橙桃です。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
桃side
昼休み。唯一学校で橙と2人きりになれる時間。
結局橙とは両想いな筈なんだけど…まず妖怪と人間って恋できるのか?
そんなことを考えていると過ぎていく日々。
まぁ結ばれなかったとしてもずっと側にいれればそれで良いのだけど。
橙「あんまり学校で妖怪が出てくる事も減ったなぁ」
桃「確かに。結構倒したしね」
橙「まぁ前の妖人とアヤカシが倒した分もあるからな」
桃「でも意外だったな。花子さん恥ずかしがり屋で可愛かったw」
橙「な〜俺も予想外だったw……」
桃「…」
最近、橙の様子がおかしい。疲れているのかと思ってたけど本人は大丈夫って言ってたし……。
心配だな。
桃「あ、昼休み終わっちゃう」
橙「戻るか」
桃「うん」
廊下を歩いていると前からもう随分見慣れた顔が歩いてきた。
桃「あ、紫ーくん」
紫「やっほ〜」
桃「何処行くの?」
紫「お手洗い!」
桃「先教室行ってるね」
紫「うん!!」
橙「………」
橙…大丈夫かな。少しばかり顔色が悪い気がする。
紫「………札は?」
?「獲得済みです」
紫「そっか………じゃあ
始めようか。」
桃「…?!?!赤くなった…?!」
橙「……ッ何処や」
桃「上から声が……」
橙「屋上か……行くで」
桃「ッうん」
時無の術を使い、時間を止めたあと屋上に向かう。
キィィィ……
桃「?!?!でか……」
橙「………」
目の前には学校より大きい髑髏が。
この妖怪…俺でも分かる。確か「がしゃ髑髏」だよな…?
桃「こ…わ……」
橙「……何で…」
桃「え?」
橙「確かがしゃ髑髏は何億年も前に札に入れてあの世に送った筈なのに…何で蘇ってるんや……」
桃「え…?!?!」
それって札から出て来たってこと?
橙「札から妖怪が自分から出てくる事なんて不可能なのに…」
桃「だったら誰かが出て来るのを手伝ったってこと…?」
橙「まぁそう考えるのが妥当やな。取り敢えずこのまま放って置くわけにはいかへん。倒すで」
桃「…うん……」
橙「桃は扉の後ろに隠れて」
桃「分かった…」
怖いけど……橙がいるから大丈夫だよね?
カキンッッカキンッッ
さっきからずっと橙が短刀で戦っているけど…一方に終わる気配がしない。
橙「ハァハァ…ッぅぐっ………」
桃「橙ッ?!」
橙「だ…いじょ…うぶ……」
桃「でも…」
橙…苦しそう…最近調子が悪いのに……大丈夫かな。
橙は傷だらけなのに…俺は何も出来ない。
カキンッッカキンッッ
橙「クソッ切りがない……」
がしゃ髑髏「ガチガチ……」
橙「?!」
ドガッッッッ
橙「ゔッッ……」
桃「橙!!!」
橙「だ…めや…来んな……ッ」
桃「でも…!!!」
橙「だい…じょうぶやから…俺は…死なへんよ」
桃「橙………」
何で……俺は何も出来ないの?
橙だけ傷ついて…俺を守ってくれているのに
扉から身を乗り出す。
あれ…?がしゃ髑髏がいない…?
目の前には横たわっている橙だけ
何処に行ったんだ……?
………?
橙が何か叫んでいる。
………ろ…
に…げ…ろ………
橙「逃げろ…!!桃!!!」
桃「?!?!」
あ………やば…い……
目の前が暗くなる。そこで意識が途切れた。
………て……
……きて……
?「起きてください!!!」
桃「……?」
何処……ここ
辺りを見渡すと宙には着物の柄のような美しい模様が飛んでおり、幻想的な世界が広がっていた。
それにこの格好……女かよ。
淡い桃色の着物を纏った俺。何でこんな所にいるんだ?
?「全く……突然現れたかと思えば寝るなんて…マヌケですね」
桃「は?誰がマヌケだよ。てかここ何処」
?「それが人に聞く態度ですか?まぁ…良いでしょう。ここは境界です。あの世とこの世の狭間にある世界です」
桃「え…俺死んだの?」
?「正確に言うと瀕死状態ですね。ここである事を出来なかった場合、死に至ります」
桃「ある事って?」
?「大切な人の名前を思い出す事です」
大切な……人……
俺に…とっての……?
そんな人…いたかなぁ
?「5時間以内に思い出せなかった場合はあの世行きです」
桃「5時間………」
?「申し遅れました。僕は黄と申します。ここで境界の案内人をしております。」
桃「桃……です」
黄「桃さんですね。桃さんは誰か大切な人はいましたか?」
桃「……分らない」
大切な人………
1人1人顔を思い出す。
親友の青
育ててくれた母さん
大好きだったおばあちゃん
学校の友達
思い出せる限り思い出したつもりだ。
でも何故だろう。
1人。
誰か……忘れている気がする………
忘れてはいけない人………
あれは…………誰だった?
橙side
橙「桃………ックソ…!!」
がしゃ髑髏の口は境界に繋がっている。境界に入れば帰ってこれる可能性は低い。
大切な人を思い出す事が出来ないと帰ってこれないが境界ではその大切な人だけの記憶が無くなる。
橙「はやく…倒してッ行かないと……」
立ち上がり、短刀を構える。
ピンポイントで頭部を狙う。がしゃ髑髏は心臓が無い代わり、頭に魂が詰まっている。
骨だから硬いがそんなの関係無い。いち早く桃を助けに行かないと。
桃……お前の大切な人は誰なんや?
お願いだから………思い出してほしい
橙「…すぐに札に閉じ込めてやるよ」
頭に短刀を刺す。
ガッガッガッ
息などする暇は無い。ひたすら刃を刺す。割れろ。砕けろ。
ガッガッガッガツンッ
橙「よしっ…!!砕けた!!!」
割れた先にある魂を刺す。
がしゃ髑髏「グハッッッ…アガッ!!」
札を取り出し、翳す。
橙「怨敵退散」
スゥゥゥ…
橙「大人しく戻れよなッ」
終わった…いや、まだ終わっていない。
桃を助けに行かないと。でも…身体が動かない。
橙「ハァハァ…ヒュッ……」
動け。立ち上がれ。言う事を聞いてくれ。
キィィィ…
?「あっれ〜随分早かったね」
橙「…ハァ……ッぅグッ」
?「まぁまぁ動くなってwボロボロ何だから」
橙「桃……」
?「境界に行ったんだもん帰って来れるわけ無いでしょ?」
橙「俺が……助けに行くッ」
ドガッッッッ
腹を蹴飛ばされる。何度も何度も。
?「馬鹿じゃないの?こんな状態でよく言えるねまぁお前の勝手だけどw」
橙「アガッ…!!」
?「ほらほら〜助けに行くんじゃないの?」
橙「ぅぐっ……、赤…何で札から出したんや…ッ」
赤「あの妖人を殺すために決まってんでしょ?」
橙「…、お前ッ!!!」
赤「だから動くなって。だってお前__________
桃side
誰…?誰だ?
胸が苦しい。
あれから数時間、ずっと考えているがどうしても思い出せない。
時間が迫ってきているのに。
たった1人の大切な人。
ずっと側にいたいと思えた人。
桃「な、んで……ポロポロッ」
思い出したいのに…思い出せない
黄「…ずっと頭を抱えてたって簡単には思い出せません。少し休みましょう」
桃「で…も……時間が…」
黄「大丈夫ですよ。気分転換として昔話をしましょうか。桃さんは何故ここへ?」
桃「何故って……がしゃ髑髏に食べられて……」
がしゃ髑髏…?
それって…妖怪?
何で妖怪の話をしているんだ?
俺は妖怪に会ったことがあるのか?
自分で出した答えに引っかかる。俺…妖怪が見えていたのか?
桃「ねぇねぇおばあちゃん!」
祖母「どうしたんだい?」
桃「さっきからくろいやつがふわふわとんでいるの!」
祖母「ふふっそれはね妖怪っていうんだよ」
桃「ようかい?」
祖母「うん、妖怪はね桃にしか見えないんだ」
桃「ようかい、こわい?」
祖母「怖いかもしれないけど大丈夫。アヤカシ様が守ってくださるからね」
アヤカシ
俺は妖怪が見える妖人。
俺を守ってくれるのがアヤカシ。
俺のアヤカシは
優しくて少しチャラくて
でも真面目でカッコよくて、時々天然で
俺のために怒ってくれて
命をかけて守ってくれて
俺を好きでいてくれる
彼の名は
橙
桃「………橙」
黄「?」
桃「思い出した…!!!大切な人!橙だ!!」
黄「思い出せたのですね…良かったです」
桃「これで…帰れる……」
黄「………確か橙さんってアヤカシですよね?」
桃「うん、そうだけど」
黄「心の準備とか大丈夫なんですか?」
桃「どういうこと……?」
黄「だってあの人_____________
橙「……………。」
桃「…………………………………え?」
コメント
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命を貢いで無理矢理ハッピーエンドにしてやるっっ!(( 本当にこのシリーズ好きです!続き楽しみにしてます!
僕の命橙にあげるわ(^-^) ハッピーエンド?バットエンド?まぁジェルさと、さとジェルならいいや(((