どーも‼wakaです‼やっと投稿できた33話…‼いや他人のせいにしちゃだめですね‼私の書くペースが遅いからですね‼ごめんなさい‼
それでは、どうぞ―‼
フィル達が初等練士寮へ戻るのを見届けると、私達は上級修剣士寮への道を歩いていく。ふいに、ユージオが口を開いた。
ユ「……キリト、ウンベールの件だけど、何か考えがあるのかい?」
すると、キリトは難しい顔で唸る。
キ「うーん。…下級生を苛めるのはやめろって言っても、素直にやめる奴じゃないのは確かだよなぁ…。しかしなぁ…」
キリトが考えている事は分かる。ウンベールは嫌味で気持ち悪いだけだが、ウンベールといつも一緒にいるライオスは、ウンベールよりも嫌味を具現化したようで気持ち悪いが、頭は決して悪くない。
ミ「ライオスの方だよ。ライオスもウンベールも確かに気持ち悪いけど、ライオスはそれだけじゃない。主席に選ばれたんだから、剣の成績だけじゃなくて、他の成績も良いはず。だから、馬鹿って訳じゃない…って、考えてるんでしょ?キリトは」
キ「ああ、ミオが言った通りだ」
私の言葉にキリトが頷く。しかし、さらに謎が深まった様子のユージオは、キリトに尋ねた。
ユ「それが、どうかしたのかい?」
キ「……ライオスはウンベールと同室だろ?なら、ウンベールが自分の傍付きに八つ当たりするのを黙って見てるのは変じゃないか?正式な懲罰はなくてもいずれ悪い噂は立つだろうし、そん時は同室のライオスの評価を下げるぞ。自尊心の塊みたいなあいつらなら、懲罰と同じくらい嫌がりそうだけどな」
ユ「でも…ウンベールがフレニーカを苛めるのは事実なんだ。つまり、ライオスにもお手上げなくらいウンベールが不機嫌だってことなんじゃないか?その原因が僕との立ち合いなら、どうしたって僕が一言言ってやらないと…」
今にもライオスの部屋に行きそうなユージオを、私とキリトで止める。
キ「だからさ、そこだよ」
ぴたりと立ち止まったキリト。つられて私とユージオも廊下の真ん中で止まる。
キ「もしかしたらこれは、ユージオを狙った手の込んだ罠なんじゃないのか?お前がウンベールの所行に抗議する、そこで何らかのやりとりがある、結果としてユージオが学院則に違反してしまう…みたいな仕掛けになってるとしたら…」
ユ「ええ?」
ユージオは予想外の発言だったのか、目を見開いた。
ユ「まさか…そんな事あり得ないだろう…。僕とウンベールは、席次は違っても同じ修剣士だよ。具体的な侮辱を口にしたり莉ない限り、何を注意したって逸礼行為にはならない。むしろお前の方が心配だよ、キリト」
キ「ああ、まぁ…そうだな。たとえば、あいつの制服に泥染みをつけたりな」
真顔でそう言うキリトに、すかさず私はツッコミを入れた。
ミ「それはキリトだけだよ」
ユージオは短くため息をつき、呆れ顔をする。しばらくして、顔を引き締めたユージオが言った。
ユ「あのさ、ウンベールの部屋に行ったら、まず僕が喋るからね。キリトはしばらく後ろで怖い顔だけしててくれ。ミオは…」
心配そうにこちらを覗くユージオに、私は大きく頷いた。
ミ「私も行く。何かできるって訳じゃないけど、もしかしたら私のせいでもあるからね」
私の言葉に、キリトとユージオはシンクロした動きで首を傾げる。え、可愛い。
キ「どういう事だ?」
ユ「ミオは何もしてないだろう?」
ミ「いや、あの食堂での出来事とか、花壇に行った時とか…いろいろと喧嘩売っちゃってるからさ…」
気まずそうにつぶやく私に、キリトとユージオは「ああ~」と遠い目をした。ライオス達がゼフィリアの花を千切ろうとした時の話はもうユージオにしてある。
ユ「…分かった。じゃあ、キリトもミオも後ろで怖い顔をしていてくれ」
ミ「合点承知の助‼」
キ「任せろ、それなら得意だ」
緊張感の全くない私達の返事に、今まで以上にユージオは呆れ顔をする。そして絞り出すように言った。
ユ「…頼んだよ。今日は口頭で注意してみて、聞き入れないようなら、管理部にフレニーカの配置換えを要請しよう。ウンベールに事情を聞くくらいはしてくれるだろう。それだけでもあいつには効果があるはずだ」
キ「ああ…そうだな」
ミ「学院則とか禁忌目録が無かったら、ウンベールを一発殴ってやりたい…‼」
私の本音に、ユージオは苦笑した。
ユ「それは流石にダメだよ、ミオ」
ユージオはキリトの背中を叩くと、廊下をさらに進んだ。私も2人の青年の横に並んだ。
ユ「ユージオ修剣士とキリト修剣士、ミオ修剣士です。ジーゼック修剣士に少々お話が」
ユージオは出来るだけウンベールを刺激しないように言ったのが分かる。しかし、ドアの向こうから聞こえたのは、荒い足音だった。ドアを乱暴に開けて出て来たウンベールは、声を荒げて叫んだ。
ウ「事前に伺いも立てず押しかけるとは無礼な‼ミオ修剣士はともかく、貴様ら平民はまず書状にて面会の許しを求めるのが筋であろう‼」
ミ「こんっの…」
ここでも平民と貴族の差が出てしまうのか。ってか、逆だっての‼あと名前で呼ぶな‼特に理由は無いけど‼思わず手を出しそうになるが、キリトに肩を叩かれて我に返る。しかし、部屋の奥からライオスの声が聞こえた。は?ムカつく。
ラ「よいよい、同じ学舎にて琢磨する者同士ではないか。お通ししたまえウンベール、こう突然では残念ながら茶の用意はできないが」
ウ「…ライオス殿のご厚情に感謝するのだぞ」
そして、私達は部屋に入る。ウンベールが、目の前のソファに腰を掛けると、ライオスがユージオに顔を向けた。
ラ「…それで、我が友ユージオ修剣士におかれては、休息日の夕刻にいったいどのような御用かな?」
ミ「我が友…?」
小さい声で呟く。静まりかけていた憤りがまたこみ上げてきそうになるが、なんとか耐える。
ユージオは、厳しい顔でウンベールとライオスに言った。
ユ「ジーゼック修剣士に関して、少々好ましからざる噂を耳にしましたので。学友がその芳名を汚す前にと、僭越ながら忠言に参りました」
途端、ウンベールが血相を変えて何か言おうとしたが、ライオスがそれを制し歪んだ微笑みを見せた。
ラ「ほほう…?これは意外であり、望外のことでもあるな。ユージオ殿に我が朋友の名を案じて頂けるとは。しかし惜しむらくはその噂とやら、まるで思い当たらない。不明を恥じつつ、お教え願うよりないようだ」
その態度に、ユージオは一層厳しい顔で叫んだ。
ユ「……ジーゼック殿が、ご自身の傍付きの練士に対して、卑しき行いに及んでおられるとの話を聞いたのです。心当たりがおありでしょう‼」
ウ「無礼であろうッ‼」
ウンベールは、勢いよくソファから立ち上がり叫んだ。
ウ「家名も持たぬ辺境の開拓民風情が、四等爵家長子たるこのオレに、こともあろうに卑しいなどとッ‼」
ミ「家のことは関係ありますまい。今は、ジーゼック殿の所行について話しているのです」
強い口調で私はそう言う。え、口調大丈夫だったかな⁉こういうの全く分からないんだよ‼
ウンベールを鎮めたのは、親玉のライオスだった。
ラ「ミオ殿の言う通りだぞ、ウンベール。たとえ生まれは違おうとも、今は屋根を同じうして学ぶ者同士ではないか。何を言われようとも逸礼を責めることはできまいよ、この学院の中ではな。…とはいえ、それが根も葉もない中傷ということになればまた別の話ではあるが。ユージオ殿はどこからそのような珍妙な噂を聞きつけて来たのかな?」
ユ「互いに無為な時間を過ごしたくはないでしょうアンティノス殿、とぼけるのはなしにしましょう。根も葉もないことではありません。ジーゼック殿の傍付きと同室の初等練士たちから、直接話を聞いたのです」
ラ「ほう?つまりそれはこういうことかな?ウンベールの傍付きは、自らの意思で公式に、同室の初等練士を通じてユージオ殿に抗議を依頼したと?」
ユ「っ…いや、そうではありませんが……」
ユージオが唇を噛む。今すぐにでもライオス達を殴ってやりたいが、右足を一歩踏み出したところでキリトに止められた。
キ「ミオ、抑えろ」
ミ「でもっ」
キ「今はまだだめだ」
ミ「…分かった」
仕方なく、直立不動を保つ。ユージオは、怒りを堪えるかのように静かに言った。
ユ「…ならば、お二方は否定されるのですね?ウンベール殿が、フレニーカという傍付き練士に逸脱した行いに及んでおられることを?」
ラ「ふむ、逸脱?なんとも奇妙な言葉だなユージオ殿。もっと解りやすく、学院則違反と言ったらどうかね」
再びユージオは唇を噛んだ。そして、「…ですが」と強く言った。
ユ「ですが……ですが、学院則で禁じられていなくとも、初等練士を導くべき上級修剣士として、すべきではないこともあるでしょう‼」
ラ「ほほう、それではユージオ殿は、いったいこのウンベールがフレニーカに何をしたと申されるのかな?」
ユ「…そ、れは…「もう我慢できない」え、ミオ?」
キ「ミオ…‼」
私は、キリトの制止を振り払い、ズカズカとライオス達に向かって歩いていく。一瞬だけ呆気にとられた様子のライオスとウンベールだったが、すぐにいつもの気持ち悪いニヤニヤ顔に戻った。
ラ「どうしたのかな?ミオ修剣士」
ミ「ライオス殿の問いには、私がお答えいたしましょう」
ラ「ほう…?」
すっと細められた淀んだ瞳を睨みつける。そのまま、私は口を開いた。
ミオ・マルウィス(19歳)
絶賛ライオス睨み中。女の子は何が何でも守る‼って心に決めている。キリトが何度も止めてくれたが、もう我慢ならなかった。静かに怒るタイプ。冷静だけど冷静じゃない。
キリト(19歳)
ミオを何とか止めようとしたが、無理だった。キリトもかなり怒ってるけど、今は爆発させるべきではないと自分を抑えている。
ユージオ(19歳)
先に爆発するのはキリトだと思っていたが、違った。後ろから鬼の形相でミオが歩いてきてちょっとビビった。しかも、いつもよりも冷たくて鋭い口調には背筋が凍った。
申し訳ありません‼最新話遅くなりました‼読んでくださってありがとうございました‼次回もよろしくおねがいします‼
コメント
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続きが気になるおわりかた…。うう…頑張ってください…。大変で、忙しいと、思いますが、楽しみにしながら待っているので…。