職員室からもだったが、初めに見た担任の印象はやはり【マイペース】 だった
それは教室に入っても変わらず、
本当のマイペースなようで、大丈夫なのかと不安が募る一方
女子「センセー最低ーwww」笑
男子「センセーって何で教師なったのww」
担任「うるせぇよ、自分で自己紹介できる?」
栞里『はい。初めまして、桜葉栞里です。宜しくお願いします 』
担任「だそうだ。仲良くな」
全員「うーい」
「ねぇどこから来たの?」
「何でこの学校選んだの?」
「肌きれー」
「放課後この辺案内しようか?」
朝礼後の質問攻め
私が転校生なのも有るだろう
クラスの大半は気になって、私の机の周りは人で埋め尽くされた
怖い、、来ないで、離れてよ
我慢が出来なくなりそうになり、
勢いの余り「ガタン」なんて音を立てて席を立ち上がる
「!ビックリした。どうしたの?」
私の様子を見たせいだろう
冷汗が頬を伝い、息は荒れ、きっと顔色も悪くなっている
そう思った私は一度顔をリセットするために
栞里『すみません、少し校内を探索してきます』ニコ
なんて言い訳を言ってしまう
「なら私案内しよっか?」
「あっ私も行きたーい」
「俺も」
「男子は駄目ーw」
「はぁ?!」
言い方が悪かったのかもしれない
皆優しい。この学校に不慣れな私を気遣っているのだろう
だからこそ断りにくい
そんな優しさすら私にはアレが近づいて来るようにした見えない
栞里『ッ……』
ついに腕を掴まれてしまった。人前というのも有り、振り払うことも、動くことも出来ない
嫌、来ないで、、離して、離してよッ
「……」グイッ
栞里『えっ…』
突然手を引かれ、転びそうになり、目を瞑る
だが、衝撃は何時まで経ってもこず、恐る恐る眼を開けると、私は誰かに支えられていた。
上を見れば背の高いウルフカットの黒髪の男の子
驚いた
この人の周りにはアレが居なかった。
それ以上に
清く______
とても心地が良く感じた
それに私の腕を掴んでいたアレが一瞬にして黒い粒子になり、消えて逝った
「何だよ 霊楊」
霊楊「俺“等”が案内する。ほら走って」グイッ
栞里『えっちょっ待ッ』
霊楊「ここまで来れば大丈夫だろ。君、大丈夫………じゃなさそうだな」
栞里『ゼェゼェゼェ(何なのこの人!?)』
彼に手を引かれ走った。
日頃運動なんかしない私は直ぐにへばって息を切らしてしまう
落ち着くために壁に寄り掛かりながら、ずるずると床に座り込む
栞里『………フゥーー』
暫くして落ち着き、細く長い息を吐く
そうしたら彼は
霊楊「ごめん加減してなかった。
ほらそこじゃなくて、ここ座って。新品のスカートとか汚れるから」
と、まぁ甘い言葉を吐く
女慣れしているのだろうか?
妙に慣れた対応と言葉に自然とそう思ってしまう
栞里『………ありがとう御座います』
三拍ほどおいて、そう答えると彼はまた黙った
私はこの容姿だけで女の子20人は墜ちるんじゃないかと思ったが……
その先を考えるのを辞めて、彼が動くのをじっと待つ
霊楊「んっ、俺とあと弟が案内するから」
栞里『はぁ…』
弟、、双子なのかな
彼は私と同じクラス。
それにこの学校は中高一貫校。だから双子なのだろうと勝手に妄想する
霊楊「俺は霊楊清透。宜しく」
栞里『私は((知ってる
栞里『なら、よろし((
「ハァハァハァ清透!!見える子が居るってマジ!!?」
霊楊「五月蝿い。雪雫」
栞里『(何か増えた……、)』
雪雫「もしかして君?へぇ可愛い、しかも凄いね君!」
早口で“凄いね”なんて事やわ言われ、私は疑問しか頭に浮かばなかった
栞里『あのっ、何の事ですか? 』
雪雫「あっごめんごめん」笑
雪雫「俺、清透の弟の雪雫。宜しくね!!ガシッ
俺、12歳だけど早期入学して一年早めに入学してんの!!」ニカッ
それは聞いてない……
初対面にして、私の手を両手でしっかりと握り、上下に振り始めた
兄と同じ黒髪に、短髪の癖のある髪が良く似合い、
八重歯がキラリと光る程こ笑顔、それと同じくらいの元気
だからか兄は冷静沈着。弟は明朗快活。
そんな感じで正反対な2人だと感じた
そう、弟を特に思わせるのは
“温かい” “熱い”
と感じるからだ
正気に戻り、感じた事を頭から消す
そしていつも通りの私に戻る
栞里『はぁ…… 』
霊楊「ごめんね。五月蝿い弟だけど、根は良い奴だから安心して」
栞里『そう』
霊楊「あんまり五月蝿かったら殴るから遠慮せずに言って」
殴るんだ………痛そう
そう思いながらも私は
栞里『分かりました』
と悪ノリで承諾する
雪雫「そこは遠慮してよ!!」
霊楊「行くよ桜葉さん」
栞里『どこに?』
霊楊「?」
霊楊「学校の案内」
………忘れてた