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最近、月見のことが頭から離れねえ。しつこいくらいに声かけてるのは自覚してるけど、それでも足りないって感じる。俺、たぶんもう完全にこいつにハマってる。
でも、あいつは全然俺のことなんか気にしてねえんじゃねえか? そんな不安が、ここ数日ずっと俺の胸の中で渦巻いてた。だから、決めた。ちゃんと伝えるしかねえって。逃げてたって、何も変わらないし、俺だってもう我慢できねえ。
今日の放課後、教室はいつもより静かだった。月見は席に座って、黙々と何かを書いている。俺はもう考え込む余裕なんかなくて、勢いそのままに彼女の前に立った。
「月見、俺……お前のことが好きだ!」
言葉が出た瞬間、体中が熱くなるのが分かった。まるで全身が緊張して硬直してるみたいに。月見の反応を見るのが怖い。こいつ、なんて言うんだ? 呆れられるかもしれない、もしかしたら笑われるかも。でもそれでも、もう止まれなかった。
月見は驚いた顔をして、しばらく黙ってた。そして、ポツリと返ってきた言葉は俺の想像をはるかに超えてた。
「……考えさせて欲しい」
その瞬間、胸の中に冷たいものがズドンと落ちてきた。なんだよそれ、考えさせて欲しいってどういうことだ? 答えが出るまで保留か? それとも俺の気持ちが伝わってないのか?
でも、月見の顔を見たら、なんだかそれ以上押しつけることができなかった。彼女も本気で悩んでる感じがしたから、俺は無理やり笑顔を作って答えた。
「いいよ!待ってるから!」
ホントはそんなに余裕あるわけじゃねえけど、あの顔を見たら、もうそれしか言えなかったんだ。でも待ってる時間なんて俺には地獄みたいだ。焦りで頭がぐちゃぐちゃになりそうなのに、今は何もできない。
それから、なんかもう、自然と月見に触れることが増えた。肩をポンと叩いたり、後ろから軽く抱きついたり。自分でもわかるんだ、俺、焦ってんだよ。好きだって言ったのに、それでもまだ届いてないんじゃないかって。
今日も、月見が妙に可愛く見えて、俺はつい耳元で囁いてしまった。
「月見、今日は特別可愛いな」
彼女が驚いて振り向いた瞬間、俺は無意識に顔を近づけてた。やべ、近すぎたか? でも、今なら、今なら……!
「本気だって、信じてよ」って言いながら、さらに一歩前に出た。俺の心臓は爆発寸前。顔がどんどん近づいて、唇が触れるか触れないかのところまできた。
でも、急に気が引けて、代わりに軽く彼女の頬にキスした。思ったより軽くて、けど心臓はバクバク。俺、なにやってんだ?
「やっぱり月見は可愛いな」って、なんとか軽く言いながら笑ったけど、心の中はもう焦りと不安でいっぱいだった。
でも、月見の顔、すっごく赤くなってた。少しは俺の気持ちが伝わってるのか? いや、わかんねえ。でも、とにかく、もう一歩進まなきゃいけねえ。待ってるだけじゃ、もう限界だ。
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あと2話で完走!