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(nbdt,mmdtはメインになります。)
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⚠︎︎注意⚠︎︎
・fk,sk,nb,dt,iw,ab 高校3年
・mm,ru,kj 高校1年
nb,dt
iw,fk,sk,ab
mm,ru,kj が同じクラスです。
それでも良い方はどうぞ↓
dt side
ru「BBQだーー!!!」
sk「肉!!肉!!」
kj「佐久間くん絶対それしか考えてへんやろ!」
ab「おいこらそこ!走るなって!」
賑やかな声を聞きながら、
みんなでコテージへ戻る。
さっきまでいた海が、
夕焼けでオレンジ色に染まり始めていた。
dt「……夕日綺麗」
nb「今日天気いいからな」
隣を歩く翔太。
濡れた前髪をかき上げる仕草に、
また変にドキッとしてしまう。
dt「(……もう、なんなのほんと)」
fk「おーい、舘置いてくぞ〜?」
dt「あっ、待って!」
慌てて歩幅を速める。
すると、
グラッ
dt「っ……」
砂に足を取られる。
nb「だから危ねぇって」
すぐ腕を支えられる。
dt「……今日何回目だろこれ」
nb「学習しろ」
dt「してるもん……」
mm「ふはっ」
小さく笑い声。
dt「え」
振り向くと、
目黒が少しだけ口元を緩めていた。
dt「……今笑った?」
mm「いや、ちょっとだけ」
dt「ひどくない?」
mm「だって本当に転びそうだったので」
nb「コイツ昔からこうだからな笑」
dt「翔太まで!」
fk「いやでもマジで危なっかしいんだよなぁ笑」
iw「見てる側が怖い時ある」
ab「なんか守ってあげたくなるタイプだよね」
dt「私はちゃんと自分の身は自分で守れますー!」
みんなが笑う。
でも、
その空気が心地いい。
コテージへ戻ると、
テラスにはもうBBQセットが準備されていた。
ru「うわぁ〜!!」
kj「テンション上がるーー!!」
sk「俺火つけたい!!」
ab「絶対危ないからダメ」
sk「なんでぇ!?」
iw「信用ゼロすぎでしょ笑」
dt「ふふっ……」
fk「じゃあ役割分担するか〜」
ab「じゃあ料理組と火起こし組で分かれようか」
kj「俺料理やる〜!」
ab「じゃあ康二、涼華、目黒はこっちお願い!」
mm「分かりました」
sk「えーー!!俺も料理がいい!!」
iw「絶対つまみ食いするじゃん」
fk「むしろ味見で全部なくなるタイプ笑」
nb「佐久間は火起こし側」
sk「横暴ーー!!」
ru「きゃはは!!」
笑いながら分かれていく。
dt「じゃあ野菜切ればいい?」
ab「お願い!」
kj「俺肉味付けするわ〜!」
mm「じゃあ俺、皿とか準備します」
自然に動き始める料理組。
dt「……なんか平和」
kj「火起こし組絶対うるさいで笑」
その瞬間、
外から。
sk「うわ煙!!!」
nb「ばか!近ぇって!!」
fk「佐久間炭触んな!!」
ru「きゃははははっ!!!」
iw「だから言ったじゃん……」
dt「っふふ……」
思わず笑ってしまう。
ab「あっちカオスだね笑」
dt「ほんとに」
包丁を握る。
トントン、と一定のリズムで野菜を切っていく。
kj「うわ舘さん包丁さばき綺麗やな〜!」
dt「そう?普通だよ」
ab「さすが慣れてるよね」
dt「毎日お弁当作ってるからね。」
mm「……」
ふと視線を感じる。
顔を上げると、
目黒がこっちを見ていた。
dt「……なに?」
mm「いや、意外と豪快に切るなって」
dt「え、それ褒めてる?」
mm「褒めてます笑」
少しだけ笑う目黒。
dt「なんか怪しい……」
kj「でも分かるわ〜!舘さんって丁寧そうに見えて割と男前なとこあるよな!」
ab「あーそれちょっと分かる」
dt「なにそれぇ」
笑いながら野菜をボウルへ入れる。
外からは相変わらず騒がしい声。
nb「だから一気に入れんなって!!」
sk「いけると思ったの!!」
fk「煙やっば笑」
ru「しょっぴー顔死んでる〜!!」
dt「……ふふっ」
なんだかんだ、
みんな楽しそう。
その時、
mm「危ない」
dt「えっ」
ふわっと、
手首を掴まれる。
dt「っ……」
目黒の手。
視線を落とすと、
包丁のすぐ近くに指があった。
mm「ぼーっとしてました?」
dt「ぁ……ご、ごめん」
mm「怪我したら危ないので」
ゆっくり手を離される。
でも、
触れられていた場所が熱い。
kj「おぉ〜めめナイス〜!」
ab「今ちょっと危なかったね」
dt「……気をつけます」
小さく息を吐く。
dt「(……なんか今日)」
dt「(心臓忙しいんだけど……)」
その時、
ガラッ
nb「暑っ……」
翔太がテラスへ入ってくる。
髪をぐしゃっとかき上げながら、
だるそうに息を吐く。
dt「翔太、お疲れ」
nb「佐久間がやばい」
sk「聞こえてるからなーー!!」
外から声が飛ぶ。
ab「火ついた?」
nb「なんとか」
翔太がふとこっちを見る。
nb「……涼華」
dt「ん?」
nb「指」
dt「え?」
見ると、
さっき少し切ったのか、
薄く赤くなっていた。
dt「あ、ほんとだ」
nb「“ほんとだ”じゃねぇよ」
すぐ近くまで来る。
nb「だからぼーっとすんなって」
dt「いやこれほんとちょっとだし……」
nb「お前そういうとこある」
呆れた声。
でも、
その手はすごく優しい。
mm「……」
少し離れた場所で、
目黒が静かに視線を落とした。
nb「絆創膏ある?」
ab「あ、救急セットリビング側にあったよ〜」
kj「取ってくるわ!」
バタバタと康二が走っていく。
dt「ほんと大げさだって……」
nb「お前が危なっかしいだけ」
dt「むぅ……」
小さな傷なのに、
翔太は眉を寄せたまま。
その時、
mm「水、当てた方がいいですよ」
dt「あ、うん」
目黒が蛇口をひねる。
冷たい水が指先を流れていく。
mm「沁みます?」
dt「いや、全然」
mm「なら良かった」
相変わらず落ち着いた声。
でも、
隣に翔太がいるせいか、
変に意識してしまう。
nb「……お前今日ぼーっとしすぎ」
dt「してないもん」
nb「してる」
即答。
dt「なんでそんな決めつけるの」
nb「長年の勘」
dt「なにそれぇ……」
少し笑う。
すると、
kj「持ってきたでーー!!」
康二が救急箱を抱えて戻ってくる。
ab「ありがと康二」
nb「貸して」
dt「え!ちょ、自分で貼れるから!」
nb「いいから手出せ」
有無を言わせない声。
dt「……はい」
素直に手を出す。
翔太が慣れた手つきで絆創膏を貼る。
dt「……慣れてる」
nb「お前昔から怪我多いから」
dt「っ……」
mm「……ふは」
dt「え、目黒また笑った?」
mm「ちょっとだけ」
dt「絶対面白がってる……」
mm「いや、仲良いなって」
その言葉に、
一瞬だけ空気が止まる。
dt「……っ」
nb「……まぁ幼馴染だし」
翔太がさらっと答える。
でも、
その言葉に、
なぜか胸の奥が少しだけ引っかかった。
dt「(……なんでだろ)」
幼馴染。
ずっとそうだった。
それなのに…。
sk「肉焼けたぞーー!!!」
外から佐久間の大声。
fk「佐久間!!まだ早いって!!」
iw「絶対生で食べようとしてる……」
ru「しょっぴー助けてーー!」
nb「はぁ……」
翔太が深いため息をつく。
dt「ふふっ、呼ばれてるよ」
nb「行きたくねぇ……」
kj「保護者頑張りや〜!」
ab「翔太お願い笑」
nb「なんで俺なんだよ……」
文句言いながらも、
結局外へ向かう。
dt「……ふふ」
その背中を見送っていると、
mm「……本当に翔太くんのこと好きなんですね」
dt「……え?」
突然の言葉に、
思わず目を瞬かせる。
目黒は俯いたまま、
トングを整理していた。
dt「え、ちょ、どういう意味……?」
mm「…見てたら分かるので」
dt「そんな分かりやすい…かな。」
一気に顔が熱くなる。
mm「……分かりやすいです」
小さく笑う声。
でも、
その笑い方が少しだけ寂しそうに見えて、
dt「……そんな顔する?」
mm「え?」
dt「なんか今、ちょっと寂しそうだった」
思ったまま口にすると、
目黒が少しだけ目を丸くした。
mm「……気のせいですよ」
dt「ほんとに?」
mm「はい」
でも、
どこか誤魔化すみたいな笑い方。
dt「……」
なんとなく、
それ以上聞けなくなる。
その時、
外から。
sk「涼華ーーー!!!」
sk「肉焼けたーー!!」
ru「早く来ないと全部なくなる〜!」
dt「っふふ、行かなきゃ」
ab「めめ、お皿お願いしていい?」
mm「分かりました」
テラスへ出る。
ジュウジュウと肉の焼ける音。
炭の匂い。
夕焼け色に染まった空。
dt「わぁ……」
sk「見て見て!!俺焼いた!!」
iw「絶対焦げてる」
fk「炭じゃん笑」
sk「なんでぇ!?!?」
kj「佐久間くん料理壊滅的すぎるやろ!」
笑い声が重なる。
その空気が楽しくて、
自然と笑みが零れる。
nb「ほら」
dt「え?」
気づけば、
翔太がお皿を差し出していた。
nb「先食え」
dt「いやみんなまだ……」
nb「いいから」
dt「……ありがと」
皿の上には、
綺麗に焼かれた肉と野菜。
fk「はい出た、舘優先〜笑」
nb「うるせぇ」
そう言いながら、
また肉を焼き始める。
dt「(……なんか)」
dt「(ほんと今日ずっと優しい)」
いや、
多分違う。
昔から変わってないだけ。
自分が、
今さら気づいてるだけで。
ru「舘さんそれ美味しい〜?」
dt「美味しい!」
kj「え、どれどれ!?」
ab「康二落ち着いて笑」
賑やかな時間。
でも、
ふと視線を感じる。
dt「……?」
少し離れた場所。
目黒がこっちを見ていた。
mm「……」
その視線が合った瞬間、
目黒はふっと目を逸らす。
dt「(……また)」
今日何回目だろう。
見られてる気がする。
嫌ではない。
むしろ、 少しだけ気になってしまう。
fk「お、涼華モテ期?」
dt「ふっか…」
fk「だって分かりやすすぎるんだもん笑どっかの誰かさんが〜?笑」
nb「……何が」
fk「ん〜?」
意味深に笑うふっか。
その瞬間、
sk「あっ!!」
ガタンッ!!
dt「えっ!?」
佐久間が椅子ごと派手に転ぶ。
ru「きゃはははっ!!!」
kj「佐久間くん何してん!?!?」
ab「危ないってば!!」
一気に騒がしくなる。
dt「っふ、ははっ……!」
笑いが止まらない。
その横で、
nb「お前笑いすぎ」
翔太も少し笑っていた。
ab「もうほら!次の焼けたよ〜!」
sk「っし!待ってましたーー!!」
一気に群がるみんな。
kj「いただきまーーす!!」
ru「おいし〜!!」
賑やかな声の中、
私も紙皿を手に取る。
nb「……げ」
dt「ん?」
翔太の皿を見る。
そこには、
綺麗に避けられたピーマン。
dt「あははっ」
nb「笑うな」
dt「まだ嫌いなの?」
nb「嫌いなもんは嫌い」
sk「小学生〜!!」
nb「うるせぇ」
昔から変わらない。
給食の時も、
お弁当の時も。
nb「……」
ふいに、
翔太が箸でピーマンをつまむ。
そのまま、
何も言わず私の皿へぽいっと置いた。
dt「……ちょ」
nb「頼んだ」
dt「いや頼んだじゃないのよ」
fk「出たーー!!」
iw「懐かし」
ab「昔からやってたよね笑」
kj「えっなにそれ!?」
sk「しょっぴー嫌いなもん全部涼華に渡すの!!」
ru「えぇ〜!なにそれ!!」
dt「別に全部じゃないけどね……」
nb「食うだろ?」
dt「まぁ食べるけど……」
結局そのまま食べる。
すると、
nb「あとこれも」
dt「ちょっと待って!?」
今度は焼きトマト。
dt「増えてるんだけど!?」
nb「お願いしまーす」
dt「ちょっと……!」
周りが爆笑する。
mm「……仲良いですね」
ふと聞こえた声。
顔を上げると、
目黒が少しだけ笑っていた。
dt「え?」
mm「そういうの、自然に出来るのすごいなって」
dt「……自然?」
mm「はい」
静かな声。
でも、
その目は少しだけ優しかった。
nb「別に普通だろ」
dt「翔太は普通多すぎるの」
笑い声が広がる。
煙の向こうで、
空が少しずつオレンジ色に染まり始めていた。
nb「……あ」
dt「なに。」
翔太の箸が止まる。
皿の端には、
ピーマン。
nb「……いらね」
dt「ちょまた?」
nb「苦いだけじゃん。これ。」
dt「5歳児。」
nb「うるせぇ」
そう言いながら、
こっそり私の皿へ移してくる。
dt「あ、ちょっ……!」
nb「頼んだ」
dt「普通に渡してよ」
nb「バレるだろ」
dt「いやもうバレてるって」
fk「あーーー!!」
案の定、
ふっかの声が飛ぶ。
fk「翔太また舘さんに嫌いなもん押し付けてる〜!!」
kj「え!?なにそれ!!」
ru「小学生じゃん!!」
nb「うるせぇな」
nb「だって食えねぇもんは食えねぇし」
dt「はいはい」
結局、
そのままピーマンを食べる。
nb「……ん」
満足そうにまた肉を頬張る翔太。
dt「(ほんと変わんないなぁ……)」
mm「……」
ふと視線を感じる。
見ると、
目黒が静かにこっちを見ていた。
dt「目黒?」
mm「……いえ」
すぐに視線を逸らす。
でも、
少しだけ表情が固かった気がした。
ab「あ、目黒も食べなよ?ずっと焼いてるでしょ」
mm「大丈夫ですよ」
dt「ダメだよ、目黒も座って」
mm「でも……」
dt「私やるから」
トングを受け取る。
すると、
nb「涼華ぁ肉焦がすなよ」
dt「焦がさないし」
nb「前やってた」
dt「あれは翔太が邪魔してきたからでしょ」
nb「人のせいにすんな笑」
笑い声が広がる。
その空気の中で、
目黒だけが少し静かだった。
mm「……いただきます」
ようやく席へ座る。
dt「はい、これ焼けたよ」
mm「ありがとうございます」
目が合う。
さっきまでの少し固い顔が、
ほんの少しだけ柔らかくなった。
sk「ねぇ次海鮮焼こー!!」
kj「ええな!!」
ru「エビ食べたーい!」
火を囲んで、
みんなで笑って。
海の匂いと、
夏の夜風。
dt「(……楽しいな)」
こんな時間が、
ずっと続けばいいのにって、
少しだけ思った。
sk「じゃあ次花火やろー!!」
kj「やるやる〜!!」
ru「やりたい〜!」
ab「片付けしてからね?」
sk「えぇ〜……」
iw「佐久間絶対そう言うと思った。」
BBQも終盤。
網の上の火も少し弱くなってきて、
潮風がさっきより涼しく感じる。
dt「……お腹いっぱい」
fk「舘めっちゃ食ってたもんな笑」
dt「だって美味しかったんだもん」
視線の先。
目黒が慣れた手つきで網を片付けている。
mm「まだ火残ってるので気をつけてください」
kj「めめめっちゃ働くやん〜」
ab「ほんとありがとう」
mm「いや全然」
自然に動く姿が、
なんだか妙に大人っぽく見える。
dt「……」
ぼんやり見ていると、
nb「なに見てんの」
dt「わっ!?」
急に隣から声がして肩が跳ねる。
nb「びっくりしすぎ笑」
dt「急に話しかけないでよ…。」
nb「いやずっとぼーっとしてるから」
dt「……ちょっと考え事してただけ」
nb「ふーん」
そう言いながら、
翔太は私の皿をひょいっと取る。
dt「あ、私片付けるよ?」
nb「いい。座ってろ」
dt「でも……」
nb「さっき動いてたし」
dt「翔太も動いてたじゃん」
nb「俺は平気」
当たり前みたいに言って、
そのまま立ち上がる。
dt「(……また)」
dt「(そういうことさらっとする)」
心臓に悪い。
fk「おぉ〜翔太優し〜」
nb「うるせぇ」
iw「はいはい素直じゃないね」
騒がしい声に混ざって、
思わず笑ってしまう。
その時、
mm「涼華さん」
dt「ん?」
振り向くと、
目黒が缶ジュースを差し出していた。
mm「さっき、あんまり飲めてなかったので」
dt「え、ありがとう……!」
冷えた缶が気持ちいい。
dt「目黒ほんと気遣いすごいね」
mm「そんなことないです」
少し照れたみたいに笑う。
でもその瞬間。
nb「目黒」
mm「はい?」
nb「炭あっち頼む」
mm「あ、はい」
すぐに立ち上がる目黒。
dt「……?」
なんとなく、
翔太のタイミングが絶妙だった気がして。
nb「なに」
dt「別に……」
でも、
少しだけ口元が緩んでしまった。
遠くでは、
佐久間と康二がもう花火を取り出して騒いでいる。
sk「ねぇまだ!?!?」
kj「早くやろやー!!」
ru「線香花火したい〜!」
夏の夜は、
まだ終わりそうになかった。
mm side
BBQの片付けをしていると、
隣に翔太くんが来た。
nb「それ、こっち置けば?」
mm「あ、はい」
前より普通に話せるようにはなった。
でも、
どこか張り合ってしまう空気は残っている。
波の音が静かに響く。
遠くでは、
佐久間くん達がもう花火を振り回して騒いでいた。
sk「おらー!ぶん回すぜー!!」
ab「危ないから!」
mm「……元気ですね」
nb「ガキだからな」
相変わらず口は悪い。
だけど、
その視線はちゃんと皆の方を見ていた。
mm「翔太くん」
nb「ん?」
mm「今日、珍しくめちゃくちゃ動いてましたね」
nb「……うるせぇ」
mm「ふふっ」
少し笑うと、
翔太くんが眉を寄せる。
nb「なんだよ」
mm「いや、なんか楽しそうだったなって」
nb「別に普通」
絶対普通じゃなかった。
佐久間くんと本気で追いかけっこして、
涼華さんに水かけ返して、
ずっと表情が柔らかかった。
mm「……涼華さんいるからですか」
nb「っ……は?」
分かりやすく固まる。
mm「図星ですか」
nb「お前さぁ……」
呆れたみたいに笑う。
でも、
否定はしない。
その沈黙が、
逆に答えみたいだった。
nb「……お前こそ」
mm「え」
nb「分かりやすすぎ」
mm「……そんな見てました?」
nb「見てなくても分かる」
昼間、
涼華さんが笑う度に目で追っていたこと。
転びそうになった時、
真っ先に駆け寄ってたこと。
全部ちゃんと見られていたらしい。
mm「……敵いませんね」
nb「なにが」
mm「幼馴染って強いなって話です」
少しだけ本音が漏れる。
翔太くんは少し黙って、
炭を片付けながら呟いた。
nb「……別に、そんなんじゃねぇよ」
mm「でも、自然です」
nb「……」
少しだけ迷って、
でも、
今なら言える気がした。
mm「翔太くん」
nb「ん? 」
mm「俺、この前伝えました」
nb「……何を」
mm「“誰にも取られたくない”って」
一瞬、
空気が止まる。
遠くで花火が弾ける音だけが響いた。
nb「……へぇ」
短い返事。
でも、
その横顔が少しだけ強張る。
mm「ちゃんと、言葉にしました」
nb「……」
mm「翔太くんみたいに、ずっと隣にいれな訳じゃないから」
mm「言わないと届かないと思ったんです」
静かに言う。
翔太くんは何も返さない。
nb「……お前、意外と攻めるよな」
mm「攻めないと勝てないので」
そう言うと、
翔太くんが小さく笑った。
nb「……くはっ笑負ける気ねぇじゃん」
mm「もちろんです」
nb「……まぁ、お前バカみたいに真っ直ぐだしな」
mm「褒めてます?」
nb「さぁ?」
ぶっきらぼうな返事。
でも、
なんとなく前みたいなピリつきは無かった。
ライバルではある。
負けたくないとも思ってる。
けど、
ちゃんと認めてる部分もある。
そんな微妙な距離感。
その時、
dt「2人とも何してるのー?」
振り向く。
花火を持った涼華さんが、
こっちへ歩いてきていた。
dt「皆待ってるよ?」
nb「…今行く」
mm「ふふ、行きましょうか」
涼華さんが笑う。
ただその笑顔が見れるだけで今は十分だった。
dt side
sk「全員揃ったし次の花火やるぞ!!!」
kj「っしゃー!!」
ru「いっぱい持ってきたもんね〜!」
テラスの前。
バケツを囲むみたいにみんなが集まる。
夜の海は昼と違って静かで、
波の音がやけに近く聞こえた。
ab「さっきみたいに振り回さないでね〜?」
sk「えーー」
iw「綺麗だけど危ないしね。」
fk「じゃあ佐久間は一旦没収か〜?」
sk「なんで!?!?」
笑い声が重なる。
dt「ふふっ……」
その時、
nb「ほら」
dt「え?」
翔太が一本花火を差し出してくる。
nb「先つける?」
dt「うん」
先端へ火を近づける。
シュッ、
次の瞬間、
パチパチと火花が弾けた。
dt「……わぁ」
オレンジ色の光が、
夜の空気に溶けていく。
ru「綺麗〜!」
kj「夏って感じするなぁ!」
sk「康二見ろ!2個持ちだぜ!!」
騒がしい声の中、
花火の光がみんなの顔を照らしていく。
dt「……」
ふと視線を上げる。
少し離れた場所で、
翔太と目黒が並んで花火を持っていた。
さっきまで話してたせいか、
なんとなく空気が柔らかい。
mm「翔太くん、それ逆です」
nb「……あ、やべほんとだ」
fk「なにしてんの〜?笑」
nb「うるせぇ」
dt「ふふっ」
珍しく、
翔太が素直に笑ってる。
その横顔を見てるだけで、
胸の奥がじんわり温かくなった。
sk「涼華ーーー!!」
dt「え?」
sk「一緒にやろー!!」
両手いっぱいに花火を持った佐久間が駆け寄ってくる。
dt「持ちすぎ持ちすぎ!」
kj「佐久間くん欲張りすぎやろ!!」
ru「見て〜!色変わるやつ!」
みんなで輪になって、
次々花火に火をつける。
パチパチ弾ける音。
時々吹く夜風。
その全部が、
夏そのものみたいだった。
nb「……危な」
dt「わっ」
急に火花が近づいて、
思わず身を引く。
nb「近づけすぎ」
dt「だって佐久間が……!」
sk「えへへ」
iw「絶対反省してない」
mm「ふはっ」
目黒が小さく笑う。
dt「目黒まで笑うの!?」
mm「いや、なんか平和だなって」
その言い方が優しくて、
少しだけドキッとする。
でも、
隣では翔太が私の花火を見ながら、
nb「火、消えそう」
って自然に先端を近づけてくれる。
dt「……ありがと」
nb「ん」
本当に、
こういうのが自然すぎる。
sk「ねぇ次線香花火対決やろーー!!」
ru「やりたい!」
ab「いいね、最後っぽい」
みんなで線香花火を一本ずつ持つ。
夜風で火が揺れて、
小さな光がぽつりと浮かんだ。
dt「……綺麗」
静かな時間。
さっきまであんなに騒いでたのに、
線香花火になると自然とみんな口数が減る。
sk「……」
ru「……」
kj「……」
fk「なんか急に真剣じゃん笑」
iw「負けたくないんでしょ」
パチ、
小さく火花が落ちる。
dt「あっ、ラウール落ちた」
ru「えーー!!」
sk「俺まだある!!」
nb「佐久間今年は意外と粘ってんな」
sk「ふふん」
次々落ちていく光。
その中で、
まだ残ってるのは、
私と翔太と目黒。
dt「……」
風が吹く。
でも誰も傾けたりしない。
ただ、
真っ直ぐ持ったまま、
静かに火花を見つめる。
mm「……」
目黒の横顔は真剣で、
翔太も珍しく黙っていた。
パチ、
最初に落ちたのは、
mm「あ」
目黒。
sk「蓮アウトーー!!」
kj「おしいなぁ!!」
mm「悔しいですね笑」
少し笑いながら肩をすくめる。
残るは、
私と翔太。
nb「……」
dt「……」
静かな勝負。
でも不思議と、
嫌な緊張感はない。
ただ楽しい。
その時、
パチッ
nb「……あ」
翔太の火が落ちる。
sk「涼華の勝ちーーー!!!」
kj「おぉーー!!」
dt「よっし!」
思わず笑うと、
nb「くっそ……」
翔太が悔しそうに眉を寄せる。
でも、
その顔がどこか楽しそうで。
dt「ふふっ」
nb「笑うな」
dt「だって悔しそうなんだもん」
nb「悔しいし」
sk「しょっぴー弱ーーい!!」
nb「うるせぇ」
ru「でも舘さん強かった〜!」
sk「もう1本やっちゃう?!」
ab「線香花火そんなガチでやるもんじゃないでしょ笑」
fk「翔太めっちゃ本気だったじゃん笑」
nb「そりゃ負けたくねぇし」
kj「子供やな〜!」
nb「康二には言われたくねぇ」
dt「あははっ」
楽しくて思わず笑みがこぼれる。
mm「綺麗でしたね」
dt「え?」
mm「最後まで火花安定してたので」
dt「……そんなとこ見てたの?笑」
mm「見てました」
さらっと返されて、
少しだけ鼓動が跳ねる。
その横で、
nb「……」
翔太が小さくため息をついた。
でも、
どこか口元が笑っていて。
波の音が静かに響く。
夏の夜風が、
火薬の匂いをさらっていった。
fk side
線香花火対決が終わった。
すると、
kj「待って待って!」
康二が首から下げてたカメラを構える。
fk「あ、出たカメラマン」
kj「旅行やで!?撮らな損やん!」
ru「写真見たーい!」
ab「康二ずっと撮ってくれてるよね」
kj「あとで全部送ったるな♪」
みんなを並ばせながら、
楽しそうに設定をいじる康二。
sk「俺センター!!」
iw「却下」
sk「なんで!?!?」
花火の光の中で騒ぐみんな。
夜の海ってだけで、
なんか青春感すごい。
kj「いくでーー!!」
カシャッ
シャッター音。
ru「うわエモ〜!!」
ab「すご、ちゃんと綺麗」
kj「やろ〜?」
みんなでカメラ覗き込む。
nb「佐久間だけブレてね?」
sk「えぇ!?!?」
iw「動きすぎ」
また笑いが起きる。
sk「よーし!ラウ海行くぞ!」
ru「行く行く〜!」
ab「浅瀬だけね!深いとこ行かないでねー!」
iw「阿部保護者みたい笑」
fk「俺写真見返そ〜康二カメラ貸して〜」
ab「あ!俺も見たーい!」
iw「俺も」
kj「了解やでー!」
dt「私は飲み物取ってこようかな」
自然と皆がバラけ始める。
そんな中、
俺はふと視線をずらした。
テラスの端。
翔太と目黒が、
並んで片付けしてた。
nb「それ熱いから気ぃつけろ」
mm「はい、ありがとうございます」
nb「そっち水入れといて」
mm「分かりました」
……あれ?
なんか普通。
いや、
普通すぎる。
最初の頃なら、
もっと変な空気だった気がする。
fk「……あれ」
iw「ん?どうしたふっか。」
fk「お前ら仲良くなってね?」
nb「は?」
mm「え」
2人同時に振り返る。
うわ、
タイミングまで一緒じゃん。
ab「あー、でも分かるかも」
iw「前より全然空気柔らかいよね」
kj「確かに!花火大会の時とかバチバチやったよんな!」
nb「別にそんなんじゃねぇし」
mm「普通ですよ」
fk「いや絶対前より距離縮まってきてるって〜笑」
nb・mm「気のせい∕ですよ」
言葉が重なる。
一瞬静かになって、
次の瞬間。
fk「ふはっ!息ぴったりじゃん!笑」
大爆笑。
nb「うるせぇって!」
mm「笑わないでくださいよ笑」
目黒も前みたいにピリついてない。
翔太も普通に会話返してる。
なんだ、
ちゃんと仲良くなってんじゃん。
その時、
dt「……?」
飲み物を持った舘が戻ってきた。
dt「なに笑ってるの?」
kj「聞いてや!しょっぴーとめめ仲良しなんやって!!」
dt「へー」
舘が2人を見る。
nb「違ぇよ」
mm「違います」
また綺麗に揃う。
dt「……ふふっ」
舘が笑う。
それ見て、
またみんな笑い始めた。
夜風が静かに吹く。
なんか、
こういう空気いいなって思った。
花火も終わって、
砂浜には少しだけ煙の匂いが残っていた。
sk「あーー楽しかった!!」
ru「線香花火めっちゃ綺麗だったね〜!」
kj「写真いっぱい撮れたわ〜!」
康二が嬉しそうにカメラを確認している。
液晶には、
笑いながら花火を持つみんなの姿。
ピントが少しブレてる写真まで、
なんか“夏”って感じがして良かった。
iw「康二ほんと撮るの上手いよね」
kj「やろ〜?後でみんなに送るわ!」
駄べりながらもコテージへ戻っていく。
その少し後ろ。
翔太と目黒が並んで歩いてた。
fk「……ほぉーん」
前までだったら、
絶対こんな距離感じゃなかった。
必要最低限だけ話して、
妙に空気張ってて。
でも今は、
自然に同じテンポで歩いてる。
sk「ん?ふっかどしたー?」
fk「いやぁ〜」
少し口元が緩む。
fk「ほんと仲良くなったなぁって」
sk「誰がー?」
fk「翔太とめめ」
その瞬間、
ru「ほんとだよね〜!」
iw「あの時は仲良くなれなさそうな雰囲気だったもんね」
kj「最初めっちゃバチバチやったもんな〜」
後ろをちらっと見る。
nb「まじ眠すぎだわ…」
mm「かなりはしゃいでましたもんね笑」
nb「お前も割とはしゃいでたろ笑」
普通に会話してる。
しかも、
どっちもちゃんと笑ってる。
fk「いやぁ〜青春だねぇ」
iw「何その保護者みたいな顔笑」
fk「だってさぁ、なんか嬉しくない?」
fk「あの2人絶対合わないタイプだと思ってたもん」
iw「まぁ分かる」
sk「でも蓮も翔太も涼華好きだから仲間じゃん!」
シン……
一瞬空気が止まる。
kj「佐久間くんそういうのサラッと言うよな!?」
sk「え?なんで?」
ru「きゃは!佐久間くんおもしろ〜!」
後ろを見る。
nb「……」
mm「……」
2人とも聞こえてたらしい。
でも、
変にピリつく感じは無かった。
むしろ。
nb「……おい目黒、あいつら置いてくぞ」
mm「はい。そうしましょう。」
なんかちょっと、
息合ってるのが面白い。
fk「え、なにそれ」
思わず笑ってしまう。
dt「……ふっか何笑ってるの?」
阿部ちゃんと後ろで話してた
舘が不思議そうに首を傾げる。
fk「いやぁ〜?」
dt「うわ絶対なんか企んでる顔」
fk「企んでないって〜」
涼華だけはまだ気づいてない。
翔太と目黒の空気が、
少しずつ変わってきてること。
ライバルなのは変わらない。
だけど、ちゃんとお互い認め始めてる。
それがなんか、
見てて心地良かった。
コテージの灯りが見えてくる。
潮風が少し涼しくなって、
夜も深くなってきていた。
sk「帰ったらアイス食べたい!!」
iw「まだ食べるの?」
ru「え、俺も食べたい〜!」
kj「コンビニ行く!?」
ab「コテージ行く前にコンビニ行こっか〜。」
騒がしい声が夜に響く。
その後ろで、
dt「今日ほんと楽しかったね」
nb「……だな」
mm「まだ明日もありますけどね」
dt「あ、そっか」
ふわっと笑う涼華。
その笑顔を、
翔太も目黒も自然に目で追ってた。
fk「……わっかりやす」
小さく呟く。
でも、
なんかもう、
どっちがどうとかだけじゃなくて。
この空気自体が、
すごく“青春”だった。
続く▶︎