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似たもの同士

19 - 第19話

♥

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2022年08月23日

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jkside


家の中で伸びていた3人は、


今の世の中でも、かろうじて機能しているポリスを呼んで、事情を少し話し、引きずり出してもらった


ヒョンはポリスの手助けを沢山していたみたいで、彼と一緒に住んでいると言って、


痛々しい姿でベッドで眠るヒョンを、ちらっと見せたら、

僕の話も直ぐに信じてもらえたのだ。


やっぱりヒョンがいなくちゃダメなんだな、

って悔しいような寂しいような気持ちになった


そうやって、僕が家の中を前の状態に戻してる間、ヒョンは死んでしまったかのように眠り続けていて、ひたすら不安だった


🐰「ヒョン、起きれる?今日もちょっとだけ頑張ってね、ごめんね」


ご飯や着替えのためにトントンっと起こすと


ヒョンのその綺麗な一重の目はいつでも直ぐにふわっと開いたけれど、いつもそっと、少し悲しげに微笑んで答える


僕はその度に涙が出そうなほど心配が増していた


🐣「また寝ちゃってた、、身体戻らないな。ごめんね、グク。」


ヒョンをゆっくり抱き起こしてベッドボードにもたれかかるように座らせている時、ヒョンは悲しそうに呟いた


🐰「謝らないでよヒョン、、僕はヒョンがずっと家にいてくれるのが嬉しいのに、」


でも確かに、毎日包帯を取り替える時に見る肩の傷は、いつになっても銃跡が残って、痛々しいままだった


🐰「痛い、、?まだ、、?」


そっと巻き直した包帯を撫でながら聞く


ヒョンはいつも大丈夫だって強がる。


でもたまに痛みで起きてしまっていることもあったから、しんどいのは分かっていた


それはヒョンが僕を困らせないように、辛い身体で精一杯頑張ってくれてるからなんだってことも分かっていた。


だからなにも言えなかった。


心がボロボロのヒョンに、もっと心開いてよ、なんて無理強いはできなかった


毎日毎日、抱きしめたかったけれど、悲しげな表情を見ると、どうしていいか分からなかった


痛いって甘えてくれる日が来ないかな、なんて考えていた


だから今日もそんなことを考えながら、

何気ないふりをして尋ねてみたんだ





すると、今日のヒョンはいつものように大丈夫と言わなかった





俯いて黙ったままのヒョンの顔色をそっと伺う




🐰「ヒョン、、?どした、、の、、?」




🐣「いた、、い、、」


🐰「え?」


🐣「いたい、よ、、、」


顔を上げたヒョンの目にうっすら涙が浮かんでいるのを見て、僕はうろたえた


🐰「ど、どうしよ、、ヒョン、、泣かないで、、」


甘えてくれたらいいのに、なんてさっきまでの軽い気持ちはどこかに消えて、目の前で頬に涙をつたわせているヒョンにただただ焦っていた



🐣「だきしめて、、グガ、、」


な、、


思わず衝撃でまじまじと見つめてしまう


いつもクールで、優しく僕を包み込んでくれる

ヒョンから、そんな言葉が出るなんて想像していなかった


🐰「か、、、かわいい、、、、」


思わず本音が漏れた


ヒョンがただでさえ真っ赤になっていた顔を、さらに耳まで真っ赤にして俯いてしまう


🐣「可愛く、ないし、、早くしてよ、、」


だんだんと愛おしさが込み上げてきて、笑みがこぼれた


🐰「うん、分かったっ」


ベッドにあがりこんで、ヒョンの足に負担をかけすぎないようにそっと跨る


首元に顔を埋めてきゅっと抱きしめた


温かくて抱き心地のいいヒョンを感じて思わず、はぁっと息が漏れた


🐰「ずっとこうしたかった、、いくらでもしてあげるよ僕のヒョン、」


🐣「ん、、あったか、、」




jmside


あ、、やば、、、


抱きしめられた瞬間、あの日からずっと張り詰めていた気持ちがふわっと溶けた感覚がした


絶えず襲っていた肩の痛みもなんだか楽になって、息がしやすい


怪我をしていない方の手でグクの頭をぎゅっと抱き寄せた


いつの間にか少し頼もしくなったグクの肩に顎を乗っけて頭を預けると、


くっついた体から落ち着く香りがして、涙が溢れて止まらなくなってしまった


🐣「ぐが、、、ぐが、、、、ぐすんっ、、

ぐがぁ、、こわかった、、、うわああああん」


我を忘れて子供のように泣き出す僕を、背中に回ったグクの温かな手が優しく撫でてくれる


🐰「ヒョンもう大丈夫だよ、、もっと泣いていいよ、、」


耳元で囁かれると、胸がとくんっとなって、さらに涙が溢れてしまう


🐣「あんな、、つら、い思いしたこと無かった、、痛かったし、、苦しかった、、もう死に、、たいって思った、、ぐすんっ」


🐰「だめだよ、、なんでそんなこと考えるの、、悲しいこと言わないでよ、、」


怒ったようにグクが言った


🐣「今も、、ぐすんっ、、あの時から、胸が引き裂かれるみたいに痛い、、思い出して、、息苦しくなる、、ぐすっ泣」


🐰「うん、、うん、、」


グクは僕の言葉を全部受け取ってくれた


🐣「苦しいのが嫌で、、寝てるしか無かった、、ぐすんっ、、肩もずっと痛かったし、、ぐすんっ、、グクがいるのに、、もう起きたくないって思っちゃってた、、、泣」


そう言うとググがまたぐっと僕を抱きしめて、はぁっとため息をついた


🐰「ごめんね、、、無理矢理でも抱きしめにいくんだった、、ごめん、、ヒョンの心がボロボロなの分かってたから、、、どうしていいか分からなかった」


耳元で囁くように言われたグクの言葉が、心にすっと染み込んで、


苦しかった気持ちを全て包み込んで溶かしてくれる気がした


こんな弱音ばかり吐くかっこ悪いヒョンを、

グクがただじっと抱きしめていてくれることに、救われる思いがした


どれくらい泣いていただろう、


🐣「グスン、、、グスッ、、ご、、めん、、」


顔を見ないでいてくれたグクが、そっと僕から体を離して優しい目でこちらを見つめた


🐰「ヒョン、泣いてくれてよかった、、」


その言葉で、自分を無条件に受け止めてくれる存在が目の前にいるという事に、今更気づき、安堵する


🐰「僕ずっと痛いって言ってくれるの待ってたんだよ、、、ヒョンが痛がってたの気づいてたの知ってるでしょ?」


グクが、僕の汗ばんだ髪と、涙でぐちゃぐちゃの顔をタオルで拭いながら、少し怒った声で言った


🐣「う、、ん、、痛み止め置いておいてくれてたから知ってた、、気遣ってくれてありがと、、」


🐰「あれ、知らないふりすると思ったのに、// 素直なヒョン好きだよっ」


そう言ってにこって優しく笑うから、僕はまた顔が赤くなってしまう


たまには甘えるのもいいな、、って気持ちになっていた僕は


🐣「じゃ、じゃあ、、今日いっしょに寝てよ、、最近ずっとソファで寝ちゃうんだもん、さみしい、、」


俯きながら柄でもないことを口走り、おそるおそるグクの顔を伺うと


グクはあっけに取られたような表情をしていた


🐣「な、、なに、、だめ?」


🐰「い、、いや、、ちがっ、、ヒョン、、そんな目うるうるさせながら言っちゃだめ、、可愛いすぎ、、」


食い入るように見てくるから恥ずかしくて


🐣「もう、いい、、眠い、、寝かせて、、」


拗ねたように言うと、グクがころころと楽しそうに笑う


🐰「ヒョンごめんって、、ふふっ、、一緒に寝ていい?」


🐣「僕が頼んでるんじゃんか、、//」


🐰「うあ、、ヒョン、、今日可愛すぎ、、よし、寝よっか」


恥ずかしすぎたけれど、

体を支えてベッドに僕を寝かせてくれるグクに、もうどうにでもなれ、と体重を預けた


🐰「ヒョン、、離さないから、、」


後ろから抱きしめてくれるグクの温かさを感じながら、


僕は久々に幸福感に包まれて眠りについた



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