テラーノベル
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ご主人
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かちゃん…
とっ…
ずる… ずる…
パチン
「…まぶし…。」
どさぁっ
「…ふーぅぅぅ゛ぅ……ぅ…。」
なんとかたどり着いた深夜n時。ソファーに倒れ込むと同時に深いため息が出る。
働き方改革なんて通用しないこのきらびやかな世界は、仕事なんてあればあるだけ嬉しいし有難い。
でも所詮生身の人間だ。どうやっても疲労は溜まる。移動中や待機時間でほそぼそと休憩をしたところで、蓄積したものはそう簡単に解消しないっての。
「なんか食いたいな…。」
とりあえず食おう。腹減った。
がぱん、冷蔵庫を開けると冷気が顔をなぞって気持ちがよい。
簡単に食えるもん…
そう考えながら手に取ったのは卵と小さめサイズの絹豆腐。
まずは卵から。深めのお椀に割り落としたら卵が浸かるまで麺つゆと水を一対三で入れる。爆発防止にぷすぷすと黄身の部分に爪楊枝で穴をあけて。
レンジで30秒、どうだ?
…もう少し火を入れたいな…追加で40秒。
最近の電子レンジはチーンなんて音がするタイプの方が珍しいのに、なんでチンしてー。で通じるんだろうな。
なんてどうでもいいことを考えながら作ったのは温泉卵風すまし汁。
それっぽくて美味いなら文句ねぇだろ。
次は豆腐だな。
豆皿に出したら天かすと青ネギを乗せるだけ。生姜も少し乗せとくか。
ついでにすまし汁にも青ネギ入れとこ。
ことん、こと、
ローテーブルに二皿を置いて、すとんと座る。
「いただきます。」
最近共演した料理好きの方から頂いたちょっといい醤油を豆腐にかけて、
パク…
こくん…
「…はぁ…、んまー…。」
ゆっくり胃に食事が入っていく、疲れ切った心も身体も一瞬で癒される。なんて大袈裟なことはないけど、それでも確実に落ち着いてくるんだ。
「あいつら、ちゃんと今日の飯食ったかな…。」
食べ終わって一息ついた時、ふと頭に浮かぶのはいつもの顔ぶれ。第二の家族みたいな。
誰ひとり欠けたってもう成り立たない、5人でひとつの存在みたいなもの。
明日は久しぶりに全員集まっての撮影だ。
賑やかになる楽屋を想像して自然と顔が綻んでしまう。
そのために、これからのために、今日もちゃんと飯を食おう。
「ごちそうさま。」