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「最っ低!」
女が大きな声を出したのを、鬱陶しそうに男は舌打ちをした。
「しょーがないじゃん。ワクワクには抗えないでしょ。」
テレビでは主人公が叫びながら逃げ回っている。
ソファを背にカーペットに座り込む男はそれをじっと見つめていた。
「私とのデートはワクワクしないってこと?馬鹿言わないでよ!彼女いるのに合コンとかほんっとあり得ないだけど!」
女は男に近づいて、立ったまま見下ろす。
「五月蝿い、聞こえないから黙ってくんない?」
「はぁ?こっちはね、クリスマスのために一ヶ月前から色々準備して来てんだよ?頭おかしいの?」
「てかさ、俺のスマホ勝手に覗いたじゃんね。プライバシーの侵害〜。」
「話逸らすな!ガクくんが急にバイト入ったとか言うから怪しいと思ったの!普段から怪しいし!そしたらビンゴ!彼女いるのにドタキャンしてクリスマスに合コン行こうとしてました!キモすぎ!死ね!」
「普段から怪しいはおかしいでしょ。全然勝手にスマホ見ていい理由になってねーよ。」
「謝るまで一生口きいてやんないから!」
「五月蝿いって。」
女はそう吐き捨てて沸いた風呂に向かった。ドアを閉める荒々しい音を響かせた後で、男は映画を数十秒巻き戻す。
「それ犯人親友だよ!」
女は大声でそう言って再度ドアを閉めた。
男が集中して観ていた映画のネタバレ。
しかし男は黙ってそれを観続けた。
五分ほど経ったのちに流れてきた濡れ場を見つめた男は、二度目になるその映画を消す。
ふらふらと立って、服を脱ぎながら風呂場に向かった。