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「おはよう、って言っても君らから言ったら昼なのかな!」と俺の姿を見た瞬間彼は元気に話しかけてくる。炎天下のなか俺が向かった先は先日頭が壊れかけた祠がある場所だった
理由はこの六花とかいう神様だ
集まれる日は集まろうという約束を吹っかけてきて頭の回っていない俺はそれを了承してしまった
が、どうやら今日は俺と彼の二人だけのようだ
「アスマさん?とキウはどうしたんだ?」
「アスマは仕事キウはその付き添い」
アスマは声が聞こえないからねと付け足した
アスマさんは俺と同じ人間らしく社会人のようだ。会話が成り立たなければ仕事が出来ないため休みは定期的にとる予定らしいが仕事に行く時はキウを連れて行って意思疎通をおこなうらしい
「あの人本当に大変だな」
「そうだね。そう言うツクモは学生さん?」
「え、あぁ。そうだな」
「学校ってところは楽しい?」
楽しいそう聞かれるのはいつ以来だろうか。小学校低学年の時に親に聞かれたことしか覚えていない
しかし彼の目を見るに本気で聞いているのだろう。多分学ぶ意味が無いから妖怪には学校というの概念がないのかな
「楽しいかは分からないけど嫌だと思う人がほとんどだと思うぞ」
「嫌なの!?」
驚いた表情を浮かべる彼
それがどこか新鮮で少し笑ってしまう。普通こんな質問されないしこんな驚かれることもないだろう
「けど楽しいよ」
「へぇ」
自分の言いたいことは言えなかったり大変なこともあるけどたまに友達を話すために学校に行っていることがあるんだ
なんて六花に言っても分からないと思うけど苦しいけど辛いこともあるけど少し楽しいんだ
「なんで急にそんなことを聞いてきたんだ?」
「昔ね、妖怪が見える子供にあってさ。苦しんでたんだよね、友達も学校も家も居場所がなくて辛いって。僕はあの時どうしたら良かったのかな」
初めてこの人が儚く見えた。人のようなことを話しているのに見た目はこんなに神々しい
寂しそうなのに何故かそれがみんなが望んでいる神様のように見えた
あぁ、この目を人は慈愛に満ちた目とか言うんだ
「ツクモ?どうした!」
突然元気に話し出す彼に目を見開いた
どうやら何も言わない俺に違和感を感じたらしい
「いやなんでもない」
神様みたいだと思ったなんて言えない。貴方を初めて崇めたいと思ったなんて言えないだろう
「ほんとうにぃ?」
「気にしないで」
「嫌!気になるね!」
「知ってるかい?神様には心を読む力があるんだよ?読んであげようか?!」
「読んだ瞬間殴るぞ」
「神様を殴るとか罰当たりとは思わんか?!」
「人の心を読もうとするのは最早神とは言えないんじゃないか?」
「神の力があってこそだよ」
「無駄遣いって知ってるか?」
こんな明るい人が神様と崇められ称えられた。その事実だけでも少し笑ってしまいそうになる
なんかただの友達みたいだ
「みんなが僕みたいだと思わないでね」
彼の目を見ると淡く光っている。あぁなるほど心を読めるというのはこうゆう事か
「そうだよな。昨日の化け物みたいに襲ってくることもあるよな」
「殆どがそうだね。僕らが守りはする」
だけどとこれまでにないほど真剣な目で顔を上から覗き込まれた
「あんまり関わりすぎないようにして欲しい。人と妖怪はきっと関わってはいけないんだ」
「六花は嫌いなのか?」
どっちがとは言わなかった。言えなかった
「そんなことは無いよ。人も妖怪も好きだよ」
「けどきっと関わってはいけないんだ。人は人と妖怪は妖怪の世界だけで」
「じゃないときっと」
また悲しそうな目をするんだ。六花は限定的な言葉しか言わないで本質的なことを何も言ってくれない。それはきっととても悲しいことで彼は人と関わることで何かあったのだろう。だからこんなことを俺に言ってくれてるのだろう
「六花心配しないで、怖いこともあるけどこれがきっかけで六花と話せてる。何も悪いことだけじゃない」
「ありがとう六花」
あぁ心から感謝の言葉を言ったのはいつぶりだろうか。こんなに自分の思いを伝えられたのはいつぶりだろうか
「六花俺は折角だから知りたいよこの世界をもっと沢山」
「そっか、あんまり無理はしないでね」
「ありがとう。六花」
「もし全部辛くなってこの夏の記憶を忘れたくなったら僕に言って」
「あぁ、考えとく」
少し寂しく笑う彼に申し訳ないと思いつつも気を使うことがないこの世界が気になってしまった
「ツクモ、遊ぼ!」
笑って手を差し伸べる
「あぁいいよ」
「けどここに遊ぶものは無いけどさ」
「紙とかある?」
「御札なら」
そう言って取りだしたのは呪文が沢山書かれている紙だった。いや紙だけど
「なんであるんだよ!」
「だって僕神だよ?!」
「もうそれでいいよ!」
「なんでツクモが怒ってんだよ!」
と怒りながらも俺は神様に1つ遊びを教えようと思った
何人とでも楽しめる折り紙と言う遊びを
おまけ
「折り紙って難しいね。ここどうやって折るの?」
「飛行機で戸惑うことあるんだ」
「これ簡単な方なの?」
「幼稚園生でも折れるかな」
「ふーん、神様だから仕方ないね」
と言いながら目を輝かせていた
「難しい、けど楽しいね!これ」
そこには楽しそうに笑う俺の友人がいた
ーーー設定ーーー
六花
読み方はロッカ
彼の祠が集合場所となっている
一応神様のようで?