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#条約空気
「では、退職ささていただきます。1年間、お世話になりました。」この日々は節約、節約、節約の毎日であった。
おかげで貯金はニヤケが出るほどであった。
「雪さん!」
『おっす。千夏、退職おめでとう。』
同じ東京住み、と分かりそれから私たちは親交を深めていた。
「じゃ、ご褒美をぉ。」
『待て待て。』
すっかり、私たちは友達というには十分であった。
「二名で。」
駅の近くのファミレスに二人で足を運ぶ。雪は相変わらず「いつでも野宿できるぞ。」といわんばかりの服装であった。
『んで、これからはどうするの?』
「まず免許取る。」
『あー、車ね。』
特に車を使わずにいて、不便と思うことは無かった。しかしおそらく、これから不便になるだろう。
「そっちは。」
『んー、もうやった。』
「なにを?」
『ハンターカブ、2種にして、ボアアップした。』
「するとどうなるの?」
前に話してたことがあった。彼女は最近原付バイクでのキャンプにハマっていると。あの時の車と同じ深みどり。ハンターカブと言うらしいそのバイクは、私にはお似合いにしか見えなかった。
『高速に乗れる。』
「なるほどぉ。」
『旅の準備は?』
「これから。」
これから、、、これからだ。
数週間後
「もしもし。」
『どうだった?』
「免許とれましたーーーーご褒美くださーーい。」
免許を取れたら、あの軽商用バンを譲り受けてくれる、と言う約束だった。たしか、N VANとか言うやつだった。
それからと言うもの、スポーツ用シューズや服、キャンプ道具等を買い荒らし、20万近く使った。が、貯金はまだある。私は仕事をしながらバイトもしていた。かなりのハードワークであったが、旅と言う餌を自分に振り撒いては、お金に手を伸ばし労働していた。
さてと、「どう行きましょうか。」
あの日と同じ、一歩目。
ちょっと違う、一歩目。
私はアラームをセットした。
すると、突如着信音が鳴った。雪である。
「もしもし、どしたの。」
『私も、おともしていい?桃太郎。』
時刻は0時にほぼ近い、全く迷惑なやつだ。
「いいの?」
『私も、同じ景色みたいなーって。ずっと思ってたから。』
「告白?」
茶番の様なな会話。少なくとも私たちにとっては違った。
『違う。』
はぁ、、
正直、一人での旅はそれはそれで面白かった。でもどこか寂しさもあった。まぁ、一人よりかは安全だろう。これは私の好意ではない、合理化だと、喉に言葉を詰め込んだ。
「吉備団子で十分かい?」
翌朝、八王子駅前には同じ色のN VANとハンターカブがあった。
コメント
1件
いやっほー!読んだ読んだ!「貴方のハンターカブ。私のN VAN」! 退職して免許取って、軽商用バンで旅に出るって流れがもう最高にワクワクするんだけど!しかも同じタイミングで雪さんもハンターカブでおともしてくれるって、夜中に「私も同じ景色みたい」って電話してくるとこ、めっちゃ良い関係性すぎるでしょ…! 「告白?」「違う。」のやりとり、クスッときた。一人旅もいいけど、二人で同じ景色見に行くのが楽しみになる感じ、すごく伝わってきたよ。続きが気になる!