未来を描く月影

第１６話「愛の約束の日」

蒼と美月の結婚式の日がやってきた。その日は爽やかな青空が広がり、穏やかな風が緑豊かなガーデンを優しく撫でていた。二人が選んだこの場所は、特別な思い出が詰まった公園に近く、彼らの歩んできた道のりを象徴するかのようだった。

会場には、美月と蒼を祝福するために集まった家族や友人たちの笑顔があふれていた。彼らは、二人のこれまでの試練と絆の深まりを知り、その新たな門出を心から祝っていた。

美月は白いウェディングドレスに身を包み、少し緊張しながらも柔らかな笑みを浮かべていた。彼女は父の腕に支えられながらバージンロードを一歩ずつ進み、タキシード姿の蒼のもとへと向かった。その姿を見た蒼は、胸にこみ上げる感情を必死に抑えながら、美月を見つめていた。

「美月、きれいだ…」 蒼の囁きに、美月は恥ずかしそうに微笑みを返した。その瞬間、二人の間に流れる温かな空気が、会場全体を包み込んでいった。

式の進行役が二人に誓いの言葉を促すと、蒼が一歩前に出て深く息を吸い込み、目を閉じた。そして、美月の瞳を真っ直ぐに見つめながら、力強く誓いを述べた。 「美月、君と出会ったその日から、君がどれほど大切な存在か気づいていた。これからの人生、どんな困難が訪れても、君と共に乗り越えていきたい。君の笑顔を守るために、全力を尽くすことを誓います。」

美月は涙をこらえながら、静かに微笑み、頷いた。そして、小さな声でこう言った。 「蒼、あなたが私を守ってくれたように、私もあなたを支え続けることを誓います。あなたといることで、どんな未来でもきっと素敵になる。二人で歩む道を大切にしていきます。」

その言葉に、参列者から温かな拍手と涙が湧き起こった。二人は誓いの言葉を交わし終え、結婚指輪を交換した。蒼は、美月の手にそっと指輪をはめると、深い愛情を込めてその手を握り締めた。

式が終わった後、二人はゲストたちとともに和やかな時間を過ごした。会場には、美月と蒼の出会いからこれまでの写真が並べられており、それを見た友人たちが「あの時はこんなことがあったよね！」と懐かしそうに語り合っていた。

また、蒼は特別なサプライズを用意していた。彼は結婚式の締めくくりに、美月への感謝の気持ちを込めた手紙を読み上げた。 「美月、君と出会えて本当に幸せだ。君がそばにいることで、俺は何度でも立ち上がれる。これからも君と一緒に未来を描いていきたい。ありがとう、そしてこれからもよろしくお願いします。」

美月は感動して涙を流しながら蒼に抱きつき、会場中が温かな拍手と笑顔で包まれた。

その夜、二人は未来ノートの新しいページを開き、こう書き記した。 「結婚式を乗り越え、新しい家族として始まりの日を迎えた。これからも共に未来を築いていく。」

蒼と美月にとって、この日が終わりではなく、新たな冒険の始まりであることを二人は知っていた。彼らは互いに支え合いながら、これからも未来ノートのページを一緒に埋めていくのだろう。