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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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今回のテーマはえっちなこと知っちゃった世界線のエリスです。





今日は珍しくエリスの方が早く起きた。昨日バーでブロくん達と飲んでて夜遅くまで帰ってこなかったのに。リビングでソファに座ってぼーっとテーブルを眺めてるエリスを発見した。ウィンドウも付けていなかった。


「おはようエリス。」


そう声をかけると彼はびくりと跳ね、僕の方をぎこちなく見てからか細い声で「お、おはよう…」と挨拶を返した。顔を真っ赤にして恥ずかしそうに眉を下げてた。

脳内がはてなマークでいっぱいになった。

これは確実に、何かあった。


「…エリス…?」

「な、何…?」


小さく細かく震える彼の目線は若干下を向いている。


「何かあった…?」

「な、なんも!なんもないよーーー!なんもない!よ!よーーー!」


両手をぶんぶん左右に振りながら変な喋り方で隠してくる。嘘つけ、そんなわけないだろ。


「ねえ、僕相談に乗るよ…?何があったの…?」


エリスはしばらく黙っていた。忙しなく部屋の色々なところに視線をやりながら。そして僕に近くに来るよう手招きして、ようやく話し始めた。


「あのな…」



「昨日の晩ブロとリーズルにえっちなこと教わったんだ…」



あまりに衝撃的だったもんでしばらく声が出なかった。何そのちょっと尊い展開。ようやく絞り出せた音は「え」だけだった。エリスはさらに顔を赤くして目に涙を浮かべていた。


「わ、え、な、泣かないで、大丈夫!大丈夫だから!」

「だって…だって…子供ってせっくすしたらできるんだろ…?」

「えっっっ」

「まんこにちんこ入れるのがせっくすなんだろ…?」

「でも男同士でもせっくすできるんだろ…?!」

「男のちんこって子供作れるんだろ…?!! 」

「待って!!!!ちょっと待って!!!!!!」


立て続けにまくしたてるエリスを制止して、どうにかなだめる。しゃくりあげながら啜り泣くエリスを慰めながら、ブロくんとリーズルくんを少し恨む。何やってんだなんで一気に全部教えたんだ。


「レグも子供作れるんだろ…?」

「え…?まあ…うん…?」


答えた途端エリスは飛び退き、僕から距離をとった。そして急いで自室へ逃げていった。

とりあえずリーズルくんたちは叱ろう。




ブロと一緒にレグに呼び出された。なぜかブロは謎の紙袋を持っていた。かなり怒っている。アパートの部屋に入った瞬間正座させられた。


「なんでエリスに全部教えたの」


ああ、あれか。エリスがなんかしたから怒ってんのか。あいつレイプか逆レでもしたのか?

にしても昨日のはまじで傑作だったな。

酔った勢いだったにしても性教育と銘打ってエリスに俺らが知る限りの性知識を全て叩き込んだ。あいつ、顔赤くしながら聞き入ってたし俺らの体験談聞き始めてしばらくしたあたりで恥ずかしかったのか知らんが泣きながら店飛び出して逃げ帰ったし。

ブロの方を見るとめんどくさそうに半目でまばたきをしていた。


「あいつにだっていつかは性教育しなきゃだろ?」

「そうだけどさ…なんでそんな一気に…?もうちょっと、あの、少しずつやればいいでしょ…」

「酔った勢いに任せてたからしょうがねえだろ。」


呆れたようにため息をつくレグを見ながら、ようやくブロが口を開いた。


「ドMなお前のためにSMも教えといたから感謝しろよ。」


彼がそう言ったら赤面してレグは動きを止めた。多分性癖がばれた焦りとマゾ本能が働いたんだろう。お前がマゾなことぐらい知ってるっつーの。


「と、とにかく!!!エリス部屋にこもっちゃったの君たちのせいだからね!」


なんだあいつが何かしでかしたわけじゃねえのか。ただ引きこもっただけかよ。


「そんじゃあいつの機嫌直すために俺からプレゼントでもやるかな。」


そう言ってブロが立ち上がった。エリスの部屋の前に向かうと扉をノックして、


「おーいエリス、俺だ、ブロだ。昨日は悪かった。お詫びにプレゼントやるから機嫌直せ。」


と言った。そしたら扉が少し開いて、黄色い腕が出てきた。ブロが差し出した紙袋を受け取ると、腕を引っ込めて扉が閉まった。

すぐに部屋から紙袋の中の物品を取り出す音が聞こえ、直後にそれらが投げつけられ扉にぶつかる音が聞こえた。


「…何渡したんだ?」


俺がそう訊くと、


「オナホとディルド」


とブロは答えた。俺は吹き出してしまった。レグは渋い顔をしていた。

エリスの兄貴にバレたら死ぬな俺らw

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