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道は思っていたより長かった。
ロボットと一緒なら、何ともなかった距離
今は足が重い。子供は何度も振り返った
もちろんそこにお母さんはいない。
夜になると、世界は一気に怖くなる。
ギィ…..
子供は息を止めた。
影が動く。
さほど大きくない、壊れかけの戦闘用ロボットが、こちらを見ていた。
ーー識別
ーー非人間型生命体。
子供は体がこわばる。
逃げなきゃ。
走り出すが、足がもつれる。
その瞬間、子供は思い出した。
お母さんの動き
銃じゃない
逃げ方。
子供は急に方向を変えた。
瓦礫の下に体を滑り込ませる。
ガンッ!
背後で何かがぶつかる音
ロボットは、追って来れない。
しばらくして音が遠ざかる。
ーー助かった
体が震えた
「1人だ….」
子供は膝を抱えた。
泣きそうになる
でも思い出す。
動かなくなったロボットの姿。
守ってくれた背中。
「泣いてる場合じゃない」
小さく言う
子供は立ち上がった。
擦りむいた手が痛む。
それでも歩く。
博士の家はまだ遠い。
だが、もう戻らない。
子供は夜の道を進んでいった。
お母さんを動かすために。