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「透子の耳にもそんな話入ってきてたんだ?」
「あぁ、うん最近知っただけだけど」
「なーんだ。でも今は透子も知ってるんでしょ?」
そっか。
最近ならまだよかった。
オレの悪い噂がそこまでまだ伝わっていないことをオレはただ願うだけ。
「うん。あっ、樹の同じ部署のあの最初に対応してくれた女の子も、どう見ても気があるように見えたけど」
「あぁ~アイツはあからさまだからね。オレいかにもっって感じでアピールしてくる女子はタイプじゃないから」
なるほど。
アイツのその雰囲気は透子でもわかるってことか。
「へ~。誰でもいいってタイプじゃないんだ」
「それオレ前出会った時も言ったけど、誰でもいいってワケじゃないから」
「そういえばそんなこと言ってたね・・」
オレがあの時言った言葉の本当の意味今でも気付いてないんだろうな、きっと。
確かに出会うまではそういうところもあったかもだけど・・・。
あっ、そういうとこか。
そういうとこが伝わってそのイメージがついちゃってるってことかな。
今では透子一筋なのに。
「だからまぁ透子がオレとのこと自慢したくなったらいつでも言って♪ 社内に二人の関係言いふらすから(笑)」
「何それ(笑) 絶対やだ(笑)」
あなたがオレの想いにも関係にもいつか自信持てる時が来たら、その時は喜んでオレは皆に公表するから。
そしてオレもあなたを仕事でも男としても自信持てて守れると確信出来た時、その時はきっと皆に伝えるから。
この人がオレの大切な人なんだと。
だから、どうかその時まで待ってて。
「まぁ今はこうやって付き合えてるワケだし、会社でも部署は違うけど、プロジェクトも同じだし。それに毎週会議室で秘密の時間にイチャつけるからオレは今の所それで我慢しとく」
オレにはそれだけで十分幸せだから。
ずっと願っていたあなたがオレの隣にいるだけで、会社で堂々と会えるだけでそれだけで十分だから。
「イチャつける・・って別に秘密の時間でもないし」
「え~オレはこれからあの時間にあそこであんなことやこんなことも出来るって楽しみにしてるのに~」
「ちょっとイヤらしい言い方しないでくれる?」
「え~だってイヤらしい想像してるから別によくない?」
「なら余計にダメ!」
「まぁその透子の真面目さもこれからオレが崩していってあげるから大丈夫♪ 会社でもオレが欲しくてたまらなくしてあげる♪」
「ちょっ、変な言い方しないでよ」
「そういう言い方してるんだから、透子にはちゃんとわかってもらっておかないと」
「何それ知らないよもう」
きっとすぐにそんな透子になるよ。
きっとオレが好きでたまらなくなる。
どこでもオレが欲しくてたまらなくなる。
それだけオレがあなたを好きなように、あなたも同じように好きにさせてみせるから。
「じゃあ、今日はありがと」
「ん?何が?」
マンションに着いて自分の部屋に入ろうとしたとき、なぜかお礼を言われて思わず聞き返す。
「助けてくれて」
「あぁ。それね。オレがしたくしてしたことだから。てか逆にオレは透子にハッキリ二人の関係わかってもらえてよかった」
オレもあのタイミングで伝えられてよかった。
ちゃんとハッキリさせないと、あなたはきっとこの関係もオレのことも認めてくれなかっただろうから。
「このまま透子はわかってなかったらずっとモヤモヤしてたんじゃない?」
「うん。多分そうだと思う・・・」
「だろうね。そのモヤモヤ無くす為ならいくらでも証明してあげるからちゃんと言って」
「わかった」
これからは何でも言ってほしい。
あなたが不安なこと、心配なこと。
オレがそれを解決出来るなら、ちゃんと向き合うから。
あなたへの想いならいくらでも伝えるから。
「まぁオレ的にはもっと深くまで関係進めたいから今すぐそのモヤモヤ無くす為に朝まで一緒に過ごしてもいいんだけど?」
「遠慮しときます」
本音なのにな~。
やっぱりまだそこまでの気持ちまでは追いついていないか。
まぁ、ようやくスタート地点立てただけだし、ゴールまでゆっくり行くとするか。
一番は透子の気持ちだし。
透子の気持ちも透子自身もちゃんと大事にしたい。
「そう言うと思った(笑) まぁ今日は要望どおり遠慮しといてあげる(笑) まぁいつか特別な時、楽しみにしといて」
「特別な時? 何それ」
「まぁその時が来たらわかるよ。じゃあ、おやすみ」
「うん・・。おやすみ」
まだあなたが予想もしないであろうその時。
オレにはその特別な時がもうすでに待ち遠しい。
きっとオレもあなたも今までで幸せになれるその時を、今は待ち望んで。