コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「もー! 何で急に降ってきたの……」
 「出掛けるときは良い天気だったのにな」
 濡れ鼠な二人は玄関に転がり込むなり不満を漏らす。よりにもよって雨宿りできる場所が無い時にバケツをひっくり返した様な雨が降ってきてしまい、ちょうど坂を登るはずだった二人は、坂から自分達に押し寄せる水に逆らいながら走って帰ってきたのだ。
 「良かった、中身は濡れてないみたい」
 ランジェリーの入った紙袋の中身を確認し、心なしか嬉しそうにつぶやく百子を陽翔は一瞥したが、すぐに顔を赤くして目をそらす。Tシャツがうっすらと百子の肌色と、彼女のブラジャーに包まれた胸の形や腰のくびれを写しているからだった。
 「百子、風呂沸かすから入れ。風邪ひくぞ」
 陽翔は百子に背を向け、やや上ずった声でそう告げる。百子が安堵してありがとうと言うのを右手を上げて答え、すぐにリビングに消える。それを見届けた百子はぶるりと身を震わせ、紙袋を寝室に置き、そのまま浴室に駆け込んだ。お湯がまだ張られていないので、頭からシャワーを被って冷えた体を温める。
 「それにしてもすごい雨だったね」
 「そうだな。雷も鳴ってたし」
 百子の背中を冷えた風が撫でたと思えば、陽翔が百子の呟きに答える。彼女は後ろを向くや否や、陽翔の両手が腰に回り、温かくしっとりした肌色が彼女を包み込んだ。
 「え、待って。何で入ってきたの」
 裸眼の陽翔と目が合って、百子の頬に朱がさした。抱きしめられて自分の心臓が歓喜と羞恥で高鳴ってしまい、陽翔の胸を手で押しのけようとしてもびくともしなかった。日頃から筋トレをしている陽翔に百子が敵うはずも無い。
 「だって俺も寒いし」
 そう言って陽翔は百子を抱きとめる腕に力を込める。濡れ鼠になって冷えていた体が、お互いの体温を分け合って混ざり合い、あっという間に火照っていく。
 「ちょっ、恥ずかしいわ……一緒にお風呂なんて」
 自分の下腹部に固くて熱い物が当たってることに気づいた百子は身をよじる。陽翔は腕を緩め、百子を前に向かせてシャワーを浴びせた。
 「もっと恥ずかしいことをした仲なのにか? 今更だろ。俺はずっと一緒に百子と風呂入りたかったけどな」
 陽翔は彼女の耳元でそっと囁きながら、そのまま百子の濡れた柔らかな双丘に、腹に、太ももに、手に取ったボディーソープをゆっくりと塗りたくってゆく。
 「え、待って、自分で洗える……っ! んんっ!」
 百子の抗議の声は陽翔の口の中に消えてしまう。唇を、舌を、歯列を丹念に彼の舌でなぞられ、くぐもった声すら陽翔の舌に絡めとられる。
 「こうした方が温まるだろ?」
 陽翔は百子の首筋を、鎖骨を丹念に舐め回しながら彼女の腹に、脇腹に手を這わせる。くすぐったいのか百子が笑うので、彼女に見せつけるように胸を下から持ち上げるように触れる。だが薔薇の香りのボディーソープの滑りが良いために、陽翔の指が彼女の胸の蕾を掠めた。
 「ひゃっ! あっ!」
 既に固くなっているそれに触れられ、百子は高い声を上げたが、風呂場に反響してしまって思わず口元を押さえる。
 「何で声抑えんだよ」
 陽翔が不満そうに口にするので、百子は首を降ってぼそりとつぶやいた。
 「だって……声が響くじゃない……ひうっ!」
 「こんな真っ昼間なんだから俺しか聞いてねえよ。もっと聞かせてくれ」
 陽翔は百子の双丘を両手で包み込み、きゅっと唐突に彼女の蕾をつまみ上げ、彼女の首筋に吸い付いた。
 「あああっ!」
 百子は体を反らせて声を上げ、陽翔の腕にしがみつく。彼の手で双丘が揉みしだかれ、形を変えるのを見るのは、百子の羞恥を上回るほど官能を掻き立てられた。それは陽翔も同じようで、背中に先程から当たっている彼の熱く固い物の主張が強くなっているのを百子は感じ取る。
 (陽翔の指が滑って……気持ちいい……)
 ボディーソープ塗れのその指は双丘の蕾を弄っているが、ぬるぬるとしたその感触のせいで何度も中心を外してしまう。いつもと違うその刺激に、百子はもはや声を抑えることができなくなっていた。
 「んっ……ふ……」
 百子は蕾が彼の手で翻弄されている間に、陽翔に唇を奪われていた。彼の背中いっぱいに感じる熱と、不埒な指先と、熱心に自分の舌を追い求める彼の舌に散々翻弄され、百子は全身の力が抜けて彼に寄りかかった。
 「百子、かわいい」
 陽翔は百子の頬にキスを落とし、その体を抱き締める。彼女の呼吸が整うまで密着していた二人だが、百子が突然後ろを向いて欲しいと告げたのでそのとおりにしたら、今度は彼の背中に丸い2つの柔らかい物が触れてどきりとする。
 「動いたらだめよ」
 彼女のいたずらっぽい声が反響し、陽翔は百子に後ろから手を回された。陽翔の背中は大きく、百子の手が微妙に回りきらないが、百子はそのまま彼の腹筋を撫でる。ボディーソープをその手にまぶして。
 「百子、俺の筋肉が好きなのか?」
 百子は彼のしっとりとして弾力のある腹筋に指を這わせながら、そうよと答えた。陽翔としては百子に体を触られるのは嬉しい以外の何者でもないが、百子の両手が這いまわる間も、ずっと彼女の柔らかい胸の感触が陽翔の煩悩をくすぐるのだ。彼は先程よりも質量と熱を増した熱杭から蜜が溢れているのを見ていたが、突然彼女の指が胸の頂を捉えてうめき声が勝手に漏れた。
 「あれ、どこだっけ」
 百子が胸筋をまさぐっていると、偶然硬くなった頂きに触れて、百子は指先でちょんちょんと突いたりきゅっと摘んだりしてその感触を楽しむ。ボディーソープでぬるつくため、時々芯を外してしまうが、それすらも疼きに変わるようで、陽翔の低い声が風呂場に響く。もう片方の手は腹筋をそっと撫でていた。彼の低い声が上がる度に腹筋が固くなるため、その反応が愛おしく、百子はくすくすと笑う。