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最近、神風がいつも以上に近い。教室でも、廊下でも、まるで私を追いかけるように彼の声が響いてくる。最初はしつこいし、正直うるさいと思っていたけど、いつの間にか彼がいないと少し物足りなさを感じるようになっていた。
そんなある日、放課後の静かな教室で、神風が急に真剣な表情で私の前に立った。
「月見、俺……お前のことが好きだ!」
その瞬間、時間が止まったかのように感じた。彼のいつもの明るさとは違う、まっすぐな目にドキッとしたけど、気持ちがすぐには整理できなかった。
「……考えさせて欲しい」と、やっとの思いで返した。
神風は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔を取り戻し、「いいよ!待ってるから!」と言って、あっさり引き下がった。その笑顔を見た瞬間、ホッとした自分がいて、でも同時に混乱もしていた。私は本当に神風のことをどう思っているんだろう?
それからというもの、彼のスキンシップが増えた。肩に軽く触れたり、冗談を言いながら少し押したり、そして時々、後ろから抱きついてくることさえある。最初はやめて欲しいと思っていたけど、最近はなんだか心地よく感じることも増えてきた自分がいて、余計に混乱してしまう。
そして今日、神風はいつもの調子で「月見、今日は特別可愛いな」と、軽い感じで耳元で囁いてきた。私は驚いて、「何言ってるの!?」と反射的に振り向いたけど、彼はいたって真剣な表情。
「本気だって、信じてよ」と神風は真剣に言って、さらに私に近づいてきた。
「ちょ、ちょっと、近すぎる!」と言いかけた瞬間、彼の顔がさらに近づいてきて、唇が触れそうになった。心臓がドキドキして、どうしても目をそらせない。キスされる……? 頭が真っ白になったその瞬間、神風はふいに私の頬に軽くキスをした。
「え……?」一瞬、何が起きたのか理解できなかったけれど、神風はいたって普通に笑顔だった。
「やっぱり月見は可愛いな」と、彼はそう言ってニコッと笑い、私の肩を軽く叩いた。
「もう、ふざけないでよ!」と、私は顔を真っ赤にして彼を軽く叩き返したけど、心の中はぐちゃぐちゃだった。なんでこんなにドキドキするの? こんなこと、今までなかったのに……。
神風は私にとって何なのか。このまま彼の告白をどう受け止めたらいいのか。彼の軽いスキンシップも、冗談のような態度も、全部本気だったのだろうか? 私の気持ちはどうなんだろう?
彼に振り回されながら、いつの間にか私も彼のことを考える時間が増えていた。自分の気持ちが分からなくて、これからどうしたらいいのか、本当に悩む日々が始まりそうだった。
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