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溺愛国王と王室教師

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溺愛国王と王室教師

2 - 愛しい君日記 2章

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2025年05月12日

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日曜の午前。

ハイネは静かに、自室の窓際で本を読みながら珈琲を楽しんでいた。

ローブも脱ぎ、私服姿。いつもより少し柔らかい雰囲気のハイネ先生。


「──ふぅ。たまにはこうして、静かな時間も……」


ガチャッ!!!!!!!


「センセー!!!遊びに来たよーーーー!!!!」

「おや、リヒト王子」


「先生、きた……」

「師匠、今日は随分とくつろいでいるんですね!!」

「僕は来たくてきた訳じゃないんだからな!!ブルーノ兄様が僕をお誘いしてくれたから…」


「ちょっとまって!そのカップ!俺の好きな柄のやつ!!センセーずるい!!!」


──と、騒がしい王子たちがなだれ込んできて、

ハイネのささやかな休日はもはや風前の灯。


「どうしてここに…」

にやりと笑うリヒトが、ドアの向こうを振り返る。


「おっと失礼。通してくれ」

現れたのは、満面の笑みを浮かべた国王ヴィクトール。


「……まさか、陛下まで」

「“今日は君の予定がない”と聞いたのでね。では、お茶会を始めようじゃないか」

そう言って手にしているのは、王室御用達の菓子と紅茶セット。


「どこからその情報を……」

「もちろん、調べた」

「重い……」

と、全員が一斉にドン引き。


「いや、君もたまには甘いものを楽しんだ方がいいだろう?このマカロンなど、君にぴったりだ」

「師匠に似合う色に合わせて選びました!」とブルーノ。

「先生、マシュマロ…食べる…?」とカイ。

「これあーんしていいやつ?」とリヒト。

「トルテ…!!トルテだ!!!!」とレオンハルト。


「……わたくしの部屋は、遊技場ではないのですが……?」


「じゃあ、ハイネの膝枕で昼寝しようかな」

「ヴィクトール!!!!!」

「父上!!!!!!!!!」



こんな感じで大騒ぎしながら、

珈琲はすっかり冷めていく──が、

それでもハイネは、少しだけ微笑んでいた。


「……賑やかすぎます、本当に……」


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