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4週目

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休日で、結構人がいる中とてつもなく長い石段をわざわざ 口に出して数えながら登っている2人は、周りから少し異質な目を向けられていた。

「235、236、237…」

数え間違えが無いよう、ゆっくり数えながら登っているため、今までよりは疲労感が少ない。が、上を見あげるとまだまだ果てしなく続く石段に気が滅入るので、2人とも顔を挙げずにいる。

変に会話をして数が分からなくなり、また1から数え出すのもごめんなので、2人の間に会話はない。

1時間後、ようやく登りきった2人は、段数を報告し合った。ここでそれぞれの段数が違っていたら、最初からやり直しだ。

「私は、589」

レイナがそう言うと、ナギがホッとしたような顔をする。それを見て、レイナも一気に肩の力が抜けた。

「同じ」

『…やっと終わったぁ…』

声がハモリ、2人ともベンチの背もたれにもたれ掛かる。

「…そういえば、あっちあの世でナギ、最後に何か言ってたけど、あれってなんだったの?」

「あぁ、589がわざとかもって話?」

「うん」

レイナが訊くと、ナギは少し考え込むような仕草をして、首を振る。

「いや、多分関係ないよ。俺が思いついたのが本当でも、「なんで589?」って疑問は消えないし」

「だとしても、気になるから教えて」

ナギは、暫く「ん〜〜」と唸り、最後には根負けしたかのように言った。

「少し前に、依頼でゲームを作って欲しいって言われた時のことなんだけどさ、」

「うん」

「世界観が結構仏教っぽくて、そのゲーム作ってる途中に依頼主に「奇数は縁起がいい」みたいな話を聞いて…」

「あ〜…だから最後9にしたのかな?… でも、500段も作る必要ないだろうし…」

「それなんだよ」

2人で散々悩んだ末、それ仏教と階段は関係ないという結論に至った。

「そういえば、階段の段数もピッタリ一緒だった訳だし、やっぱりあっちあの世の神社とこっちこの世の神社は同じなのかな?」

「でも、本殿とか鳥居とかなんか違くない?」

石段はひとまず置いておいて、本殿の方に注目する。

あの世では鳥居と本殿しかなかったが、こちらにはそれ以外にも色々な建物がある。

「これから本殿と鳥居だけ残して、夜にして、人を消したらそれっぽくなりそうじゃない?」

ナギがスマホで写真を撮り、本殿以外を黒く塗りつぶして言う。

「う〜ん…でも、やっぱり色合いとか…形とかも微妙に違う気がするし…」

2人で写真と実際の景色を見比べながら考え込んでいると、ある人が近ずいてきた。

「あの〜…何かお困りでしょうか?」

話しかけてきたのは、黒いダウンジャケットに紺色のジーンズを履いた、少々吊り目ガチな青年だった。

「あ、いえいえだいじょっ」

咄嗟に大丈夫だと言おうとすると、ナギがレイナの裾を少し引っ張ってから小さな声で言った。

「人間じゃない」

「!?」

ナギの言ったことに驚き、青年のことを見るが、どこからどう見ても普通の人間にしか見えない。

思わずマジマジと見つめてしまうと、青年は少し居心地が悪そう身をよじる。

「あ、すみません。実はちょっと困っていることがあって…」

人間界では全く見なかった人外だ。このまま別れるのは惜しいと素直に困っていると言う。

「そうでしたか。何をお困りで?」

そういう青年の顔は、まさに陽キャとしか言いようのないほど爽やかな笑顔を浮かべていたが、その目は何かを探るような目付きをしていた。

(絶対になにか知ってる)

そう確信してナギにチラリと目配せをすると、ナギも同じ事を考えていたらしく、小さく頷く。

「ちょっと人が沢山いる場所だと話しずらいことでして…人が少ないいない場所に行きません?」

ナギも笑顔で言うが、その目は「絶対に逃がさない」と語っていた。

「分かりましたじゃあ、この石段降りた近くに個室のある料理屋があるので、そこ行きましょうか」

「助かります」

「ありがとうございます」

3人は、青年に着いていくように歩き出した。

「ところで、あなたのお名前は?」

この先なんと呼べばいいかが分からなかったため、名前を訊く。

「えっと…私は、鈴木と言います。貴方達は?」

そう聞かれて、アッ、と2人で顔を見合わす。ナギは苗字を覚えてないし、レイナに関しては自分で勝手に考え出した名前なのだ。

「…私は、佐藤です」

「俺は、松本です」

結果、深く考えずにパッと思いついた苗字を名乗る。

「…そうですか」

鈴木さんは、ニコリと微笑んで言ったが、絶対にレイナ達が人間では無いことに気付いている。

(何この茶番…)

「お二人は、何故ここへ?」

「近くの旅館に泊まってまして。それで、近くに神社があると聞いて…」

「そうなんですか」

レイナは素直に答える。

「鈴木さんは、地元の方なんですか?」

ナギが、鈴木さんに聞いた。

「いえ。普段はもっと遠くの県で暮らしています。実家がこっちの方にあって…」

「そうなんですか」

その後も話しているうちにナギと鈴木が、石段を降り終えた。

(やっぱり上りより下りの方が疲れないし早いな)

そんなことを考えながら、笑顔(笑)で会話をしている2人を横目でチラリと見る。

(どっちも目が笑ってないから怖いんだよなぁ…なんというか、腹の探り合いしてる感じがする…)

レイナは最初にここに来た理由を話してからはずっと黙って着いて言っている。

そんな感じで歩いているうちに、鈴木の言う個室がある料理屋に着いた。

店に入り、何個かあるうちの1つの部屋に入る。

部屋は中央に机があり、それを挟んで向かい合うようにソファが並んでいた。某回転寿司店のテーブル席のような感じである。

レイナとナギが隣で、向かいに鈴木がという感じで席に着く。

「…それで、困り事というのは?」

鈴木は相変わらず目が笑っていない笑顔で言った。

「そんなことより、そちらそろそろ正体を現したらどうですか?」

ナギも目が笑ってない笑顔で答える。

(お互い、何をそんなに警戒しているんだろ)

別に敵という訳では無いだろうに。

そんなことを思いつつ、先ずはこっちから言った方がいいだろうと、若干喧嘩腰のナギを手で制してレイナは改めて自己紹介をする。

「改めて自己紹介します。私の本名はレイナと言います。人型の魔法使いです」

「俺の本名はナギです。人型で、属性は水です」

「レイナさんの属性は?」

「私は…」

レイナは属性を聞かれ、若干焦る。闇属性は昔あった魔女狩りの影響で隠されているのだ。

「言いづらい…ってことは、闇ですね?」

「!?」

言うべきか言わないべきか悩んでいると鈴木に言い当てられ、動揺する。

動揺が顔に出たのか、鈴木はクスリと笑う。

「いえ、闇属性は昔悲惨なことがありましたからね。隠そうとするのも無理はないでしょう」

「その…貴方は…」

「あぁ、申し遅れました。私は、妖狐の稲弥トウヤと申します。属性は…わかると思いますが妖怪です。本来は狐ですが、基本的にはこちら人間の姿で生活しております」

(妖怪…初めて見た)

トウヤが自己紹介を済ませると、チラリとナギを見た。レイナもそれにつられてナギを見るが、ナギはまだトウヤに対する警戒をといていないらしい。探るような目付きをしている。

「何をそんなに警戒してるの?」

レイナが少し呆れながら聞くが、トウヤが警戒しているナギを見て、言った。

「その様子…貴方達も同じ時間をループしていますよね?」

『えっ』

全く想像していなかったことを言い出したトウヤに、思わず素っ頓狂な声が上がる。ナギも、予想していなかったのか驚いたように目を見開き、口が若干空いていて、なんとも間抜けな顔をしていた。

「フフフッいやぁ、まさか化かす側の私が、化されるとは、全く予想していませんでした」

アッハハ、と笑う姿は、最初の陽キャオーラ強めの表情とは全く違い、吊り目も相まってどこの詐欺師だよと言いたくなるような雰囲気になっている。

ポカーンと固まっている2人を見て、トウヤはキョトンとしたように言った。

「あれ、もしかして違いました?」

「いえ、合ってます。その、あまりにも予想が出来なかったもので…」

ナギが、ハッとしたように言う。

「その、どのようにループしてたんですか?」

「それがですねぇ…」

レイナが訊くと、トウヤは少し遠い目をしながらこれまでの事を話し出した。




どうも。最近本屋に行く事に最低4冊はマンガと小説を買ってしまい金欠な主です!行くごとに好きなゲームの漫画や小説、ずっと探していた漫画、好きなボカロの小説、という感じで買ってしまい、流石に財布がやばくなってきたので今は極力本屋に行かないようにしていますw

それでは〜( ᐙ)/

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