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お母さんが何を言っているのか分からなかった。けれど、無慈悲にも私の頭は、現実を理解しようとしていた。私が転校してからみさきが亡くなった。つまり、みさきは私が転校したことによって、いじめの標的になったのだ。さまざまな思考が頭の中を駆け巡る。どうしたらいいのか分からなかった。涙が溢れた。けれど、どれだけ泣いてもみさきが死んでしまった事実は消えない。その夜、私は一度脱いだ制服をもう一度着て、みさきのお通夜に行った。けれど、そこにはみさきはいなかった。どうやら、みさきの遺体は警察の方が持って行ったらしい。お通夜には、前の学校の同級生の男の子がいた。その男の子はひどく落ち込んでいた。その表情はまるで、自分がみさきを殺してしまったかのような、深刻な表情だった。そして、着物を着たお寺の人達が入ってきて、座布団に座りお経を唱え始めた。けれど、私は何も考えることができなかった。お経が終わり、お通夜も終わった。私は家に帰った後、みさきと小学校の頃よく遊んだ公園に行った。季節は春から夏に変わろうとしていた。空には夏の大三角がうっすら見えた。そんな中、私は一人涙をこぼした。みさきが死んでからも、私の生活は変わったことはなかった。けれど、私の心は体の中に見当たらなかった。