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単独任務
屋敷からでてきた依頼主、ハスネは、羊の獣人だっで、 レイナが想像していたのは初老の普通の男性だったので、屋敷から出てきた時は驚きでハスネから「大丈夫ですか?」と聞かれるまで固まってしまった。
「大丈夫です。獣人の方とは初めて会話するので、少し驚いてしまって」
そう言うとハスネは何かを察したのか、少し躊躇ってから言った。
「もしかして、転移者の方ですか?」
「えぇ。今年に此方の世界に転移してしまって、」
「そうですか。立ち話もなんですし、屋敷の中へ案内しますね」
「ありがとうございます」
そう言うと、ハスネは少しゆっくりと歩き出した。レイナもそれについて行く。
屋敷の豪華な扉をくぐると、広い、落ち着いた雰囲気の玄関があった。ここでは靴を脱がないのか、そのまま屋敷の中を進んでいく。
等間隔で絵画や花が飾られており、それは絵画にあまり詳しくないレイナにも、とても高価なものだということが分かった。
屋敷の調度品を見ながら進んでいると、目の前を歩いていたハスネが1つの扉の前で足を止めた。どうやら目的地に着いたようだ。
ハスネが慣れた手つきで扉を開けると、客人用の部屋なのか、ひとつのテーブルを挟んでソファが置かれていた。
座るように促され、レイナが片方のソファに座ると、ハスネはその向かいに置いてあるソファに座る。
「今回は、わざわざ遠いところまでありがとうございます」
「いえいえ。仕事ですので」
「所で、お名前は?」
「仕事上本名は名乗れないのですが、ここではウィンと名乗らせて頂きます」
「ウィンさんですか。これからよろしくお願いします」
最初はお互い笑顔だ。だが、ハスネの目はあまり笑っていない。どうやらお互い作り笑顔のようだ。
相手が作り笑顔だと分かると、レイナの方も作り笑顔はやめ、普通の表情で話をする。
「それで、今回の潜入についてのお話ですが、」
それを見たハスネも作り笑顔をやめ、資料を取り出す。
「えぇ。暫くの間こちらでメイドとして働いて、その中で調査を進めるという感じですね」
一瞬にして表情を変えたハスネを見て、レイナは少し口元にニヤリとした笑みを浮かべながら言った。
「そちらが素ですか」
「えぇ、長年の執事生活のお陰で、作り笑いは上手い方だと思っていたんですが、最初からバレていたみたいですね」
「ずっと使用人として働いていると、自然とそうなりますよね。私も昔は使用人だったので分かります」
「そうでしたか。因みにどれくらい?」
「6歳からやっていて、今年転移して使用人じゃなくなったので、約10年程じゃないでしょうか?」
この話には少し嘘が混ざっている。それは、レイナ自身今自分が何歳か分からないし、6歳より前の事は覚えていなくて、6歳の時点で既に働いていたから、実際何年くらいやっていたかが本人にも分からないのだ。
「つまり、今年までやっていたと。それなら良かったです。今回は、メイドに変装しての潜入なので」
「そうですね。少し久しぶりですが、使用人の時の感覚はまだ忘れていないので」
「それでは、まずはこの屋敷での一日の予定や、仕事内容から話しますね」
それから数十分後、レイナはメモを取りながらハスネの話を聞き、最後に部屋へと案内された。
「部屋は、2人でひとつとなっています。ウィンさんの使うベットの上にメイド服が置いてあるので、それに着替えて仕事をしてください。では、私はもう行きますので」
そう言うと、ハスネは廊下の奥へと向かっていった。
レイナはハスネが見えなくなると、部屋の扉を開けて中に入る。中に人は居なく、大きめの窓を中心に、部屋の両端にベット、机、クローゼットが左右対称で置かれていた。左のベットの上に真新しいメイド服が畳んで置いてあるので、左がレイナの使う場所だろう。
レイナはとりあえずクローゼットの中に持ってきた荷物を入れると、メイド服に着替えてみる。
仕事は今日の午後からで、まだ時間が少しある為、メイド服を脱いで畳み直すと、屋敷の外の街並みなどを覚えて置くことにした。
自分の服をもう一度来たところで、右側の方を見る。ベットとかは片付いており、この部屋も入った時綺麗だったことから、恐らく几帳面なヒトが相部屋だろう。
レイナはそう考えてから、屋敷の玄関へと向かい、外へ出た。
今日、僕の所は物凄い大雨が降っていて、天気予報の方でもなんか大雨がすごいとか言っていたけど、皆さん のところはどうでしたか?
この回は滅茶苦茶長くなる予定です。
それでは、あとは話すことは無いので、
さよなら〜(ᐙ)/